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小説「遊のガサガサ探検記」

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小学4年生の上清水遊は川にガサガサに行き、外来魚の席巻に心を痛める。ある時、ニホンイシガメを助けようとして溺れ、60年前の世界に入り込む。その世界では悪魔が人間の欲望を刺激し、生…
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2023年7月の記事一覧

小説「遊のガサガサ冒険記」その14

 その14、  重畳たる山並みが果てしなく続く。大空は青く澄み渡り、高見山の尾根筋の樹氷が…

小説「遊のガサガサ冒険記」その15

 その15、  休み明けの月曜日朝、集合場所にやって来た遊を見て、華は驚いた。顔も半袖から…

小説「遊のガサガサ冒険記」その16

 その16、 「遊、どうした?黙りこくって。待ちくたびれたか。もう少しの辛抱じゃ。今に雷鷲…

小説「遊のガサガサ冒険記」その17

 その17、  ーー森の守り手、フンババを撃ち殺せ。粉々にして抹殺せよ  ギルガメシュ王は友…

小説「遊のガサガサ冒険記」その18

 その18、  川砂が、噴火直後の活火山の噴煙のように水中で激しく舞っている。湧水の仕業だ…

小説「遊のガサガサ冒険記」その19

 その19、 「遊君、華ちゃんが来たわよ」  階下から、母・映見の声がする。遊はパソコンのキ…

小説「遊のガサガサ冒険記」その20

 その20、  大海原を背景に、霊峰・富士山が優美で均整の取れた姿を見せている。山麓は樹海に覆われ、その樹海の一角が切り開かれ、参道のまっすぐ伸びた先に社殿の数々が厳かに立ち並ぶ。  磨墨は翼を広げたまま大きく旋回し、一之鳥居の前に降り立った。参道の両脇はスギとヒノキの巨樹に石灯籠が立ち並び、遠方に朱色の大鳥居、随神門が垣間見える。緑濃い樹間に白い靄がかかり、神々しい雰囲気を醸し出している。ようやく北口本宮冨士浅間神社に辿り着いた。  遊は磨墨の背から降り、頭を垂れた。自制の

小説「遊のガサガサ冒険記」その21

 その21、  石造りの鳥居、両脇には猿が両手を合わせた姿の像が控えている。 「馬返しの鳥居…

小説「遊のガサガサ冒険記」その22

 その22、  真夏の青空に、最高峰の剣が峰が映えている。 (やっとここまで辿り着いたか) …

小説「遊のガサガサ冒険記」その23

 その23、  遊のいる4年3組のクラスでは、担任の臼井先生や鈴木校長らも混じった先生5人…

小説「遊のガサガサ冒険記」その24

 その24、  天空にある自制の神の社はヒノキの素木が清々しく、萱葺の簡素な佇まいだった。…

小説「遊のガサガサ冒険記」最終その25

 最終その25、 「おい、本当か。遊、大ニュースだ」  父イリエスが手にしていた新聞を、遊の…