【ニーメラーの警句】
反ナチ活動家でルター派牧師でもあるマルティン・ニーメラー(1892~1984)が残した警句。
詩のような形をとっているが、第二次大戦直後から50年代初頭あたりまでに講演のなかで成立してきた言い回しであり、詩として発表したわけではないという。
ニーメラーは当初はナチス党の支持者であったが、1933年に始まった職業官吏再建法の「アーリア条項」の適用をめぐってナチスとの対立が始まり、1937年に逮捕されている。
ニーメラーの実体験に基づくこの警句は、反表現規制にとっても重要である。
それは現代の表現規制派がナチスと完全に同じだからだ。「自分たちの要求はこれだけだ。ほんのちょっとだ」と言っても絶対に嘘だという点で。
彼らは常に「過度に性的な表現だけを問題視している」と言ったり、「公共の場だから問題にしているだけだ、民間の漫画なら文句は言わない」と言ったり、常に自分達の攻撃対象は狭いものだ、表現の自由の不当な制約なんてとんでもない!とオーバーアクションで嘘をつく。
しかし彼らは本当に色っぽいイラストの次には、【宇崎ちゃん献血ポスター事件】で巨乳なだけの服を着た少女のイラストを攻撃し、遂には巨乳でもなんでもない【地下鉄に乗るっ】や【君野イマ・君野ミライ】も攻撃された。さらには女性の図像さえなく服だけを描いた【花噎菜(ファイェツァイ)】氏のイラストも、少女を連想させるだけで攻撃対象となっている。
【宇崎ちゃん献血ポスター事件】では、イラストであることが問題なのであって実在の巨乳女性は排除しない、と言ったこともある。その数か月後に巨乳モデルの【茜さや】さんは攻撃された。
「【公共の場にふさわしくない】ものを問題視してるだけ」と言うのも嘘である。彼らは民間の書籍やアニメどころか、すでに18禁指定されていたり有料加入のサービスでしか見られない番組、果ては昔話さえ攻撃している。
表現規制はつねに、自分たちの望む規制がほんの少しだけだと言いながら規制を進め、絶対に止まることはない。別の寓話【殿様と葉っぱの話】が示すとおりである。
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