見出し画像

価値を考える前に周りの動きを把握する〜「マーケターのように生きろ」読書感想文

こんにちは。「マーケターのように生きろ」を読んだ読書感想文のnoteです。マーケターの方に限らず、キャリアを考える人に役立つ本です。


本の要約

  • マーケティングとは: 相手にとっての価値を生み出し、それを伝え、相手の持つ価値と交換してもらうこと。ここでの価値とは、「相手が感じることのできる価値」を意味する。

  • マーケターの人に限らず、マーケターの考えを誰もが自分の人生のキャリアを考える際にすごく役に立つ。

【価値とはなにか】本書で定義する価値

1. 知覚価値: 相手が感じることのできる価値
2. 情緒的な価値: モノとしては物理的に差がなくても、相手が何かしらの違いを感じればそれは価値になる(例: 天然水のペットボトルのブランドなど。)使う人にとって役に立つかではなく、使う人にとって意味があるかを問う価値=情緒的な価値

【マーケティングを考える4つのステップ】

  1. 市場を定義する

  2. 価値を定義する

  3. 価値をつくりだす

  4. 価値を伝える

  5. 市場の定義の仕方・どこで勝負するかを決める

  • 市場の定義の仕方: どこで勝負するかを決める。自分ができることと相手にできる人の多さのバランスを取る

  • 可能な限り大きな市場を選ぶ(自分を活かして人の役に立つことを考えたとき、独自性に注目して少人数に向き合うのと、求める声の大きさに注目して大人数に向き合うのは、どちらがより相手視点かを考えると、より多い人数と向き合う=大きな市場を選ぶこと。)

  • 新し切り口で考える

市場の有望性の考え方

  •  市場の大きさ(市場規模)

  • 市場が毎年どれくらい大きく/小さくなっているか(成長性)

  • どれくらいライバルがいるか(競合)

  • 自分たちの能力が活かせるか(関連性)

  • 自分たちの他の活動との相性はどうか(既存事業とのシナジー)

市場の考え方を、自分のキャリアを考えることにも活かせる。

【価値を3段階で相手に伝える】

  1. 覚えてもらう(知ってもらうと覚えてもらうは、決定的に違う)。繰り返し伝える。自分ごとにしてもらう。心を動かす。

  2. 好きになってもらう(いきなりファンを作ろうとはしない。繰り返し伝える。自分ごとにしてもらう。心を動かす。)

  3. 選んでもらう

出世するには、自分の価値を伝えることが不可欠。

PIEの法則(さきほどの価値の3段階に言い換えることもできる。E=覚えてもらう、I=好きになってもらう、P=選んでもらう)

選ぶ側の視点に立ち、自分を話題にしてもらうよう努める。共通の知人を増やし、自分との接点を増やす。

相手を知ることから始める

学生の頃から就職活動で「あなたの強みは何ですか」とか、「AIに仕事を取られるから、自分の個性を出していかないと生き残らない」みたいな時に脅しか?と感じるような報道があったり。

自分のことを聞かれることに慣れてしまい、自分をアピールすることから思考を始めてしまいがちです。

ところが、この本を読んで私は自分をアピールすることから考え始めるのではなく相手を理解することから始まるのが、よく言われる「価値」を考え方なのだと思います。

小学生が「桃太郎電鉄ワールド」の監督にプレゼン

いまいちピンと来ない方は、以下の記事をぜひ一読していただきたいです。

この記事では、「桃太郎電鉄」のゲーム内に枚方市のサイコロマスを追加してくださいというプレゼンを小学生がした結果を報じています。

小学生たちすごいじゃん!という結論で終わらせて欲しくありません。

「桃太郎電鉄ワールド」の監督の発言にぜひ着目してほしいです。

「まず枚方に対して調べ方が足りない。どういう条件がクリアしないと入らないかということも調べられていない。なぜ選ばれて、選ばれていないかを言及している人がいません。なぜ近いまちが入っていて、枚方が入っていないか。実際の現実というのはライバルがいます。比べられます。それを押しのけた人が、自分の提案が採用されたり、されなかったりします」

発表したメンバーは皆、枚方市をサイコロマスに入れて欲しいという結論ではあったものの、皆同じように枚方市のアピール(ひらかたパークがあるよ)をしていたそうです。

この状況は、「マーケターのように生きろ」の本の中にも書かれていた市場の定義に通じます。

枚方市を入れてほしいという提案をするならば、なぜ近くのまちは入っていて枚方市は入っていないのかを考える。そして「桃太郎電鉄」の監督が切り込んでいるなと私が感じたのは、周りのチームも似たような提案をしていることも指摘している場面です。

各班が提案した物件の多くが重複していたことを指摘し、「8割の人が同じことを言いました。これは採用されない。なぜなら、みんなと視点が同じだから」

周りの班の動きも注目し、自分たちの班の主張に一工夫することも、市場を定義する際に通じる考え方で、マーケティングでいう競合分析にあたります。


少し話が脱線しましたが、自分をアピールする前に、まずは周りがどのような動きをしているのかを把握しましょう。把握の仕方が分からないなら、Googleで検索したり、事情を知っていそうな周りの人に聞いてみましょう。

それを踏まえてのアウトプットはかなり違ったものになると思います。

私は今、仕事でその面白さを感じているところです。(業務の意味でも、キャリアの意味でも。)

ある日X(Twitter)で興味深いツイートが流れていたのでシェアします。


ほかSNSでも、ぜひ繋がりましょう!
・X:https://twitter.com/ichito0123
・Treads:https://www.threads.net/@ichito0123
・Podcast「日常を旅するラジオ」
https://note.com/nichitabi


この記事が参加している募集

読んで下さった皆様の背中を押せるようなコンテンツを発信し続けます。ありがとうございます。