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自信があっても、自信がなくても、みんな今を生きている。

とある日のこと。
テレビを見ていたら急に息子さんが話し出した。

「僕、自信のある人が嫌いなんだよ」

「自信のある人が嫌いなの?」

「うん。僕、自信がないから、他の自信のない人と力を合わせてやっていきたい。そうすればできるんだよ」

「そうだね。みんなで力を合わせればできることもあるよね」

「そうなんだよ。ひとりでできなくてもみんなでやりたい」

そう、急に彼は自分には自信がないと言い出したのだ。

自己肯定感が低いのか??
学校で何か失敗したのか?
一体、何が?????

となってしまいがちだけれど、わたしは静かに考えてみた。

まず、息子さんの「自信がない」って何を意味しているのか。
たまたま、テレビでは専門家らしき人が堂々と何かの説明をしていた。
そして、それをわたしたちは見ていた。
その専門家の人はすらすらと分かりやすく説明をしていたのだけれど、何となく威圧的というのか、ちょっと圧を感じて、わたし的には結構、強引な人だなという印象を持っていた。
きっと、息子さんも何か圧を感じたのだろう。
グイグイと来る人や上から押しつけてしまうような威圧感がある人が苦手なのだ。
きっとそんな圧を息子さんは自信というものに置き換えたのだろう。

堂々としていることは悪いことではない。
心もとない人より頼りになるし
圧と言ってもおそらくその人の持つ威厳みたいなものなのだろう。
信頼ができる。
身に着けられるなら身に着けおきたいものだし、やっぱりそうなるには自分や自分の知識に対しての自信が必要なのだろう。

確かに息子さんにはそんな自信はない。
基本、直感で生きている。よく考えているというより、感じたままに体が動いてしまうタイプなので、失敗も多い。
かといって、何でもかんでもとりあえずやってみるとはいかず、
未経験のことには慎重だったり、臆病になってしまう。

そんなわけで息子さんはきっと自分に自信がないのだと感じているのだろう。

ところで、この自信がないというのは悪いことなのだろうか?

自信がないから、やらない。となれば、自信をつけてあげなければとか、この子は自己肯定感が低いかもしれないとか思うのかもしれないけれど、息子さんに関しては心配はしていない。

理由は簡単で自信のない自分を認めているからだ。
わたしが思うに自己肯定感ってどんな自分でもそのままの自分を受け入れること。
自信がないからダメなのではなく、単純に自分は自信がない。
それ以上でもそれ以下でもない。あくまで自分の個性なだけ。
今の息子さんにはそれができている気がする。
もともと自己肯定感に高い低いもないのではないかと思う。
大事なのは、その受け止めた自分自身をどう生きるか。

そのどう生きるかという部分も息子さんは自分なりに考えていた。
他の自信のない人たちと力をあわせること。
息子さんのいうところの自信のある人は一人でなんでもできる人なのだろう。
だから、自信のない人というのは苦手なことやできないことがある人のことなのだろう。
ひとりで何かを成し遂げる。
それは素晴らしいけれど、みんなで試行錯誤しながら、やり遂げる。ことも素敵なことだ。

ひとりでできなければ、みんなで力をあわせればいい。

人は一人では生きてはいない。
お互いに助け合って生きている。

そんなことをきっと息子さんはぼんやりと感じているのだろう。
そして、話してくれたのだろう。

とはいうものの、
息子さんの本心はわからない。

まぁ、あんなに堂々と「僕は自信がない」と言えるのだから、
大丈夫なのだろう。

逃げ出さないで、毎日、頑張っている。

自分の気持ちや考えをうまく表現するには難しいお年頃だし、
そういう漠然としたことを考えるのが好きではない息子さん。
いつも、考えるきっかけを与えてくれる。

そういえば、わたしも自信がないけれど今日までやってこれたし、
何より、そんな自分が嫌いではない。
もちろん、自信がないといったところで
そんな息子さんが好きなのだ。





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