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憧れの職業ってブラックな業界になりがちだよね

気が散ってしょうがない。

4回目のコロナワクチンを打つから緊張しているんだろうか。

元々ADHDとはいかなくても集中力は散漫な方だ。

勉強も休憩なしで2時間するなんて、とてもできなかった。

まぁでも何も考えられないよりはマシだ。

一時期は頭の中が空っぽになっていて、仕事しなきゃいけないのに頭が働かなかった。

頭の中が何かで忙しいくらいが丁度良い。

最近感じるのが、YouTubeも忖度するようなコンテンツが増えたことだ。

もちろん今でも地上波では使えないような尖った内容はYouTubeでしか見ることができないが、昔よりは減っている。

減っていないが芸能人を使った案件が増えて、おススメに出やすくなっている印象。

YouTubeが忖度しているわけではない。

基本的にはアルゴリズムに乗っ取っているから、「人気のある人を優先する」という具合だ。

そこのアルゴリズムを上手く使うと広告やマーケティングに効果が出る。

この状態はどんどん加速していくんだろうか。

一番大きな要因は収益が発生することだろう。

ただの動画投稿サイトだったら、個人の趣味の延長線上で仕事と少し絡む部分があるくらいだが、収益が発生するプラットフォームである以上は、どうしても忖度コンテンツが入ってこざるを得ない。

