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「今年、心が動かされたもの」を挙げるのが難しい繊細さんの話

2021年ももうすぐ終わろうとしている。
「今年1年で心が動かされたものはなんですか?心に残っているものはなんですか?」
年末になるとよく聞かれる質問。

一生懸命振り絞って答えるのだけれど、答えた自分の答えに全然納得できない私が実はいる。というのも、「全てのことに私の心は強く動かされている」のが根底に根強くあるからだと思う。「印象に残ったもの」という名目でならいくつか限定して挙げることはできるのだと思うけれど、毎日毎日、本当に小さなことにも心をいとも簡単に動かされてしまう私には、心を動かされるという事象に大きいも小さいもつけられないのである。

色んなことに繊細で敏感な私は、毎日毎日、何かに感動を覚えてしまっている。自分でもたまに嫌になるくらい、「え、感動のポイント一個もないでしょ!」みたいなことに、いちいち涙がちょちょぎれそうになる。歩道を歩いている学校帰りの子供たちを見ても、雲ひとつない空を見ても、隣で話しながら思いっきり笑ってる旦那を見ても、気持ちよさそうに風になびく干された洗濯物を見ても、私の目には涙が浮かぶ。意味がわからない人には、本当に引くほど意味がわからないと思う。

それと同時に、大きなイベントに参加して誰かの努力が報われている瞬間を見た時も、泣いてくださいと言わんばかりの映画のワンシーンを見ても、自分の仕事が大成功したり大失敗したりした時も、いつでも泣ける。私の感動に、事の大小は一切関係ないのです。大体のことに心動かされているから。

私自身、そんな私のめんどくさい感覚をちょっと嫌っていたように思える。今でさえ、繊細さんとかHSPとかエンパスとか、なんだか色んな名前が出てきて、こういう感覚を持つ人を一つの個性、性格として認めてくれる世の風潮も少し出てきてるから、そのまんまでいいんだって思えるようになったけれど、その前は恥ずかしくて隠したくて仕方なかった。繊細さんなんて5人に1人はいるとかいうけど本当にいるのかっていうくらい、当時の私の周りにはいなかったんじゃないだろうか。

だからこそ、今年1年という長い時間の中で「心が動かされたもの」を挙げろなんて、不可能でしかない。なんなら毎日「今日、心が動かされたもの」を日々丁寧に書き溜めておいた方が、なんだかいいことが言えるような気がするのは私だけじゃないはず。

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