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気になるもの

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noteで気になるもの。メモ用です。
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#本屋

理想と現実と本屋讃歌

「本屋なんていう儲からない商売、大変でしょう、続けるのは」 小鳥書房の本屋を開店してからしばらくの間、私はこの言葉に滝行のごとく打たれ続けることになる。滝行と違って心身が浄められるどころか、不安が掻き立てられるだけなのだけど。“本屋=儲からない”の方程式を追究して答えあわせしようとするより、1日でも長くこの店が続くように1冊でも本を買ってくれたらいいのに…。そう思いながら、「たしかにそうですね。でも50年続けたいので、よろしくお願いします」と繰り返し返答し続けた。 “売上

書店の雑誌担当が、日本のインディペンデントマガジンをまとめてみた。

都内の書店に勤務して約2年。雑誌担当として、国内の雑誌から欧米やアジアの雑誌、個人が作るインディペンデントマガジン、リトルプレスマガジン、ZINEなどを見続けてきた。 そんな中、ちゃんと日本国内のインディペンデントマガジンや少部数発行のリトルプレスマガジンをまとめて、紹介している記事がほとんどないなということに気付いた。自分自身も雑誌担当となり知ったものが数知れず。書店に勤務する前から多くのインディペンデントマガジンに出会いたかったという思いがあり、国内のチェックしていたほ

コロナ禍をみんなが生き延びるためのPDF雑誌「灯台より」(創刊号/増刊号vol.1〜/特別号)を発行します

緊急事態宣言の以前以後にかかわらず、多くの本屋(を含むいろんなお店)が苦しい状況にあります。その対策のひとつとして、本屋lighthouseが刊行する雑誌のPDFデータ販売と卸売をはじめます。スピリットは「みんなおうちにいるのにハッピー」です。創刊号と増刊号、そして特別号があります。 以下、詳細になります。読者はもちろんですが、本屋のみなさんもぜひお読みください。仕入れて、売って、生き延びてほしい。仕入れ方法については雑誌の説明の後にまとめて書きます。(このnoteは随時更

二子玉川の本屋博はなぜ熱狂のうちに終わったのか?

1/31(金)午前、二子玉川は静かにざわめき始めていた。 日本各地に点在する書店が、大手もインディペンデントも関係なく一挙に集合し、本棚を広げる『本屋博』が始まろうとしていたからだ。 2日間に渡るイベントが終了し、感想を聞いて回ると、どうやら本が多く売れたようだ。 また、普段の商業では起こらないような読み手-書店の会話、コミュニケーションも多く生まれたようだ。 実際にイベントに訪れた自分も、それを強く感じた。 本が売れない時代と言われている。 ついこの前もジュンク堂の京都

(前編)ニジノ絵本屋の雇用について

先日、危機感を覚えたことがあります。一緒に働くメンバーから「サボってるわけじゃないのに、やること(やりたいこと)が終わらない。時間も金銭面も余裕がない。」というようなセリフを聞きました。 わたしが去年、一昨年、よく口にしていたセリフと全く同じことを言っていたのです。 「ああ、結局、この仕事の運び方だと、わたしに替わって、周りの人たちも同じことになってしまう」と、思いました。 そうなんです、ニジノ絵本屋は、やることが物理的にとても多いのです。組み立てること、告知すること、整える

(後編)ニジノ絵本屋の雇用について

「(前編)ニジノ絵本屋の雇用について」の後編です。間に、「絵本屋の店長がマリオネットな件の真相」を挟みましたが、きちんと後編にいきたいと思います! 前編では・・・・ 「わたしなりにどうしたら良いかを考えてみることにしました。 なににお金がかかっていて、わたし達は金銭的に圧迫されているのか、分析してみます。」 と、書いたのですが、先に分析するか、一緒に分析して欲しいのって 「ニジノ絵本屋の売り上げについて」ではないのかな? と、いうことでした。 どんなに経費がかかるって言

本屋を面白くする14のアイデアをまとめてみました

以前、Twitterで本屋が面白くなるアイデアを投稿されている方のツイートをモーメントにまとめていました。(下記参考)モーメントではまとめきれない振り返りがしにくいので、改めてモーメントから本屋を面白くするアイデアだけを抜粋してまとめてみました。 今後、素敵なアイデアを見つけ次第、追記していきます。本屋作りの参考にご活用くださいませ。 イベント・フェアで参考にしたいアイデア2月のバレンタインデーに参考にしたいアイデア オンラインストアで参考にしたいアイデアフェア選書のオ

