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承認欲求が強すぎる

記憶をたどっても、昔の父は今ほど承認欲求が強くはなかった。
一応定年までは中学教師を勤め上げ、「先生」と毎日言われていたからなのか。

父の学生時代は陸上でインターハイに行けるほど活躍して、写真を見るとかなり濃い系のイケメン(書きたくもないけど)だったようだ。
中学の体育と数学教師になり、顧問として指導していた部活もわりと良い成績だったようなので、周囲もかなりちやほやしたみたい。
その頃が父の人生の頂点だったろうと察する。生徒にも人気で保護者や同僚・上司の先生方にも持ち上げてもらって、毎日楽しかっただろうな。
教師って意外と事務仕事もあるんだけど、そういうめんどくさい、やりたくないような仕事は周りにしてもらっていたようだ。
そのおかげで(?)一度だけ学校現場を離れて事務系に移動になったことがあるのだが、全く仕事ができなくて1年で戻されたことがある。

    *      *      *

昭和の時代は、教師の体罰なんて当たり前だった。
父も暴力で部活や教室の生徒たちを、家庭では妻子を支配し、自分の思い通りにやっていた。
自分では「とても一生懸命に仕事をしていた」と言う。
でも、教え子が訪ねてくるとか、父を慕っての交流とかまるでないのだ。
生徒の同窓会などに呼ばれると、「先生は怖くて嫌だった」「叩かれたのが忘れられない」と言われ、当時可愛がっていた(と自分だけ思ってる)部活の女子生徒の名前を呼ぶと「呼び捨てにしないで下さい!私はもう生徒じゃありません!」とキレられたこともあるそうだ。

父いわく、叩いて教えてもらって良かったと言うのは男が多い、女は恨み言を言うのが多い、だから女は分かってないんだと。多い、という男性もきっと一人二人だと思うけど、気を遣ってくれたのだろうな。
私もそうだったけれど、中学生くらいで大人の男性から暴力を振るわれるのは本当に恐怖だ。そして痛い。
自宅で父から叩かれて鼻血を出したこともあるし、毎日ではなかったけれど、継続的に父のDVがあったことは一生忘れられない。

そして時代はだんだん体罰を許さなくなり、暴力で言うことを聞かせていた父のような教師は困ったと思う。
手をあげられないから、頻繁に恫喝でもしていたのだろう。
生徒から反発され嫌われてだいぶ大変だった時もあったようだ。
「俺は生徒に苛めれていた」
とつぶやいたのを二度ほど聞いた。
その頃は私も進学で離れていたので、よく知らない。けれど、その辛く苦しい時に変われれば良かったのにね、お父さん。

今、どんどんひどくなっている気がする。
悲しいことだけれど、もう変われないだろうな。

承認欲求
いろんな人(特に女性)に絡んだり攻撃したりするのは、全て承認欲求の表れだと思う。
”僕をすごいって言って!褒めて!認めて!”
心の叫びが聞こえる気がする。
母と話すのだが、少なくても若いうちの20年くらいは、人からちやほやされて褒められて認められてきたはずなのに、何でもっともっとと求めるのだろう。
世間の人は…私も含めて、そうそうちやほやされないよ?

どうして普通のお父さんじゃないんだろう?
歳をとって丸くなるどころか、年々尖っていく父をどうしようもできない。







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