自由競争、資本主義のデメリットかもしれない。

無名の個人でも自由に情報発信できて、テクノロジーの進歩で動画編集も簡単になった。

それ自体は生活の選択肢を増やしているが、「誰でも参入できるもの」は、どうしても過当競争になりやすい。

プレイヤーが多くなることが避けられない。

じゃあライバルよりも一歩抜きに出るには、

「影響力のある会社と組む」
「お金を積んで広告する」

になって、いよいよお金の差が如実に表れる。

それは1周回って「もともと優位な立場にいる人が優遇される」という、

僕たちが一番嫌っていた昔の姿に戻っている感覚だ。

世の中はそんなに甘くないということだ。

前の記事でも書いたが、今後は「受託ビジネス」にクリエイターの世界も切り替わっていくと思っている。

「自分が作りたいものを作る」のではなく、「誰かに依頼されて、依頼に応えるものを作る」という形だ。

比率は少ないが昔から存在するスタイルで、「イメージソング」「タイアップ」と呼ばれるものが類似例だ。

4年に1度あるスポーツの大会に合わせて、事前に趣旨に沿った曲をアーティストに依頼して作曲料やロイヤリティを支払うスタイル。

今までは曲の権利は音楽事務所もしくはアーティストが持っていたが、

発注した側に「曲の使用権」「著作権」が渡る形が増えていくと思う。

実際に同じような事例は既に起きているが、厳密なところは少し違う。

多くの場合の楽曲の買取は「著作権は買い取らない」「ロイヤリティ方式」であることが多い。


「著作権は買い取らない」

発注者とアーティストの間で「何にどれくらいの頻度、期間に渡って曲を使用するか」を決めて、その内容によって使用料を決める。

ドラマのエンディングテーマや企業CMに多く見られる。


「ロイヤリティ方式」

こちらは発注者がアーティストに依頼して完成した曲を、第三者に販売したいときに多く見られる。

あくまで代理販売のような形なので、曲の著作権はアーティストが持ち、販売額に応じて報酬を支払う


上記に共通しているのが「結局は著作権は買わない」という点だ。

しかし著作権は買うことができる。

著作権を買うということは、発注者が「これは当社の曲です」と言い切ることができる。

ちなみに著作権には「著作人格権」という別の権利が自動的についてくる。

著作権の購入と著作人格権の行使によっても再び意味合いが変わってくる。


「著作権を買取、著作人格権を行使する」

こちらは大方の権利を買ったも同然なので、アーティストの許可なくアレンジしたり、アーティストの名前を提示しなくてよくなる。


「著作権は買い取るが、著作人格権は行使しない」

こちらは平たく言うと「曲は発注者のものになるが、アーティストも口を出せる」という状態。

アーティストの名前は出さないといけなくなり、許可なくアレンジすることを禁止することができる。


音楽に限らず創作活動で争いごとが起きる多くのケースで、「権利」というのが大きなポイントになる。

ちなみに楽曲の著作権は音楽出版社になることが多く、アーティスト本人でも自分の曲をプライベートなど、別の用途で使う場合は使用料を収めないといけない。

使用料を払わないとアーティスト本人も自分の曲の二次利用ができない件については、印税という形で後から相殺されるので長期的に見ると大きな問題ではない。

何が言いたいかというと、それくらい権利によってお金の流れが変わることを知っておかねばならない。

加えて音楽事務所やJASRACのような存在を「中抜き」という人もいるが、

ここについて僕個人としては「役割が違う」という点で大きな問題だとは思っていない。

アーティスト本人が、営業から権利侵害の監視、経理までやっていたらキリがないからだ。

少し話が逸れたが、僕は著作権を渡すことによる受託ビジネスがアーティストの選択肢にあるべきだと思っている。

CD、グッズは人口減少で衰退するし、ライブやイベントはコロナの一件で如何に脆弱なビジネスだったかを思い知った。

Spotifyなどのストリーミングサイトは新しい切り口になっているが、

「お金」という点では雀の涙にしかならない。

すでに有名になっている人はオンラインサロンなど独自路線を作れるが、

ほとんどのアーティストには難しい。

やはり自分で作った曲を自然流入で多くの人に知ってもらったり、オーディションを勝ち抜く、いわゆる王道のほかに道を作る必要がある。

そこで会社、個人からの依頼を受けて曲を作り、著作権の譲渡までして一括でお金をもらう形が多くあるべきだと思う。

自分の名前を残したい場合は著作人格権の行使をしなければ良い。

依頼と言っても想定している依頼主というのは「音楽を専門にしていない会社や個人」になるので、結果的にはアーティスト側が主導となって曲を作ることができるはずだ。

とはいえ一番の課題は「音楽を買う人」を探すことだ。

娯楽としてCDを買う人は多くても、「権利まで所有したい人」となると話が変わってくる。

音楽を長期保有しなくて良いケースがあるからだ。

ドラマ、CM、イベントなど「単発」「期間限定」の場合は、所有ではなく使用料を払う方が良い。

目を付けるべきケースは、

・オリジナルが欲しい
・自分では歌えない
・長期で使いたい

を満たしたものだ。

例えば、

・YouTubeチャンネルのテーマソング
・スポーツでの選手の登場ソング
・お店のBGM

などだ。

もっと言うと音楽業界に売るのもアリだと思う。

「カバー」「楽曲提供」ではなく、「自分の曲」にできるのであれば他人から曲を買いたい人は少なくないと思う。

曲を著作権ごと買い取って、自分の歌として練習するだけで良いのだ。

ファンを幻滅させてしまうので、口に出してしまうわけにはいかないが、

業界としてニーズとしてはあると思う。

僕がなぜこんなことを言うのかというと、冒頭で述べた「自由競争×資本主義」を耐えるためだ。

メイクマネー。

残酷だが種銭なくして創作活動を継続するのは至難の業だ。

才能やスキルがあるにも関わらず、軍資金がないために路上ライブやSNS投稿しかアピールする手段が無いのは酷すぎる。

軍資金いらずで手を出せるアピール手法は多くの人が手が出すため、更に埋もれる負のループを生むことになる。

ライブのチケット買取システムのおかげで、大勢の前で演奏する場数が踏めないのはキツイ。

交通費や宿泊代が勿体ないがためにオーディションを躊躇するなんて話にならない。

「自由」とは本当の意味では残酷だ。

無名のうちから自己資金で、楽曲制作、コンテンツ制作、ライブ出演、オーディション出演ができるのは、理想論ではなく現実としてやれるべきだ。

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