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『その本は』

と、いう名前の本がある。


その本は、7/26に発売されたばかり。
今日本屋さんに行っても、まだ店頭の目立つ場所に大きく平積みされているかもしれない。

ヨシタケシンスケさんの作品は、以前から推している。親しみやすい絵柄と文字、すとんと読みやすく、面白い内容。
又吉さんの作品はちゃんと読んだことはないのだけれど、アメトーーク!とかで何回かお見かけしていたので、ご本人への好感度は高め。

とはいえ、今回は作者で買ったクチではない。
Twitterに流れてきたプロモーションを見たら、中身が面白そうだなぁと思ったので買った。


ストーリーとしては、『世界中の珍しい本の話を、2人が代わる代わる王様に語る』という前提のショートストーリー集だ。現代版千夜一夜物語。サンプルは、上記のサイトから見てくれれば良い。
星新一を筆頭に、サクッと読めて楽しいショートショート系が好きな私にまずここで刺さった。長い作品は読み始める時に「よし、とりかかるぞ」と言わんばかりの気構えがうっすら発生するけど、どこから読んでも気軽に楽しい短編はその気構えがいらない。良い。
たった1ページで終わるものもあるし、数ページかけて語られるものもある。ヨシタケシンスケさんのイラスト絵本として進むページや、一コマ漫画みたいなページもある。どれも、とても読みやすい。
基本的に、「その本は」で始まることを縛りとしているだけで、後は本当に自由な世界がこれでもかと詰め込まれている。あったらいいなと思うような夢の本、びっくりするような仕掛けの本、子どもの頃自分が描いた絵本を思い出すような本。かと思いきや、ダジャレで終わるページなんてのもある。
『ソの本は、ファの本とラの本の間にある。』は不意打ちだった。色々上手い。

本の装丁も良い。
金の箔押しで飾られた、濃い緑色のハードカバー。本紙は敢えて色あせた紙のような色味のものをチョイスされていて、この1冊自体が『長く引き継がれてきた大切な本』を思わせる。
ストーリーの内容に合わせて、わざとグラスのしみのような跡をつけたり、1ページごとに凝って作られている。これ考えるの、めちゃめちゃ楽しかったろうなぁ。

大人が読んでも子どもが読んでも絶対楽しい。シーズン的に、読書感想文用にチョイスしたご家庭も多いんじゃないかな。
今は私が楽しむ為に買った本だけど、将来娘も読んでくれるといいなぁ。

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