※タイトル写真は美術手帖より引用
『THE GREAT TAMER』概要
演出家Dimitris Papaioannouとは誰か
個人的感想
席について暫くすると、照明が段々に暗くなっていきます。白熱灯が今にも寿命が尽きるときの潔くない「ジジッジジッ」とした電子音。右手には、ひとつの扉。そこから真っ黒な人型の何かがぞくぞくとご登場です。あれあれ、身体は大きいのに顔はあんなに小さい球体で、肘やら足やらの関節はどこか人間とは何かが違う。歪だけれど、たどたどしいその動き、ちょっとかわいくて、クスッとしちゃいます。あなたたちは何がしたいの?今にも消えそうな、蛍光灯を眺めたり、「ジジッ」という音に怯えてみたり。どこからか持ってきた脚立を上り下りしてみたり。可愛いけれど、とかくその動きには意味があるの?あなたたちはなにがしたいのかなあ?と、なぜか母性をくすぐられる一幕。
と思えば、暴れる牛を人間が押さえつけ、しかし、その牛から裸体の人間が産み落とされ?すべてを露わにした人間は矩形の物体の上でバランスを取りながら移動したり、下半身と下半身を合わせて、また違う生物のようなものが舞台を闊歩します。牛は、何かの象徴だったのでしょうか?ミノタウロスとなにか関係が?
とかく美しい肉体美と無音の世界のときもあれば、和やかな音楽をバックに人形は、額縁の中で、赤子を産みきるその生々しさ。そのスケールの広大さ、観客の脳内を征服するその圧倒されました。
まとめ
私には難しく、すーっと入ってくるどころか、うーんうーんと唸りながら、観ておりました。演出は過激なところもあり、面白いと思う人もいれば、自分には受け付けられない!と思う方もいるかもしれません。けれど、美しさを保ったまま、こんな世界観を表現できるんですね。
皆さんも機会があればぜひご鑑賞いただきたいなあと思った次第です☺