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よく視て、よく観て、察すること


今週はご時世柄もあって欠勤者が増え、仕事が少し忙しかった。

家に帰るまではあれやってこれやってと考えていたりするのだけど、着いたらもう何もしたくない!となってしまう。

最低限の家事をやってnoteを更新したらあっという間に寝る時間だ。

そんな私の楽しみが、ご飯のお供に観るドラマだった。毎日1〜2話だけの至福の時間。

さて突然ですが、皆さんはかの有名な「ビストロ・パ・マル」の三船シェフはご存知だろうか。

、、はい、Netflixで配信されている「シェフは名探偵」というドラマのキャラクターのことである。

地上波では去年の5月〜8月辺りにかけて放送されていたらしい。
Netflixで見かけてから、ずっと気になっていて9月に入ってからようやく観始めた。

三船シェフ役の西島秀俊さん、なんの役やってても可愛いくないですか。ずるい。
一番好きな役どころはスーシェフの志村さんだけども。

全9話だったので、1週間ちょっとで観終わってしまった。
とても寂しい。


今回はその三船シェフの魅力について書き残しておこうと思う。
※第4話のネタバレを含みます※

登場人物たちは主に、「パ・マル」で働いているメンバー、ギャルソンの高槻、ソムリエの金子、スーシェフの志村の3人だ。
そこに毎回違った人物達がやってきて、色んな物事が起こる。

もれなく全員三船シェフに助けられるのだけど、その中でも心に残ったシーンがある。


第4話のトランスジェンダーがテーマだったお話。

ざっくりあらすじを説明すると、三船シェフと昔一緒に弟子時代を過した羽田野さんがご来店。

現在は経営側にまわり、女性パティシエのみのお店をつくったとのこと。
そのスタッフのうちのひとりと一緒に来ていて、あなたには助かっているけれどメイクと香水はやめてねとやんわり釘を指してる場面があった。

その後、その子は失踪。
「マカロンはマカロン」という文言を残して…。




結局物語の後半で、その子は生まれてきた性別と性自認があっていなかった子であることが判明した。

カミングアウトしてくれれば良かったのに…という羽田野さんに対して、三船シェフが一言。

「言えないくらいこれまで傷つけられたのかもしれません。」

ドキッとした。

三船シェフにはこういうところがある。
行動と言葉だけで人を判断しないで、そこに至った経緯にまで思考を巡らせるのだ。

自分が傷つけられたと思う時でも、なぜ相手はそれをするに至ったのかを考えてみると事情が変わってきたりする。


三船シェフは名探偵とあるようにまさしくシャーロック・ホームズのようで。
最近読んだ北野唯我さんの本「これからの生き方」に出てきた視観察を思い出させた。

視る:行動を観る
観る:行動の動機を観る
察する:何に幸せや、満足を得るのか、という価値観を観る
「これからの生き方。」北野唯我

上記は「人を見る力」を育てるワークとして紹介されていた。(本の中ではもっと詳しく書かれているので、気になる方はぜひ読んでみてください。)

これが自然に出来ているから、魅力的なんだろうなあ。
お節介と揶揄される場面もあるけれど、そのくらい人の人生の背景まで考えて言葉を添えられるというのは凄いことだなと思った。


たまたま、観ていたドラマと読んでいた本の内容が合わさって少し嬉しくなってしまった。
こういう知識と知識の偶然の合致、楽しくて好き。

「シェフは名探偵」その他の話もとっても面白いし、もちろん出てくる料理すべて美味しそうなのでオススメです。

ヴァン・ショー(ホットワインの一種)が飲みたくなること間違いなし!

それでは。


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