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Webデザイン模写〜酒販売サイトKURAND〜

こんにちは。

私が「いいな!」と思ったWebサイトについて、pinterestのボードにまとめていますが、特にシェアしたい内容についてnoteにも書き留めています。

今回は、酒類全般の取り扱いを行なっているECサイト「KURAND」の分析です。

KURANDとは

緊急事態宣言を受け、酒類の提供が全面的に禁止されています。
その影響で、酒の卸売業に大きなダメージを受けている報道をいくつか見聞きしました。

そこで実際どのような影響が出ているためGoogle検索したところ、お酒の通販で斬新な試みをしているサイトを見つけました。それがKURANDでした。


KURANDが行なっていること
・KURANDでは、酒蔵とKURANDが共同で新商品を開発していますKURANDとの共同商品を、KURANDのオンラインストアのみで限定販売することで、酒蔵への新しい販路の提供をしています。
・KURANDの商品開発チームは、日本酒造りの最高責任者・杜氏(とうじ)を務めたことのある元酒蔵経営者のスタッフや、日本ソムリエ協会認定の日本酒資格「SAKE DIPLOMA(サケ ディプロマ)」を保有しているスタッフなど、お酒のプロフェッショナルメンバーで構成されています。
・新型コロナウイルス感染症の影響で苦しむ酒蔵を支えるため、日本酒や焼酎の取引先を増やし、造り手と消費者と繋ぐ活動をしています。
・日本酒だけでなく、同じく国内で新型コロナウイルス感染症の影響を受けている、焼酎の酒蔵、クラフトビールのブルワリー、ワイナリーの取引を拡大し、多くの酒蔵や造り手と消費者を結ぶオンライン酒屋を目指します。さらに、国内だけでなく海外でも、KURANDのオンラインストアを成長させることで、日本の伝統である國酒の発展に努めています。

- PR Timesの記事より引用

酒類を販売するECサイト・ECモールは多岐に渡りますが、
・酒蔵と共同で商品を開発していること
・KURAND運営者が、酒に関する専門的な知識を保有していること
が、消費者から「信頼」される価値につながっていると推測できます。

さらに、後述するサイトの世界観や、販売されている商品についても「買ってみようかな」という仕掛けが盛り沢山です。


KURANDのサイト分析

【サイトの目的】
・酒に関心のある層を集め、購入してもらうため
→新たな酒を味わってもらう
【ターゲット層】
・誰かへの贈り物を検討している層
・長年の伝統を大切にする層よりも、パッケージから惹かれて購入する層
・通販サイトで酒類を購入したい層

サイトのナビゲーション(以下、nav)の項目を見ると、

好みや目的から探す
 > カテゴリー
 > 味や香り、料理との相性
 > 特集・ランキング
 > 地名・場所

酒ガチャ

定期購入

の順に並んでいます。

サイトを訪れた際、まずサイト閲覧者は「自分が求める商品はあるか」を検索します。その際、検索している時の気分や目的がある人がほとんどのため、一番目立ちやすい箇所に「好みや目的から探す」の項目が置かれています。

そして下層を見ると、「カテゴリー(ワイン・日本酒・梅酒…)」or 「味」 or 「特集」「地名」と並んでいます。
なぜこの順番なのか。お酒を選ぶ時は、まずカテゴリーで選ぶ消費者が多く、それでも見つからない人は味、それでもパッと思いつかない人は特集、そして地名…と求める商品に行きつきやすいような導線を設計しているからです。

- 酒ガチャの項目

「酒ガチャ」の項目を選択すると、そもそも「酒を選ぶことが面倒だ」と感じる人や「こだわりがない」「いろんなお酒を楽しみたい」と考える人に向けて、福袋のような”お楽しみ”として、複数のお酒からランダムに選ばれたものを届けてもらう企画を作っています。

ラインナップを用意することで、無限な選択肢から選ぶのではなく、決まったパッケージの中からおみくじのように選んでもらいます。そうすることで、商品を選択するストレスを省いているのです。

さらに、お客様の声のセクション(章)を設け、「実際届いたガチャはいかがなものか?」という不安を払拭しています。


ここで注目すべきポイントは画像や動画を引用していることです。

「めっちゃ良かった!」というツイッターの投稿を引用するとしても、写真がついているのかそうでないのか、で印象が違います。
実際投稿している人たちが載せている写真を見て、「こんな感じなんだ」という雰囲気を分かってもらうようにするためと考えられます。

さらにSNSを引用することにより、「SNSで盛り上がっている」雰囲気を出すこともでき、「これは人気商品だ」とユーザーに認識させる意図がある、とも考えられます。


- 定期購入の項目

最後に、実際KURANDでお酒を飲んでみた人、試してみた人がもう1度購入したい場合、「会員限定」を打ち出すことでさらにリピート購入してもらう施策をとっています。

ここでも、「酒ガチャ」同様実際に会員のSNSを引用することで、「盛り上がっている」雰囲気を作り出しています。


私が学んだこと

ECサイトで商品を購入してもらうことに必要なこと。
それは、サイト閲覧者(ユーザー)の不安やストレスをいかに払拭できるか
にかかっていると私は考えます。

皆さんが店舗で購入する場合、店員さんからの説明や自分でサンプルを触ることで、「こんな感じなんだ」と認識し、自分の頭で考えて購入するか否かの選択をしていると思います。

一方、サイト上では店員さんは存在せず、自分自身でほかのサイトと比較しながら商品を決めることになります。
そして届くまで実物が分からないため、正直不安ですよね。
自分が払ったお金に対しての商品が届くのだろうか、と。

これらの不安を払拭するため、Webサイトの構成や引用する口コミ・SNSの投稿を吟味し、説得材料を掲載しているのです。そしてサイト閲覧数を計測しながら、より良い方向へ改善していくのです。

実際にWebサイトを作る側、運用する側でないと分からないことが多々あるかと思います。
Webサイトはこうして設計されているのです。

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ここまでご覧いただきありがとうございました。
ほかにも下記マガジンでWebサイトについて分析しています。

Twitterの「#1日1サイトレビュー」や、pinterestでも分析しています。


またWebサイトの設計についての本を読んでいますが、下記の本は特に参考になったのでぜひ手に取ってみてください。


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