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ぼ~っと生きていた私にミッションを与える使者が来た時の話(注:ちこちゃんではない)

この話は私が本を出版したときのプロローグとなります。
(*´ω`)
それは今から4年ほど前のことでした。
子供たちも成人して社会人になり、親としての荷が軽くなってきた頃です。

「もう、のんびりしていいよね~(*´ω`)」
と、気負わないルーティンワークで仕事場に向かう日々を過ごしていました。
そんなある日、私の目の前に不思議な人が現れたのです。

ミッションを命じる使者は突然現れた

当時私は、金融機関で資産運用などの相談を受ける仕事をしていました。
ですので、目の前のお客様は何かしらお金にまつわる相談にいらっしゃるはずなのです。

しかし、その方は違いました。
40歳すぎの男性。小柄で中肉中背。
温和な表情と言葉遣いですが視線がはっきりしています。

面談当初は資産相談をするふりを見せるのですが、明らかに自分の言いたいことを聞いてもらえる人間を探していると、そぶりでわかりました。
そして、少しご自身のお話をされました。

政界の裏方で働いていたこと、良くないとわかっている仕事にも手を染めて贅を尽くす生活もしたがそれは違うと感じて、今は地域の町おこしなど草の根の活動をしている、と。
本当か嘘かはわかりませんが、お人柄から多分本当でしょう。
そして、その自己紹介は前振りにすぎませんでした。

その方は私の目をまっすぐに見て、おもむろにこのようにおっしゃったのです。

「僕は、あなたができることを社会に還元してほしいと思っているのです。
これは、絶対にやってほしいのです。
必ずなのです!
Hanikoさんには何ができますか?
無理なく始められそうなことは何でしょうか?」


「へっ・・・」

私、何にも答えられないよ~。
だって、毎日ぼ~と過ごしているんだもん。
(´;ω;`)

その方は、私が近いうちに無理なく始められることを答えるまで「相談者席」を立つ気配がありません。
その人は「相談者席」に座っていますが、どうみても私が完全に詰められている状態です。

(何か答えなければ・・・)

私は、律儀に真剣に考えました。

「そうですね・・。なんとなくやってみたいと思っていたことは、学校に通う子どもたちに金銭教育などを教えてあげられるかな、とか思っていますが・・」
私は完全にしどろもどろです。

「いい案ですね。いつ頃からどんなところでできそうですか?」と目の前のお客様に詰められます。

「へっ・・・」
(いや、とりあえず言ってみたけど今すぐ具体的に答えられないよ~)

相談者であるはずのお客様は、終始にこやかで最後にこのように言い放ちお帰りになりました。

「今すぐに答えられなくていいですよ。
でも、あなたにできる社会貢献を必ずして下さいね。」

「はい、わかりました。」と私ははっきり答えました・・・。


はいって、言っちゃったよ・・・。
どうするのよ!
何ができるのよ?

仕方がないのでまじめにミッションを考える

私にできる社会貢献?
あの時たとえ話で出た、子どもたちのところに出向いていくのは今の仕事と並行だと難しそうだし・・。
休日などの空いた時間で自分の今までの経験を活かして、なんか社会に向かってできること?

そうだな~。
仕事の休みの日を使って、今までやってきた仕事のスキルをまとめることはできるかもね。
それが出来上がったら、同業の若い人に読んでもらってスキルや知識を世代伝達することはできそうかな・・・。

とりあえず、書いてみよう!

こつこつ書き始めました。
せっかく書くので、ビジネス本みたいに書いてみようと書き方も独学してみました。
自分が仕事で得たスキルや考えたこと、大切だと感じている事の思いのたけを約10万字を目標に表現することを試みました。
大学卒論以降、原稿用紙1枚も文章を書いたことがないし、タイピングも遅いのでけっこう疲れます。

書籍になったり発表される約束もないのに、こつこつ文章を積み重ねていると、しょっちゅう「何やってるんだろー、私?」となりました・・・。

「あなたにできる社会貢献を必ずして下さいね。」
あー、そうだった・・。
約束したからやり遂げないと・・。

ミッション完了まであと一歩

半年後、構成として練っていたことをすべて書き上げました。
しかし、どうしても素人ではこれ以上文章や構成を美しく整えるスキルはありません。
そして、おこがましくも「プロの編集者さんに手直してもらいたい」と思いまじめました。
が、どうやってそんな方と接触できるのかわからず、せっかく書いた文章はほったらかしになりました。


そして、3か月ほどたったある休みの日のことです。
その日は、何か気分が良く昼から缶酎ハイも飲んでぼーっと過ごしていました。
すると、あの声がリフレインしてきました。

「あなたにできる社会貢献を必ずして下さいね。」

あ、そうだった。忘れていた。
しらふでは怖くてできなかった出版社へのコンタクトに踏み切りました。
少し気持ちの大きくなったタイミングを使って、思い切ってメールを送ってみました。

翌日、出版社さんから返信をいただき、書きあげた原稿の一部を出版社あてに郵送しました。
出版社さんがちょうど探していたコンテンツであったとのことで、数日後には書籍化が決まりました。
素人原稿も、優しい編集者さんのおかげで読みやすい文面に変身しました。

まったく縁がないだろうと思っていた編集者の方と、二人三脚で本を作る経験ができたことは本当に楽しい時間でした。
(*´ω`)

大切な人と約束を交わしてみよう

あの日、ぼ~っと生きていた私に渇を入れつつ社会貢献の約束を取り付けたあのお客様。
あの人との出会いで私のミッションを探す旅が始まったように思います。

自分の本を出版することだって、もとは夢のまた夢でしたが結果的に実現しました。
でも、いま考えると自分一人でやろうと思ってもできるわけがないと途中であきらめていたと思うのです。

誰かと約束をしたから、最後までやり抜くことができたように思います。

約束をする誰かとは家族や友人だけでなく、私のように1度きりの出会いの人であるかもしれません

あのお客様とはもう会う機会はないと思っています。
ぼ~っと生きていた私に、ちこちゃんよりも少しやさしく叱っていただいた「私の使者」に今でも感謝しています。
(*´ω`)

*長文、読んでくださりありがとうございました!

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*私が本を出版した経緯はこちらの記事に書いています。
出版しようと思い始めてからやってみたことや、編集者さんとのやり取りなどを楽しく振り返っています。
(*´ω`)

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