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虐待~子から母への手紙~

創英社/三省堂書店 斉木桂子著 2004年初版

タイトルが非常に直接的ですが、16年前、カウンセラー資格取得後に思わず衝動買いしてしまった一冊。著者が愛知県名古屋市出身だったということもあり、各種の心理カウンセラー養成団体を経営されていた方だったということで、体系的に理解しようと思って、手に取りました。

・・・今でも我が家の書棚にあり、時々確認したりしています。

機能不全家族の問題も、虐待の問題も、不幸な親から子への連鎖が、根本的な原因にはあります。負の連鎖を断ち切るだけの強さが著者のようにすべての子供にあればいいのですが、実際はそれほど人間は強くありません。

私自身も、軽症ではありますが、ACだし、夫はグレーだけど間違いなくアスペの被虐待児だし。生まれてきた子供たちは、やっぱりというか予想通り、発達凸凹児たちでしたから(涙)

遺伝の影響が約4割、そして、後天的な養育態度や家庭内の人間関係やコミュニケーションスタイルなどの環境要因が6割。脳の機能は、子どもたちが10歳になるころまでの間に、基本的なものは出来上がってしまいます。この10年間、とくに最初の3年間が子育てにも夫婦関係にも、すべてのカギがあるのです。

・・・ARCA®(生きる技術研究会)でも、子どもの「育ち」に関する様々な知見を有していますが、人生の初期にこそ、本当に愛情も時間も投資されなくては、人はまっとうに育たないのではないか?ということを改めて危機感を感じさせてくれる本です。

子どもの支援より、親支援、というのが、虐待防止の現在のトレンドですが、なかなかそこまで国家も行政も手が足りていない悲しい現実があります。

焼け石に水にならないように、とりあえず、できることをできる限り最善を尽くして子育てと、子育て支援を私も東奔西走しながら頑張っています!

※写真は、北海道旭山動物園のキリン。育児は、首がなが~くなるくらいの、壮大な投資です。結果がどうなるかは、死んでも分からないくらいの、気の長いプロセスです。虐待みたいなことは連鎖させるべきではありませんが、虐待されて育った子供は、そのことに苦しみながら、「愛」を求めて同じことを繰り返してしまうんですよね(涙)。悲しい負の連鎖を断ち切るべく、結婚前の段階で、キャリア形成と共に、人生選択をできるようなキャリアカウンセリング講座を展開してきたのが、ARCA®です。また書き連ねていきますね。

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