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娘をコンサル

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受験生の娘を持つマーケティングコンサルタントの父親が自分の娘にコンサルすることで受験戦争を乗り越えようとする、教育とビジネスをミックスしたお話です。
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記事一覧

娘コン1:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(1)

私はデジタルマーケティングのコンサルタントをしています。

マーケティングのコンサルタントといえばクライアントの商品特性から
どの様に売っていくかを考えアドバイスをするのが一般的だと思いますが、
私が現在勤めている地方中小企業の広告会社では、その先の実務である広告媒体を選定したり、広告の運用も行います。
改善点を指摘し、厳しいアドバイスをしながら、こちら側でも改善の実務を行うので、自分で自分の首を

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娘コン2:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(2)

受験生と言っても学校の定期テストがあります。
娘は成績がそんなに良くないにもかかわらず、大学受験とは別に、指定校推薦という制度を利用して、あわよくば受験ではとても受からなそうな大学に滑り込む作戦を考えているようです。
そのためにも、学校の試験をおろそかにするわけにはいかないので、こちらの対策も必要です。

ある日曜の夜、娘が急に「明日学校で数学の試験があるけど何も勉強してない。どうしよう。」と言っ

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娘コン3:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(3)

マーケティングの基本はまず、己を知ることです。
現状を把握し、問題点を浮き彫りにすることで次に打つ手立てを考えます。
受験勉強で言えば、現在の学力です。
まずは娘の学力を把握することから始めることにしました。
娘の学習机を何気なく見てみると、参考書が数冊に、ジャニーズのポスター、DVD、そして一冊の本。
坪田信貴さんの著書「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」、通称

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娘コン4:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(4)

次にマーケティングで必要なことは、「市場(しじょう)を知ること」。
マーケティング資料で市場の説明を入れるときによく見かけるのが、日本や全世界の市場規模を示し、「大規模市場だから狙わない手はありません」という論点での説明です。
わざと市場を大きく見せて、相手を惑わすためにやっているとしか思えないのですが、
本来、その商品がターゲットとする商圏での市場を押さえないと意味がありません。
受験勉強で言え

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娘コン5:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(5)

マーケティングで必要なこと、その3は「敵を知ること」です。
市場の中にどのような競合がいて、競合からどのくらいのシェアを奪うのか。
競合を知り、どのように差別化を図るか。
受験勉強では、競合は自分以外の受験生、特に志望校が同じ受験生。
みんなの目的は明確で、志望校に合格することです。
ライバルの受験生よりも多くの点数を獲得する必要がありますが、
とは言え、志望校の合格に必要な点数さえ取れれば、満点

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娘コン6:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(6)

マーケティングでよく使われる、フレームワークというものがあります。
代表的なフレームワークとして、バリューチェーン、SWOT、3C、4C、4P、STP、PEST、5フォースなどの分析法があります。
超簡単に説明すると、

バリューチェーン分析とは、自社のサービスに価値が生まれるまでを、購買物流、製造、出荷物流、販売、サービスの5つの過程ごとに分析する手法です。

SWOT分析は、強み(Streng

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娘コン7:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(7)

マーケティングの仕事をしていて、特に多い要望は「お客さんを見つけてほしい」というものです。
企業がお客さんの動向を気にしてしまうのは仕方がないことです。
でもこれって、受験生に例えるなら、「入りやすい大学を見つけて」と言っているのと同じで、
つまり、楽して大学に入りたい人の意見だということがわかります。
企業は、商品やサービスをリリースする前にどういった人に届けたいのかを明確にする必要があります。

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娘コン8:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(8)

クライアントとコンサルタントの関係を、受験生の娘とその父親に当てはめた場合、仕事上では経験しない、いろいろな問題が発生します。
特にやりにくいのが、コミュニケーションを取ろうとするタイミングを間違うと、ウザがられてしまうことです。
そもそも、年頃の娘というものは「自分の父親に対して、生物学的に親密にならないように、遺伝子に嫌悪するよう組み込まれている」と言われています。
なので、あまりベタベタと手

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娘コン9:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(9)

受験生の大敵は体調を崩すこと。試験当日にインフルエンザに罹ったら最悪です。
ですので、以前からウチではマスクと消毒液はたくさん用意していました。
この文章を書いている今現在、新型コロナウイルスが全国各地に蔓延して学校が休校になっています。
備えあれば憂いなしではないですが、未来のリスクを察知して事前に準備することが大切です。

さて、受験について、いま一度、企業のコンサルティングと比較してみたいの

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娘コン10:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(10)

ある程度「品質の高まった商品」を売れるようにするのがコンサルの腕の見せ所です。
つまり、基礎学力のついてきた受験生の得点力をアップさせ、合格に導く作戦を考えます。

前回、企業=受験生、商品=学力、市場=受験、LP=得点力、集客=得点、目標達成=合格、だと言いました。
今回はその市場とLP、受験と得点力について考えます。
受験における市場とは、各志望校が求める合格に必要な得点です。(受験市場のこと

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娘コン11:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(11)

前々回、デジタルプロモーションではLPが重要だと言いました。
LP=得点力と例えたように、受験で最も重要なのが得点力です。
現在、娘の得点力は得意科目5~6割、苦手科目1~4割程度ですが、まだまだ勝算はあります。
得意科目8割、苦手科目6割、という目標に対して最も乖離しているのが、苦手科目の得点力です。
ですので、苦手科目をそれなりの点数にしてあげることが、効果も出しやすく、勉強している本人のモチ

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娘コン12:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(12)

私は子供に「勉強しなさい」と言ったことがありません。
という話をすると、大概、返ってくる答えは「うちの子には無理」というものです。
さらにこう続きます。
知人:「オタクのお子さんは真面目だから言わなくても勉強するけど、うちは怒鳴りつけてもなかなか机に向かわなくって・・・」
頭が凝り固まっている人にはこれ以上は言いませんが、ある程度関係性のある人には、いつも次のように言っています。
私:「では、逆の

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娘コン13:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(13)

「好きこそものの上手なれ」ということわざがあります。

下の息子は中学一年ですが、全然勉強しません。でも、ポケモンの名前とタイプはすべて暗記しています。
強制して全部覚えさせたわけではないですが、完璧に覚えています。
ゲームでは、ポケモンのタイプ別に技を繰り出すことで効果を高めることができるのだそうです。
いまは「デュエルマスター」というカードを暗記しています。
ゲームをする上で必要な知識なので、

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娘コン14:もしもデジタルマーケティングコンサルの父が受験生の娘をマーケティングしてみたら(14)

投稿間隔が空いてしまい、申し訳ございません。

このシリーズは今回が最後になります。
なぜならば、娘をコンサルする事が出来なくなってしまったから。

それは突然訪れました。

娘は順調に受験勉強を続けていました。
コロナ禍にもめげず、予備校の自習室に通っていました。
移動時間もアプリを使い、隙間時間をうまく活用しているようでした。
しかし、受験勉強は思うようには捗っていないようでした。

夏のある

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