密やかに

取り留めもなく、思い付くままに、書き捨てて、聞き流し、目を逸らす。 読む事に比べたら…

密やかに

取り留めもなく、思い付くままに、書き捨てて、聞き流し、目を逸らす。 読む事に比べたら、書くという事は、とても容易い事だと思う。 でも、書くのも、やっぱり難しかった。 大切にしてる人と作品:小林秀雄 ハイドン 赤と黒 サロモン・ライスダール 夏目友人帳 女王蜂 石橋蓮司

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今日の自分を否定する者は、誰より明日の私であって欲しい。 そういう素朴な欲望が、僕にnoteを書かせている訳だけど、考えてみたら、これ以上の自己肯定感というか自己愛ってないよね。 ほんと自分本位で傲慢な奴だな、と思う。 でも、その位には己を信用しなくちゃ、却って嘘じゃない?

    • 演奏会:真夏の「第九」

      ~~古い日記から~~ 演奏会:真夏の「第九」 2015年7月4日 いずみホール 宇野功芳指揮 大阪交響楽団 神戸市混声合唱団 丸山晃子(ソプラノ) 八木寿子(アルト) 馬場清孝(テノール) 藤村匡人(バリトン) ベートーベン作曲 歌劇「フィデリオ」序曲 交響曲第9番「合唱付き」 まるでモノクロームの特撮映画を見ている様だった。 第九の第1楽章は、巨体が大地をはいずり回るかの形相で、どっしりとして引きずる様に重くて進まぬテンポ、執拗に打ち付けられるリズム、

      • フジ子・ヘミング讃、スカルラッティを聴きながら。

        スカルラッティ作 ソナタK.159 & K.380 フジ子・ヘミング,p 最近、意識的にフジ子・ヘミングの録音を聴いている。 この人の音楽は、協奏曲でこそ真価を発揮するのだけれども、今日は、スカルラッティを。 スカルラッティの音楽を聴きたくて、わざわざ、ヘミングさんのレコードに行き着くという人は恐らくいないだろうし、いてはおかしいと思う。 ヘミングさんの良さは、技術が低いこと、読みが浅いこと。この二つを徹頭徹尾貫いたところに、異形の音楽を奏でている。それは、個性と言

        • 映画館への道、帰り道。君たちはどう生きるかを再び観たの話。

          行ったことがないので、これは聞いた話で、しかも、又聞きなのだけれども、渡った事のある人が言うには、三途の川も金次第なのだそうだ。 現金な世の中、常日頃、そうは思っていたけれども、渡りの船まで現金ともなると、彼岸も案外に隣の芝生に過ぎぬと思えて来る。 だから、ポイントが貯まって無料鑑賞券にて観て来た映画に、感想なんてものがあってよいのかは、大いに怪しいに違いない。 古より、ただより値の張るものもなし。 そんな調子で、昨日、《君たちはどう生きるか》を再度観て来た。 開場

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        今日の自分を否定する者は、誰より明日の私であって欲しい。 そういう素朴な欲望が、僕にnoteを書かせている訳だけど、考えてみたら、これ以上の自己肯定感というか自己愛ってないよね。 ほんと自分本位で傲慢な奴だな、と思う。 でも、その位には己を信用しなくちゃ、却って嘘じゃない?

          映画《君たちはどう生きるか》

          映画《君たちはどう生きるか》を観てきた。 一言で言えば、お盆映画。 宣伝の手法からして、どこかこれまでの実績に頼った切売り感があって、作品自体にも、そんな気配は漂っていたかも知れない。 けれども、表題から受ける印象よりは、遥かにファンタジーをしていたから、そんなに抹香臭くもなくって、如何にも、夏に封切りされそうな雰囲気を湛えていた。 それは、夏休みのワクワク感というよりは、盆の中日の賑やかさの様なものがあって、何かよく実体のわからぬものと、違和感なく隣り合わせとなりな

          映画《君たちはどう生きるか》

          初めての今朝に、いつものおはようを。

          聡明だった祖母の口癖。 「こんな年は初めてだ」 それに、去年もそう言ってたよ、と返す僕ら家族の浅はかさ。 いつだって、今日は特別、未来は不確定。 それこそが、人類にとってラスボスなんだな、きっと。 奇を衒わない実感は案外に真理。そんな風にふと思う、今日この頃。

          初めての今朝に、いつものおはようを。

          スーパーから帰還のための音楽

          往きは身軽で気分も乗っているからいいとして、帰りはあれこれ買ってリュックサックも両手のエコバッグもパンパンだから、流石に、歩くのが嫌になって来る。 それでも、歩行者に不利に長い信号が変わりそうになったら、思わず駆けたりもするので、外的要因に、気分は容易に流されるものらしい。 ということで、20分程の帰路を19分くらいで歩ける様に、セットリストを用意した。 好きなアニソン・ベスト5 本当は、18世紀の作家の室内楽を聴いて、イケイケノリノリで帰りたいところなんだけど、強弱

          スーパーから帰還のための音楽

          映画『Tar』

          不謹慎な感想だけど面白かった。 キャンセル・カルチャーを、女性を主人公にして描く、複雑系問題提起型映画。 なのだけど、そこらのクラオタを、演奏ではなく、スキャンダル持ち音楽家の実名晒しで喜ばせる、ゴシップ・カタログ的な側面も。 この映画、音楽疎くても大丈夫なのかな? 個人的にぐっと来た場面。 本編とは無関係に、ビーチャムとあるオーボエ奏者のエピソードが会話の中に軽く挟まれるのだけど、あれこそ究極の隠喩で、この映画の本音かもな、と穿った想像をしてしまった。 最後、東

