海に聴く
1時間くらい、なーんにもしないで海辺にいた。
夫が仕事をしている間に、私は1時間ばかり1人で時間潰し。夫は写真を仕事にしていて、撮影現場には車で出向くのだけれど、少し遠くの現場に行く時は私も一緒についていって、仕事終わりに一緒に買い物をして帰ってくることがたまにある。(そういう時にしか都心に出ていけないのでついでが増える。)
わたしたちは沖縄の北の端っこに住んでいるのだけれど、昨日は仕事で南の端っこに行く予定があったので、2時間くらい車を走らせて沖縄を南下した。
夫が1時間ほど撮影で仕事をしている間、北部とはまた少し雰囲気の違う南の海を感じたくて、わたしは海辺で1時間ほどただただ座って夫の終わりを待つことに。
ただ海辺に座る。本も持っていたし、スマホももちろん持っていたけれど、何もせずにただ座る。そして、ただ感じるだけの時間を過ごす。
海にいるといつの間にか思ったより時間が経っていることが多い。2時間でも3時間でも、ただただぼーっとしてられる。心地よさを感じることに忙しくて、いようと思えばいくらでも居れる。昨日ももちろん1時間なんてすぐ経ってしまった。
海で時間を過ごすのなら、わたしは波打ち際に近い場所が好みだ。高い場所から広い海を眺めるのも悪くはないが、わたしは海で海の音を聴いていたい。真っ青なエメラルドブルーの海を目の前にしていても、わたしは海ではいつも目を閉じる。
波が砂を撫でる音、岩に打ち当たる音。風が耳元を通り過ぎていって、南国の木々たちをさらさら揺らす。潮風が肌の汗を冷やしてくれる感覚も心地がいい。波が引いていくときは、心のざらつきまで一緒に連れていってくれているみたいで、ふわーっと軽くなっていく。
なんでも受け入れてくれる海と、おしゃべりをする。海の声が波の音となり風の音となり、わたしの心と対話する。こんな時間があるからこそ毎日を一生懸命頑張れる!とでも言いたいところだが、こんな時間がわたしの毎日だ。ずーっと海と風とお話をして、ずーっとただただ心地がいい。
なんて贅沢な毎日だろう。こんな毎日を過ごすことに、お金も努力も必要ないなんて。
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