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「ひとり好き」に知ってほしい「さみしさ」に関する思い込みについて
こんにちは、ひとり好きのチロです。
「内向的・隠居・幸福感」をテーマに、ひとりでいることが好きな方に役立つ情報を発信しています。
今回は「さみしさ」に関するお話。
以前の記事で、「さみしさを感じるのは人間として自然なことだ」という解説をしました。
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それを踏まえて、今回は、「さみしさ」に関する思い込みが苦しみを強めてしまう、というお話をしていきます。
「ひとり好き」な方は、ひとりでいることに対して、思い込みや偏見が無い人も多いかと思います。
しかし、だからこそ、ときどき訪れるさみしさに対して「さみしいのはダメ」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか?
思い込みによって、さみしさによる苦しみが強まってしまうのはツラいですよね。
今回の解説が、少しでもさみしさの解消に繋がれば幸いです。
1.さみしさと思い込み
以前の記事で紹介したことを軽く振り返ると、「さみしさ」を感じるのは人間が生きるために必要な機能である、ということでした。
さみしさは誰にでも生じる感情で、それを感じるのは、恥ずかしいことでも、劣っているわけでもありません。
しかし、さみしさをネガティブに捉えることで、苦しみを強めてしまうことがあります。
「さみしいのは良くない」ということは、脳が「集団でいるほうが安全だ」と認知している、ということ。
繰り返しますが、「さみしさ」は人間の生存本能によるものなので、そう認知するのは自然なことです。
ですが、現代は、ひとりでは生きられないほど過酷な環境ではなくなってきています。
つまり、「さみしくて不安」と感じる人間の脳は、現代社会に適応していない、とも言えるのです。
というのも、「ひとり」よりも「集団」に属しているほうが、危険になる可能性もあるからです。
集団に属している以上、人間関係のトラブルと無縁ではいられません。
上司、部下といった、上下関係によるストレス。
友人との、分かり合えなかったときのストレス。
親や先生からの期待に応えよう、というストレス。
いじめ、格差、疎外感といった問題。
挙げ始めればキリがありません。
つまり、「集団=安全」でもないし、「ひとりでいる=命の危険」という時代でもないのです。
それなのに、しばしば私たちの脳は、
「ひとりは、むなしい」
「ひとりは危険だ」
「人間関係が広い人生のほうが豊かだ」
といった、間違った思い込みをしてしまうんですね。
2.親しい関係の中のバイアス
さみしさの感じ方は、周りの人間関係によって異なります。
たとえば、家族や友達、恋人といった関係性の近い相手であれば「自分の気持ちを知ってほしい、理解し合いたい」と思うことが多いでしょう。
「恋人なんだから、気持ちを共有できるはず」
「親子なんだから、理解し合えるはず」
「友達なんだから、助けてくれるはず」
私たちは、近しい関係の人に対して、こういった思い込みをしてしまうのです。
しかし、残念なことに、「家族だから、友達だから分かり合える」という保証や根拠はどこにもありません。
これは、私たち人間が、先入観に沿った情報を、自分の都合の良いように解釈してしまうためです。
「確証バイアス」と呼ばれるものですね。
そして、そんな親しい人たちと「分かり合えない」、「共有できない」と感じたとき、強いさみしさを感じてしまうのです。
逆に、相手が自分にとってどうでもいい存在なら、気にならない人が多いでしょう。
たとえば、昨日まで仲良く接していた友人と急に連絡が取れなくなったら、不安になりますよね。
内向型のHSPであれば、
「自分が何かしてしまったのかもしれない……」
「自分に問題があったのかもしれない……」
と、深く悩んでしまうかもしれません。
しかし、反対に、一時的にだけ関わった人に対して「連絡が来ない! どうしよう!」と悩む人はいないと思います。
さみしさは、相手との関係性によって左右されることが大きい感情だと言えるでしょう。
3.愛情がネガティブな感情に変わるとき
他人との関わりと「さみしさ」には、オキシトシンという脳内ホルモンが関係していると言われています。
オキシトシンは、人とのつながりや愛情を感じさせ、絆を作るホルモンです。
オキシトシンについて詳しく知りたい方は、以前の記事にまとめているので、参考にしていただけますと幸いです。
↓
オキシトシンは、家族や仲間に愛情をもたらすので、人間関係を築く上では重要なホルモンだと言えるでしょう。
しかし、オキシトシンが増えれば増えるほど良い、というものではありません。
オキシトシンの濃度が高まると、もしも相手が愛情や信頼に反する言動をした場合、逆にそれを許せなくなってしまいます。
その相手に対して、怒りや嫉妬といった感情を抱いてしまうのです。
たとえば、恋人との関係において、相手が自分の気持ちを理解してくれないと感じると、さみしさや怒りを感じてしまいますよね。
これも、オキシトシンの濃度が高まっているためだと考えられます。
逆に、他人にはさほど気にならないのは、オキシトシンの濃度が低く、そもそも愛着を感じていないためです。
オキシトシンの働きによって、家族、友達、恋人といった相手に愛情を感じるのは、生きていく上で大切なことです。
しかし、他人とは基本的に
「自分とは違う人格・考え方を持つ他人」であり、
「決して思い通りにはならない」のです。
オキシトシンが働き過ぎると、この2点が分からなくなってしまうのです。
4.まとめ
それでは、今回の内容をまとめていきましょう。
・「ひとりは危険」「集団は安心」という考え方は、人間の脳が現代に適していないが故に起こる思い込み
・近しい人間関係ほど、分かり合えなかったときに強く「さみしさ」を感じる。
・オキシトシン濃度が高まると、親しい人を許せなくなってしまい、「さみしさ」に繋がってしまう。
この3点がポイントになります。
少しでも、「さみしさ」に関する思い込みの解消に繋がっていれば幸いです。
今後も「ひとりの時間」を充実させる情報をどんどん発信していきます。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!
参考書籍:人は、なぜさみしさに苦しむのか?
中野 信子 著
読んでいただきありがとうございます!皆さんの「ひとり時間」が良いものになりますように。