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『情報革命』という言葉がありますよね。

情報は、informationの訳語です。
informの名詞形。インのフォーム。
心の中にインして、フォームする。
「中に入って形作る」という意味。

簡単に言えば「お知らせ」です。
ただ、インしてフォームしないと、
つまり、心の中で何かが形作られないと
真の意味でのinformationとは言えない。

ここから、「価値のある『貴重な情報』」と
「価値のない『ただのお知らせ』」とが
混在している、という現状が見て取れます。

昔の世界において「情報」は
今よりもずっと貴重なものでした。
スマホも電話も、ない。
アナログな対面口頭や手紙でしか
やり取りができなかった。


だからこそ各地を旅する人は
『貴重な情報』『知らない話』をもたらす
「まれびと」として珍重された。
「吟遊詩人」や「琵琶法師」が、
音楽とともに情報をもたらす
エンターテイナー兼
ローカルエンサーとして活躍したのです。
彼らは人の心にインして
忘れられない記憶をフォームした…。


ただし、このような貴重な「情報」に
近代、現代へと移る中で「革命」が起き、
世の中に膨大にあふれ出ていきます。

「絵画」でしかわからなかった視覚情報の
「写真」「動画」による再現。
「音声」は対面口頭でしかできなかったのに
「電話」「留守電」「録音」で可能に。
「文字」と言えばハガキや手紙。それが、
「本」「かわら版」「新聞」「雑誌」が増え、
「電報」からの「メール」「チャット」に。

YouTubeを少し開けば、
現代の吟遊詩人や琵琶法師が目白押し。
「歌ってみた」と一般人ですら、
自分のパフォを見せられる…。
もたらすだけで貴重だった情報が、
膨大な量で現代人に押し寄せている。
まさにレボリューション、革命的な変化!

本記事では、この『情報革命』について、
深掘りしていきたいと思います。
私は本記事では歴史の観点から考えます。

『〇〇革命』の一つに
「産業革命」があります。

これは、はしょって一言で言えば
「ハンドメイド」から「機械生産」に
変わっていった革命
です。
最初はイギリスで起こった。
後に世界各地に広まりました。

「産業革命」を「情報革命」にあてはめる。
そうすることで、共通点と相違点が
あぶり出されてくる…。

まず、概観してみます。

◆産業革命:モノ作り革命
◎ハンドメイドから機械生産へ
◆情報革命:情報作り革命
◎マスコミからミニコミ・個人へ

そう捉えた時、決定的な相違点がありますよね。

産業革命は「同じものがたくさん作られる」
すなわち「複製」「均一」「大量」という
キーワードが生まれてくる。これに対し、
情報革命は「違うものがたくさん作られる」
すなわち「千差万別」「格差」「大量」
というキーワードでくくられる。

共通点も、出てきます。
それは「大量」「膨大」ということ。
産業革命で、世界にモノがあふれた。
情報革命で、世界に情報があふれた。
ここは同じ。

「作り方」に着目すれば、
産業革命は「手」から「機械」に変わった。
もちろん当初は手で動かしていましたが
だんだん「自動化」されていく。

一方の情報革命、作り方に変化があります。

同じように「手」から「機械」で作る。
ただし当初は情報技術を扱える人や
組織が少なかったので、
「マスコミ」が牛耳っていた。
「大本営発表」的な要素もあった。
新聞、ラジオ、テレビの情報を、
みんなが「画一的」に受け取った。

しかし徐々に「ハンドメイド」に変わる。
機械から手に変わる。
情報技術の発達によって、
個々人が受信するだけではなく
「発信」もできるようになったからです。


各種SNSなどを通して
容易に発信できるようになった。
短文、長文、画像、音声、動画!

まとめると、こうです。

◆人間の手から機械でモノを生産
◆一般人→専門家→一般人が情報を生産

ここで少し視点を変えて、
モノや情報を作る「主体」で考えてみます。

産業革命においては、
「工場」が重要になっていきます。
なぜなら「大量生産」するから。
機械のあるひとところ(工場)に人を集め、
材料もたくさん集め、一気に加工させる。
これが、工場の大量生産の仕組み。

情報革命においても最初はそうだった。
「情報加工機材」のある場所に、
「専門家」をひとところに集め、
一気に加工させ、情報を作り出す。
「新聞社」「テレビ局」「映画撮影」
などを思い浮かべて頂ければと思います。
工場に似ている。大規模。個人では難しい。

しかし徐々に変わっていきました。
PCやスマホなど、情報加工機材が
コンパクト化し、普及していき、
どこでも誰でも発信できるように…。

「モノ」の大量生産ならば、
今でもこうはいきません。
専門の機械、大量の材料を持ち運んで、
個人で行うのは、難しい。
しかし「情報」の大量生産なら、
工夫すれば個人でもやれてしまう。


…こう考えていきますと、
結局は「モノ」と「情報」の差
帰結していくように思います。

モノはアナログです。現物。リアル。
情報はデジタルに置き換えられる。仮想。


要は、情報のほうがモノよりも
「複製」「加工」がしやすい。
SNS上では「複製拡散」がよく起こります。
Twitterで言えば「リツイート」。

情報が「マスコミ限定」だった時、
最初から「複製拡散」を前提としていました。
みんなが同じ、力道山の空手チョップを見た。
しかし、今の複製拡散は異なる。
「個人を主体にした」複製拡散。
いわゆる「バズり」は、「個人」が
ハンドメイドで同じ情報を複製拡散する…。

これは、強い影響力がある。
みんなが広めているという免罪符が加わり、
どんどん広がっていきやすい。
たとえそれが、悪い情報であっても。
「炎上」にもつながる。
革命の副作用、とも言えるでしょう。

LinkedInで炎上が起こりにくいのも、
この「複製拡散」を部分的に防止し、
個人の千差万別性を推奨しているから、

のように思うのです。

…スケールが大きくまとめにくいのですが、
無理やり最後にまとめます。

本記事では、情報革命に産業革命を
あてはめ、色々と考えてみました。

産業革命時には「ラッダイト運動」という
「機械を打ち壊す運動」が起きました。
機械生産によって職を奪われる
職人たちによって。

情報革命時にも「ラッダイト運動」が
起きていますよね。
昔なら「PC使えないおじさん」がプレゼンを
あえて「模造紙」にまとめるとか、
今なら「AIは危険だ、やめろ」論とか…。

ある歴史的な事象を、
現在の事象にあてはめて考えますと、
このように共通点と相違点が出てくる。
これが「実用地歴」の一つの効能だと
私は思っているのです。


さて、読者の皆様は、どう考えましたか?

何が心にインして、形作られましたか?
その考えこそが、千差万別、ハンドメイド、
百花繚乱の情報の発信につながる。
ぜひ、自分自身なりの言葉によって、
SNSで発信してみてはいかがでしょう?

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