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【俺ガイル】自分の自分と人の自分。合わせて一つの自己認識。

「人の気持ち、もっと考えてよ。
何でいろんなことはわかるのに、それがわからないの」


『俺ガイル』2期の修学旅行編で最も印象的なセリフ。


奉仕部として、そして比企谷ひきがや自身としてできる限りの貢献をしたのにも関わらず、言われてしまったセリフ。


頑張ったのに怒られてしまった。頑張っているのに叱ってしまった。


両者とも得をしない”辛い現状”になってしまった原因を探ってみようと思う。


アニメのあらすじを軽く語るけど、ネタバレ注意ね。


あと、できれば作品を見て欲しい。


「おもしろそう」と思わせられるように書いていくから。


舞台は修学旅行で訪れている京都。


そこで「告白を手伝って欲しい」と依頼を受けた奉仕部の3人。


だから当事者達を二人っきりにさせるように画策してきたんだけど、比企谷はもう一つの依頼もあって悶々とする。


その”もう一つの依頼”っていうのが「今の関係を壊したくない」というもの。


告白しようとしている男子も、告白されようとしている女子も、複数の友達が集まってるグループの中にいる。


それで、女子の方はなんとなく察してて、でも告白を受ける気は無いから告白しないで欲しい。


それを同じグループの男子に相談していて、告白したい男子と告らないでほしい女子との板挟み状態で困っている。


っていうのを比企谷は相談されて「さぁどうしようか」というところ。


告りたい男子の恋愛を終わらせないよう避けつつ、でも告られる女子の「告白を受ける気は無い」っていうのは伝えなきゃいけない。


そしてグループの現状維持。


比企谷が出した答えが、自分が告って振られること。


自分が告ることで男子の告りを阻止。そして女子が振ることで「今は恋愛する気は無い」という意思を男子に伝える。それでもメンバー同士のいざこざじゃないからグループの現状は維持される。


これが最善策だろうと。


超合理的だよね。


ご依頼通りのものを配達した。


それなのに奉仕部の仲間から、「あなたのやり方、嫌いだわ」と言われ、「人の気持ち、もっと考えてよ」と泣かれた。


何がいけなかったのか。


結論を言えば、比企谷の自己犠牲が人にまで響いてるから。


奉仕部3人の関係が、部員なのか友達なのか、はたまた恋愛なのかは置いといて、お互いがお互いのことを好きで大事に思ってるのよ。


そんな大切な人が告白して振られる。


奉仕部3人は「嘘告白」とわかっているけど、周りの人はガチで告って振られたと認識している。


この自己犠牲の辛さが比企谷自身だけで収まらず、人にまで伝わってるから「やり方が嫌い」と言われ、「人の気持ち考えて」と泣かれた。


つまり自己認識が足りないのよ。


自己認識とは、自分のことを明確に理解する力のこと。自分とは何者であり、他人からどう見られ、いかに社会に適合しているかを理解する能力。

『insight』ターシャ・ユーリック


比企谷はボッチ生活をしていた。


人間関係の失敗から性格がひねくれ、その性格を更生するために半ば強制的に奉仕部へ入れられた。


こうゆう経緯だから比企谷は自分のことを「ボッチであり友達がいない」と認識している。


だからこれまでの依頼解決方法は、自分を悪者にして事を運ぶ自己犠牲的なやり方をとってきた。


これまではそれでよかった。


3人の関係がそこまで深いものではなかったから。


だけどその関係性が少しずつ変わってきた中で修学旅行に来た。


それなのにやり方を変えずに解決した。


ちょっと待てよ?


比企谷は自分のことを「ボッチだ」と思ってるんだから自己認識できてるよね?


この疑問持てるとgoodよね。


もう一回振り返ろう。


自己認識とは、自分のことを明確に理解する力のこと。自分とは何者であり、他人からどう見られ、いかに社会に適合しているかを理解する能力。

『insight』ターシャ・ユーリック


”自分とは何者であるか”。ここに関して比企谷は自分を「ボッチだ」と思っているからできているように見える。


問題は次。


”他人からどう見られているか”


先ほど「3人の関係性は少しずつ変わっている」と話した。


少なくとも比企谷は他の2人から「仲間」であると認識されている。


しかしそれに気づかず比企谷は自分を「ボッチだ」と思っている。


「ボッチな自分が傷ついても誰にも迷惑はかけない」


この自己認識はもう使えない。


なぜなら既に”人からの見られ方”が変わっているから。


比企谷が傷つくと、他の2人も傷つくのである。


自己認識をしっかりしないと、周りの人を辛い目に遭わせ、それが自分にまで影響を及ぼす。


これはアニメの世界だけの話では無い。


自分の振るまいが正しいと思っても、人からそう見えてるとは限らない。


完璧に客観視を身につけることは不可能だけど、擦り合わせて近づけていくことはできる。


人は人と関わり合って生きている。


「僕は誰とも関わってないよ」という人は、なんでこのnoteを読めているかをもう一度考えて。


人として生まれ、これからを生きていくのなら「自己認識」は習得必須の科目である。


そんなことを教えてくれた本『insight』。


そして「自己認識」という目線で物語を見てもらうとおもしろい『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(通称『俺ガイル』)をおすすめしとく。


どっちも「よーく見ないとわからない」奥が深い作品だから、ちょくちょく僕の視点を書いていきたいなと思ってる。


『俺ガイル』修学旅行編のあらすじ映像(非公式)


ということで終わり!読んでくれてありがとう。スキやコメントよろしくね。


じゃあ、また。


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