心の中の2面性の対立と葛藤の先に ～ 「With or Without You」 U2

この楽曲を含む『Joshua Tree』というアルバムが世界的に大ヒットとなり、U2、特にフロントマンのボノには大きなプレッシャーがのしかかります。
これ以前より、U2自体は世界的に有名でしたからさらにプレッシャーに拍車が掛かったということでしょうか。

このプレッシャーとは、

アーチストとして、今後も良い曲を作らねばならないという葛藤もあったでしょうし、

家庭人として家庭に割く時間と、アーチストしての時間、あるいは、
家庭人としての振る舞いと、アーチストとしての振る舞いの対比などがあったと思います。

この、家庭人としての自分と、アーチストとしての自分を対比、対立させて歌詞にしたためたのがこの「With or Without You」なのだそうです。

Youとは、自分を形作る二つの側面のこと。それらは時に家庭人らしくなく凍えた目をしているし、時には家庭のしがらみに絡めとられてもいる。

でもそれらは同一人物。

一方が一方に歩みよりバランスを保てる状態を待ち望む「I」も自分自身。

無論、この2つの側面の片方があってもなくても、２つで1つですから、生きていけないわけです。

この曲の中では、この対比からの葛藤が描かれるのみですが、なんらかの折り合いをつけることができたからこそ、今も第一線で活躍ができているのでしょう。