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共感の技術チューニング
看護師は共感が大事だと耳にタコができるほど教えられる。
具体的に共感とはどのようなことを言うのかこれまでの経験を振り返りたい。
共感の技術、チューニング
チューニングとはコミュニケーション相手が今持っている調子・言葉の波長を合わせることであり、相手が安心感を覚え、信頼して耳を傾ける気持ちを持てるようにする働きかけのことである。
これは対患者(家族)・対同僚・対後輩への効果的な先導にも役立つ。
先導をしたいなら、まずは波長を合わせて共感の中での同意・承認を得られることが看護師としてのスキルが上がったと言える。
3つの事例紹介
【吸引編】
Aさん「(痰が絡んでいるが吸引は嫌がる)痛いから、やめてくれよ!」
Ns「痛いんですね!じゃ一旦止めます!(肩に手を乗せる)痰、なかなか出せなくて苦しそうですね。」
Aさん「でも吸引は痛いから嫌!」
Ns「痛いよね!なるべく痛くないように吸引できるよ!こうしてチューブをお湯で柔らかくするんです!あと右の鼻だと痛いみたいだから、左でやってみようか!」
Aさん「じゃあやってみて!」
Ns「目瞑りましょうか。頭の中で10まで数えて。いくよー。1、2、………6!はい終わり!」
Aさん「やっぱり少し痛いけど、まだ我慢できた!」
Ns「スゴいですね!Aさんなら自分で痰が上手に出せるようにきっとなりますよ!」
【家に帰りたい編】
Bさん「うちに帰りたいなぁ。旦那は良くなってからって言うけどさぁ。」
Ns「おうち帰りたいよねぇ。普段はどんな生活していたの。」
Bさん「自分で朝布団から起きて前の日に用意してた薬を飲んで、料理していたのよ。」
Ns「しっかりお薬管理も調理も出来てたんですね。骨折ちゃんと治ったらまた料理したいですか。」
Bさん「そりゃそうよぉ。煮物得意なのよ。」
Ns「良いなぁ。きっとまた骨くっついて料理できますよ。」
Bさん「頑張るわぁ、けど旦那が布団は卒業してベッドにしようって言ってたわぁ」
Ns「旦那さんすごい気づきですね。(介護)保険でもしかしたらベッドのサービス、適応あるかもしれないので相談員さんにも情報共有しておきますよ。」
Bさん「そーお?ありがとねぇ。」
【苦情編】
Cさん家族「(ナースステーションに向かって)ここの病院はどうなっているんだ!」
Ns「どうなされましたか」
Cさん家族「あんたは何だ!師長を呼べ!」
Ns「(目線を合わせて)師長はただいま会議のため不在です!本日リーダーの私が対応します!訳は師長や院長にも共有致しますので、訳を聞かせていただけますか。ここでは話辛いかと思うので、あちらの個室でお聞かせください。」
Cさん家族「さっき掃除の人が来たんだ。先生からもう先は長くないと言われているから眠っているところを邪魔したくないと思ってたのに、大きな掃除機で掃除をしたんだ!病院なんだから気を遣って当然ではないのか。注意してくださいよ!」
Ns「奥様のことを思うご主人の気持ち、おっしゃる通りです。事前に気付かず申し訳ありませんでした。ご指摘の通り病棟で対策を話し合います。私は看護師の◯◯と言います。」
Cさん家族「本当ですね!信じてますよ。お願いします。」
事例を通して思うこと。
共感の技術、チューニングは言葉として知らなくても無意識で行えている看護師は多いのではないか。
「心のケア」は特別ことではなく、患者やその家族ひいては職場の仲間が「こんなことで困っている」と話した時、耳を傾け波長を合わせることからすでに共感が始まっているのだと思う。
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