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語彙の季節 ~イメージを文章化する時に~

語彙(ごい)は、あるに越したことはない!
とよく言われます。

語彙の「語」は「言葉(単語)」。
語彙の「彙」は「集まり」。
言葉の集まりです。
言葉をどれだけ知っているのか?

私たちはこの世界を
「言葉で表現」することが多いため、
語彙が豊富であれば
世界をその分、豊富に表現できます。
世界がわかる。世界が、かわる!

語彙には、二種類あります。
「理解語彙」と「使用語彙」。

◆理解語彙:意味を理解できる語彙
◆使用語彙:使うことのできる語彙

このうちの「理解語彙」の数は、
6歳でおよそ五千~六千語。
13歳でおよそ三万語。
20歳でおよそ四万五千~五万語。
…という調査結果があるそうです。
(平均のため、個人差はありますが…)

本記事では「語彙」について書きます。

単純に言葉をどれだけ知っているかなら、
「言葉にどれだけ触れてきたか」
によります。

例えば…と例を挙げてみます。
「雨」に関する語彙について!
さあ、どんな雨があるでしょうか?

皆様の語彙で、表現してみてください!

≪例≫

大雨、小雨、長雨、にわか雨。
梅雨、豪雨、雷雨、風雨。
時雨(しぐれ)に驟雨(しゅうう)。
五月雨(さみだれ)に秋霖(しゅうりん)。
小糠雨(こぬかあめ)もあります。

さらに検索してみると、出るわ出るわ!
私が知らない語彙もたくさん出てきました。
以下に列挙してみましょう。

◆花時雨:桜の花の頃に花びらをぬらす雨。
◆春雨:春にしとしと降る雨。食べ物もある。
◆菜種梅雨:菜の花の頃に長く降る雨。
◆桜雨:桜の季節の雨。
◆桜流し:桜の花を散らしてしまう雨。
◆リラの雨:リラ=ライラックをぬらす雨。

◆青葉雨:青葉に降りかかる雨。
◆卯の花腐し:卯の花を腐らせるくらい降る雨。
◆栗花落:梅雨が始まる頃、栗の花を落とす雨。
◆半夏雨:はんげあめ。七月の最初頃に降る雨。

◆秋出水:秋の長雨で河川が氾濫。
◆霧雨:粒の細かい雨が霧のように降る。
◆冷雨:晩秋に降る、冷え冷えとした雨。

◆山茶花散らし:冬の花、山茶花を散らす雨。
◆風花:かぜはな。雨や雪が風に舞う。
◆富正月:元旦に降る雨。豊作の前兆。
◆寒雨:かんのあめ。寒中に降る雨。

…何とまあ、雨にも色々ある。
俳句をやっている方なら、さらに
たくさん雨に関する語彙をお持ちでしょう。
花にちなんだものも多い。

ただ、こうは思いませんか?

「これは四季があり、
花が多い日本、日本語だからこそ、
雨をあらわす語彙が豊富なのだ…!」
と。

語彙は、環境にもよる。

例えば、イヌイット。
北アメリカの極北部に住む人たちの言葉には、
「雪」をあらわす言葉が多い。

◆降っている雪:カニック
◆飲料水をつくるための雪:アニユ
◆積もっている雪:アプット
◆きめ細かな雪:プカック
◆吹雪:ベシュトック
◆イグルー(家)を作る雪:アウベック

日本語では「雪」という言葉に、
説明語をつけて表現しますよね。
「雪」がまずあり、それを細分化する。

でも、イヌイット語ではそうではない。
最初から「別の」言葉、語彙なんです。
カニックとアニユは別物。

同様に、砂漠の国ではどうでしょう?
四季がない国とある国では?
内陸国と海洋国では…?
全く語彙が違います。
周りの環境、キャリアが違えば
語彙が変わる。世界の見え方も変わる…。


そう考えていった時、いま
私たちが過ごしている家庭や職場に
よっても、使われる語彙が全く違う、
つまり「世界が違う」と
言えるのではないか?

親の言う言葉、使う語彙を
子どもが真似することはよくありますよね。
職場でよく使われる言葉は、
「使用語彙」としてみんなが共有している。
逆に、全く使われない言葉は、
実感をともわない語彙になりがち…。

ここが問題なんです。

ある範囲の「中」だけに居続ける以上、
その中で通用する語彙が増えていく反面、
使用されない語彙は認知すらされない…。


「語彙が豊富な人」というのは個人的には
積極的に「外」に出る人だと思います。

自分の世界を広げていく人!

これは「外国語を学ぶ」という以前に、
言葉、語彙に対する姿勢の問題です。
よく使われている言葉だけでなく
他にも表現の仕方はないか?と、
意識して探求する人。

さらに言えば、
「使用語彙」が豊富かどうかは、
日々使用しているかどうかによります。
使用しなければ、使用語彙にはならない。

「ええ、まあ、言わんとすることは
わかりますけれども、
周囲に語彙が豊富な人が
いない場合はどうすれば?
知りようがなく、使いようもない…」

その時こそSNSの出番!
特にnoteやLinkedIn。
世界を広げようとする人が多い。
つながりが増えれば、
目にする記事も増えていきます。
様々な人が様々な立場から
様々な語彙を使って表現している…。

SNSでの発信、あるいは交流。
オンラインやオフラインの対面や対話!
そこで語彙を
積極的に使用しているかどうか?

その積み重ねで十年後の使用語彙も
だいぶ変わってくるのでは?
語彙は多ければ良いわけじゃない。
けれども「あるに越したことはない」。
多ければ取捨選択ができますが、
無ければ選択の余地がありません。

「そう言うアンタ、いなおさんは
小説、リライトとか、自己紹介部とか、
そういうものに取り組んでいるから
そう言うんでしょうけれどね、

こちとら時間がないんですよ!
もっとこうパッパッと、チャラーンと、
語彙を劇的に増やす必勝法、

それがあれば嬉しいんですが…」

いや、それがですね、実はあるんです。

必勝法というか図鑑が。
『プロの小説家が教える
クリエイターのための語彙力図鑑』
が!

本記事の最後に、この本の担当者の方の
コメントを引用してまとめます。

(ここから引用)

『イラスト、マンガ、小説など、
毎日さまざまな作品が
ネットに投稿されており、

バズる作品もあれば、
そうでないものもあります。
そんな中、ほかのクリエイターより
頭ひとつ抜けて
クオリティを上げることができる技法が
『語彙力』をアップさせることです。

頭の中で描いたイメージが
どんなに優れていても、
セリフや文章で表現したときに、
読者に伝わっていなかったら
意味がありません。

本書ではプロの小説家による、
クリエイターに必要な語彙と
その使い方を徹底解説します。

喜怒哀楽などの感情表現はもちろん、
情景や色、声など、有形から
無形のものまで幅広く語彙を紹介します。

迷ったときに辞書として使えるのはもちろん、
表現の仕方や意識すべきことまで
解説されているので、読後の自身の作品は
一気にレベルアップしていること間違い無し!
の一冊です』

(引用終わり)

プロの小説家、秀島迅さんが書かれた本。
別にクリエイターを目指さなくても、
何らかの言葉で世界を表現するために
学びが多い一冊だと思います。

語彙のグレードアップに。
興味のある方は、ぜひどうぞ!↓

※秀島迅さんの『プロの小説家が教える
クリエイターのための語彙力図鑑』
引用元のページはこちらです↓

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合わせて、ぜひどうぞ!

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