「まちの本屋リノベーションプロジェクト」Web広報まわりのこと-Web広報SNS運用編

どうも、nodaです(@noda1985) 前回の「まちの本屋リノベーションプロジェクト」Web広報まわりのこと-Web広報設計編に続いて、プロジェクトのSNS運用などについて書いていきたいと思います。 SNSのそれぞれの特徴Facebook Instagram Twitter Snsにはそれぞれ特徴がありますそれぞれに合った運用方法を決定して運用していくことが大切です。 Facebook Facebookは知人や友人とのつながりの強いSNSです。 使っている人は

本屋の店主、こんな仕事できますよ

お世話になっております。 ほんのみせコトノハ店主の有路(アリミチ)と申します。 東京都国立市にて新刊書店を経営しておりますが、私は常に他のお仕事を探しています。 理由は2つ。 ・何か新しいことがしたい ・本を売るだけでは生活できない 私自身やってみたいことがたくさんあり、そして本屋だけでは生活できるほどお金が稼げないのです。 もちろん、私の販売努力が足りないという問題もありますが、根本的に小売りが儲からない構造になっているからです。 だからこそ、そこを逆手に取ります。

本屋さん、出版社さんにおすすめしたい、いまTwitterで動いている書籍を知る方法

先日、携わっているプロジェクトの石堂書店さんとお話をすると、書籍を知るための情報収集の話題になりました。 出版社さん、取次さんなどから書籍情報を知る方法の他に、SNSも著者さん、出版社さん、お客さんの声がわかるから大切だよねと。 そこで、Twitterで書籍情報を知るためのひとつの方法をご紹介しましたので、共有いたします。 検索対象は、いまTwitterで動いている書籍 いまTwitterで動いている書籍を知る方法 画像赤枠のように、 Twitterの検索窓口に、

『街灯りとしての本屋』の目次

第一章 街灯りとしての本屋  えほんやなずな  クラリスブックス  敷島書房  書肆スーベニア  せんぱくBOOKBASE  ひなた文庫  双子のライオン堂  Cat's Meow Books  H.A.Bookstore  Readin' Writin'TAWARAMACHI BOOK STORE  SUNNY BOY BOOKS コラム  文庫本のなかの「投瓶通信」 仲俣暁生  記憶の劇場としての書店 山本貴光  地に足がついた本屋 松井祐輔  いちばん「居心地」のいい

本屋さんのECショップ38店舗のご紹介と面白い取り組みについて

本が好き、本屋さんが好き。本屋さんのWebまわりを深めたいという気持ちから、ECショップについて調べたり考えたりしております。 今回は、実際に実店舗のある本屋さんのECショップはどんな感じなのか調べてみました。都内を中心に38店舗のサイトをご紹介します。 ちなみに、下記の本屋さんは下記の書籍からの紹介されて本屋さんがほとんどです。本屋さんを勉強するうえでとても参考になる本です。 ちなみに著者主催の本屋さん紹介サイトの下記も面白くておすすめです。 本屋さんのECショップ

本を届けるときに考えたいWebまわり、8つのこと_著者と出版社の施策編

※有料ですが全文読めます。読後、参考になるようでしたらサポートしていただけると大変喜びます。 前回(下記記事)の続きです。 サイトやSNSを活用する際には、ゴールを設定すると、その後の思考や施策が具体的になるので、精度が増します、という話でした。 今回は具体的に、本を届けることについて具体案を提案していければと思います。 著者・出版社が本を届けるためにWebまわりですること著者自身が、Webまわりでできることをあげていきます。 その前に、とても参考になる記事があった

ぼくは本が売れない。「本を売る」ってなんだろう。

今日、大好きな編集者の方とゆっくりお話しする機会があって、いつもはあまり口に出さないことを言ったので、書いてしまえということで。 ぼくは本を売りません。売れません。 ひんぱんに古書店に出入りしているし、蔵書は多分4、5000冊を超えているだろうし、そもそも蔵書の増加のためにマンションを買ったわけで。本を売るには十分すぎる理由があります。が、売れない。 愛書家であれば、情緒的な理由で「本を手放したくない」という気持ちは理解してもらえるかと思います。ただ、それだけじゃないん