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NEWS LIVE TOUR2022 音楽に行ってきた ※ネタバレなし

「NEWS LIVE TOUR2022 音楽」、初回の8月27日夜と28日夜の札幌2公演に入ってきた。ツアータイトルにもなっているアルバム「音楽」の冒頭、インタールードに「耳で音を食べる」という表現があるのだが、まさに。3人の奏でる音楽を堪能して、お腹いっぱい。とはいえ、またすぐ食べたくなるほど美味しくて…。「ああ、最高!!」としか言いようのない、幸福感でいっぱいになったライブだった。

これは、昨年完結を迎えたアルバム4部作を経て、メンバー全員で“NEWS”と“音楽”に真っ向から向かい合った、グループ最高峰のミュージック&エンターテイメント。

20周年を目前に控えたグループが到達したのは、原点であり頂点。
さあ、絶景をお見せしよう。

音楽|NEWS - Johnny's Entertainment Record ホームページより

まさに絶景だった。本当はあれやこれやと語りたいのだが、NEWSがライブの世界観を大切にしていることもあり、セトリのネタバレは厳禁。初日にメンバーから「セトリは流さないでね」との言葉があった。なので、「あの演出が」とか「曲が」という話題はツアーの後にとっておいて、ツアーのタイトルにもなっているアルバム「音楽」を聴いた感想とネタバレしない程度にライブで感じたことを書こうと思う。入れ込んだオタクの戯言なので、スルーするもよし。最後まで読むもよし。ご自由にどうぞ。食あたり注意か??

NEWS12枚目のアルバム「音楽」は、タイトル通り「まさにミュージック」と言いたくなる1枚。作家でもある加藤シゲアキさんが紡いだ物語、インタールードが曲と曲の間に挟み込まれ、アルバムが1冊の小説のようになる作りになっている。物語を朗読するのは俳優の松たか子さん。やわらかで豊かな声が心地よく、音がすとんと耳に落ちてくる。

インタールドでは、音を食べる星と男の会話が描かれる。少し不思議で影もあり、世の中で起きた出来事のメタファーかと感じる箇所もある。まず、星には口がない。コロナ禍で人々の口がマスクで塞がれたことの暗喩だろうか。そして、物語の途中で起きる喧嘩。「時には不協和音もある」と男が言う。ロシアのウクライナ侵攻のことだろうか。

先日のラジオで加藤さんは「(インタールードの内容を)こうなんじゃないかって考察してる方がいて、いい線いってたんですよ。お、お、って。アルバムでネタバレじゃないけど、インタールードはストーリーがあるので。詳しいことは言えないんですけど。やっぱりこの通りなんだとか、ちがったかなと感じてもらえるのがいい」と話していた。

「君の食べたことのない、音楽を教えてあげる」。Youtubeでは、インタールードからアタッカで流れる、リードトラック「TRIAD」。これがYoutubeで公開された時の感動と言ったらなかった。3人がスタジオで20種類以上の楽器に触れ、サンプリングした音で作った楽曲の和音の美しさと疾走感。私の耳はタイトル通り、和音で満ちた。こんなNEWSに会いたかったと心から思ったし、まだまだ彼らを応援して行けるかもしれないという希望が湧いてきた。「まだまだ彼らを応援して行けるもしれない」という思いは、私の中にある希望であり不安だ。

加齢は人に深みを与えるが、若いことが価値になるアイドルは、年齢を重ねると選択を迫られる。もちろん、そのままアイドルとして生きるのもいい。しかし、キラキラかっこよくあることに違和感を覚え「方向性の違い」と離れていくメンバーもいる。NEWSはまさに、そういう機会に結成直後から4
度、さらされてきた。いつ解散してもおかしくない。NEWSの周りには常に不安定な空気が流れていた。

年を重ねると過去の曲との向き合い方も変わってくる。NEWS最年長の小山慶一郎さんは38歳、増田貴久さんは36歳、加藤シゲアキさんは35歳。結成20周年を目前に控え、アラフォーとなったいま、10代の時にリリースしたキラキラしたアイドルソングを歌えるのか。3人は無理してないかな。それだけが気がかりだ。

2007年に発売された、7枚目のシングル「weeeek」に、

大人になるってどういう事?
外面良くして35歳を過ぎた頃 オレ達どんな顔?
かっこいい大人になれてるの?」

weeeek

という歌詞がある。まさに35歳を越えた3人は「かっこいい大人とは」という問いに向き合っているタイミングだ。アルバム「音楽」の初回盤Bの特典であるインタビューでメンバー3人は、「これからどうやってNEWSとしてやっていくか、勝負の時が来ている」という感覚を共有していた。アイドルが大人になることは。一つ上のステップに進むために何をすべきかと悩むグループが出した1つの結論が、アルバム「音楽」なのだと思う。

「かっこいい大人になれてるの?」という問いは、同世代の私にもグサリと刺さる。社会人になって10年以上が過ぎ、このままでいいのか、これからどう仕事をすべきなのか、生きるべきなのかと悩むことがある。同じ悩みを抱える存在だと、おこがましくもシンパシーを覚えるから曲が心に届く。

8月27、28日の札幌公演で目撃した工夫を凝らした演出に、新しい曲に、馴染み深いあの曲。いまも過去もNEWSはいいなと思った。初日のMCで「ゲネプロでさえ楽しかった」と言っていた加藤さん。メンバーがちゃんとコンサート楽しんでいることが伝わってきてほっとした。

できるならばセトリを書いて、あの曲の時の増田さんの歌が最高だったとか、小山さんがカッコよかったと書きたいけど、ネタバレは厳禁。オーラスが無事終わるまでは我慢、がまん。

前回のライブツアー「STORY」は、本来4人でする予定だったものを3人で強行したため、今回の「音楽」が3人が3人で公演するために作った初めてのライブだ。シングル「ReBorn」のタイトルの通り、NEWSは3人グループへと生まれ変わった。四人で「四銃士」という曲を出しながら、偶然もあり3人で「三銃士」という曲を出してしまうだなんて、もはや3人にタブーはないのかな。増田さんが、札幌の公演で脱退したメンバーの名前をMCでさらっと出しちゃうのも自由すぎる。小山さんもさすがにびっくりしてたぞ。

ああ、楽しかったなとライブの余韻に浸ってこの文章を書いている。おかわりしたいけど、もう手元にチケットはない。札幌ラストの公演で「また札幌に戻ってくるから。それまでNEWSを好きでいろよ」と言った加藤さん。素敵な約束をありがとう。この言葉で私は、また頑張れるんだ。


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