          映画『Tar』

          今月の映画

          今月、初見の映画6本の感想を(tweetしたけど、後で読み返しつらいので、こちらにまとめ)。 『パリタクシー』 『銀平町シネマブルース』 『せかいのおきく』 『 EO』 『アダマン号に乗って』 『REVOLUTION+1』 1.映画『パリタクシー』 老齢な女性がタクシーでパリの街を巡って、過去を回想しつつ、人生の店じまいをする物語。 想い出というよりは、記憶を呼び覚ます、そんな過去がつらつら。 強いて言えば、世の中金じゃない、からの最後は金目でしょ的ハッピーエンドに着

          今月の映画

          考え事

          何か考え事をする時、エアコンのついた部屋に布団を敷いて横になるのが常だ。 眠くなれば勝ち、ならなければ負け。 考えるという事は、起きているという事であり、負けである。 いや、横になっているのだから、起きてはいないか。 睡魔に襲われては負けかも知れない。 けれども、魔物を自ら呼び覚まして、手を組むともなれば、これは勝敗というよりは、殆ど契約だろう。 呼び覚ましておいて寝るのだから、やっぱり、凡夫のやる事は、中々、倒錯。 何れ、座禅も組まなければ、机にも向かわず、散

          人間の特徴、

          人間という生き物の特徴を1つ上げるとしたら何だろう? そう考えてみた時に、真っ先に浮かんだのは、軽蔑だった。 人間の本質は、他者への無条件の軽蔑だ。 条件反射として軽蔑を宿している、それが人間が他の生物と決定的に異なる点ではないか。 愛は、その反動というか、猛獣遣いみたいなものに過ぎない。 以上の様に、考えてみた。 考えると言う程の事もない、思ってみる事にした。 そう思ってしまうと、大抵の事は腑に落ちて、少しだけ、今より世界が美しく、そしてほんの少しだけ、今より

          人間の特徴、

          セルフノート?

          今年に入ってから、割かし、Twitterに積極的に取り組んでみた。 バランスを欠く性分なので、あの文字数の制限に意識が掻っ攫われた途端に、noteは読むのも書くのも嫌になってしまって、その意識のままに、今年の上期も終わろうとしている。 要すれば、文章が駄目になった。 考えをまとめる、という事に捉われて、ややもすると、答えを欲しがってしまう。 言い方よりも言い分の方が大事、終いには、そんな感覚すら沸いて来て、流石に、気持ち悪くなってしまったので、久し振りにnoteに向き

          セルフノート?

          素面な喜び

          勝ったことの喜びよりも、国中が野球一色になる事の気味の悪さの方が大きかった、そんな正直な感想を言ってしまったら、非国民とは言われないまでも、とても残念な人だと思われそうな空気圧がかかっていたので、無心に喜ぶ事に決めたのだけど、ちょっと、戦争でも始まった様な気分はあった。 大口の事、マジョリティーに対する怖れというものが、どうにも自分の人生には染み付いてしまっているらしくて、祭りは参加するよりも、みんなが楽しそうに集うのを、外から眺めているのが好い。 それに水を差したくないし、

          素面な喜び

          ハイドンのソナタ全集を聴きながら

          ダニエル・フュクスというピアニストの演奏で、ハイドンのピアノ・ソナタの全曲録音を聴いている。 どうしてこの人はハイドンを全曲録音したのだろう、と不思議に思ってしまうくらい、淡々と詰まらない演奏が続く。 けれども、それは聴き方が悪いのかも知れないな、という疑心だけが聴き続ける原動力となっている。 そして、7時間くらい聴き流した所で、フュクスという人のピアノが、そんなに嫌ではなくなって来た。 少しも面白くはならないし、閃きもなく、切れ味も悪く、寧ろ、時々、拙くて、 雑に聴

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          映画:戦場のメリークリスマス

          みんな題名くらいは知っているけど、実際に観たことがある人は少ない。 戦場のメリークリスマスも、そんな作品じゃないかと思う。 と言ったら、映画が好きな人には怒られそうだけれども、当世では、観たことないのが普通だろう。 そんな映画のリマスター上映があって、しかも、今後、この作品が映画館で掛かることはないらしいので、思いきって観に行って来た。 坂本龍一もデヴィット・ボウイも、名前こそ知っていたけど、動いているのを観るのは初めて。 恥じらいもなく、率直な感想を言ってしまえば

          映画:戦場のメリークリスマス

          シューマンのヴァイオリン・ソナタ

          シューマンのヴァイオリン・ソナタも、前回取り上げたヴァイオリン協奏曲同様、多少なり録音は聴いて来た方ではないかと思っている。 そして、大概の録音は、やっぱり、そこまで好きじゃない。 今更ながら、今日、聴いたのは、エリザベス・ツォイテン・シュナイダーのヴァイオリン、ウルリク・ステアクのピアノによるソナタ全集。 フローリアン・メルツがシューマンの交響曲好きには著名な存在である様に、この録音もシューマンのヴァイオリン音楽が好きな人には、よく知られた一枚。 原盤は入手至難とな

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