hisako shiozawa

長野の山奥でふたりぐらし。絵を描いたり、写真を撮ったり、言葉を紡いだり、たまにうたった…

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長野の山奥でふたりぐらし。絵を描いたり、写真を撮ったり、言葉を紡いだり、たまにうたったり。日々おだやかに暮らしています。

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  • 満月の日の物語

    「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの満月に纏わるショートストーリーです。

最近の記事

満月の日の物語⑨「12月30日」後編

「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの 満月に纏わるショートストーリーです。 満月の日の物語⑨12月30日 [後編] 今日は帰ったら慎也さんから大事なお話があるって。 出発間際にそう言われた私は、とっさに 「いいこと?わるいこと?」と聞くと 「いいこと」って、慎也さんが笑って言った。 慎也さんがずっと笑ってくれていたら嬉しい。 私はそればかり、ここへ来てからずっとそればかり、願っていた。 いいこと記念に、今日

    • 満月の日の物語⑧「11月30日」中編

      「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの 満月に纏わるショートストーリーです。 満月の日の物語⑧11月30日 [中編] それから、いつのまにか こいつは俺の家に住み着くようになった。 いや、俺がそうした。 「いってらっしゃい」 毎朝いつも俺を見送ってくれる。 あれから、ゴミだらけだった部屋を なんとか片付けて、 パチンコもやめて ろくに仕事もしてなかった俺は 日雇いの工事現場に毎日行くようになった。 滞納してい

      • 満月の日の物語⑦「10月31日」前編

        「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの 満月に纏わるショートストーリーです。 ♫ 今月の音楽 よるのあと / adieu 満月の日の物語⑦10月31日 [前編] 俺は昼が嫌いだ。 燦々と降り注ぐ太陽の光も 陽だまりのようなあたたかさも 幸せそうに笑うあいつも 眩しくて、くらくらして 自分が惨めな気持ちになる。 だから、全部奪ってやろうと思った。 そのつもりだった。 「あの………大丈夫ですか?」

        • 満月の日の物語⑥「10月2日」後編

          「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの 満月に纏わるショートストーリーです。 満月の日の物語⑥10月2日 [後編] 「うそ………」 死んだはずの森くんから、LINEが返ってきた。 何度も画面を閉じて開いて確認する。 やっぱり来てたのは森くんのアカウントからだった。 「……えっ…えっと………」 突然の状況にまったくついていけない。 とりあえず、何か返事しなきゃ… "ささ" こんばんは。 お返事ありがとう

        満月の日の物語⑨「12月30日」後編

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        • 満月の日の物語
          9本

        記事

          満月の日の物語⑤「9月2日」前編

          「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの 満月に纏わるショートストーリーです。 満月の日の物語⑤9月2日 [前編] 高校に入って、はじめて好きな人ができた。 同じクラスの、森くんという男の子。 きっかけは些細なことだったかもしれない。 あれは、放課後の帰り道… 前の方に男子たちが何人かで歩いていた。 男子って横にばーっと広がって、しかもゆっくりしゃべりながら歩く。 はやく家に帰りたい私は、抜かすにも抜かせないし、歩く

          満月の日の物語⑤「9月2日」前編

          満月の日の物語④ 「8月4日」

          「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの 満月に纏わるショートストーリーです。 満月の日の物語④「8月4日」 ここは、「喫茶 五等星」 祖母からゆずり受けたこの小さな場所で、私たちが小さな店を開くことにしたのは、丁度1年前のことだ。 新卒で入った会社は35歳を過ぎた今も変わらず、安定はしているけど何か他にやりたいことがあるんじゃないか、自分にできることは他にもっとあるんじゃないか、ここは本当の居場所じゃないんじゃない

          満月の日の物語④ 「8月4日」

          満月の日の物語③「7月5日」

          「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの 満月に纏わるショートストーリーです。 満月の日の物語③「7月5日」 毎日、学校から帰ったら、愛犬のベガと散歩に行くのが俺の日課だ。 「ワンッ!ワンワンッ!ワンワンワン」 「あぁもうわかったわかった!今出るからそんなに慌てない!」 ベガは散歩が大好きだ。 朝の散歩はもちろん、夜の散歩は殊更に好きで、いつも外へ出る瞬間の興奮ったら、やばい。 「じゃあ母さん、行ってくる!」

          満月の日の物語③「7月5日」

          満月の日の物語②「6月6日」

          「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの 満月に纏わるショートストーリーです。 ※今回のおはなしは、1話の続きです↓ 満月の日の物語②「6月6日」 「………ふぅ〜…」 ガラガラガラ 「こんばんは〜」 この間の約束から、もう1ヶ月が経ってしまった。 思い返すと、あの晩は夢の中の出来事だったような、なんだかふわふわと実感が持てないまま今日を迎えた。 本当に夢だったらどうしよう… 「あ、こんばんは、いらっしゃい

          満月の日の物語②「6月6日」

          みどりのワンピース

          久しぶりに服を買った。 どうして欲しかったか、 明確な理由は特にないけど みどりのワンピースがずっと欲しかった。 なんとなく、お店に入ると探したり ネットショップで検索したり これだ、という運命の出逢いを求めているとき このワンピースと巡りあった。 カーキでも、黄緑でも、青緑でもない ぱっきりとしたみどり シンプルなデザインと長めの丈 開きすぎていない首元 着心地の良さそうな素材 すぽっと頭から被れる形 両サイドのポッケ 歳を重ねても着ていきたいと思った 欲しい理由はわか

          みどりのワンピース

          満月の日の物語① 「5月7日」

          物語をはじめる前にずっと自分の中にあったふわふわしたものや、 夢で見たものを物語にできたらいいなと ささやかに思っていました。 そして今日は、わたしの星座、さそり座の満月。 月へ想いを馳せながら、 綴ってみようと思います。 「満月の日の物語」は、 毎月、満月の日に投稿します。 1話読み切り、若しくは2〜3話読み切りの 満月に纏わるショートストーリーです。 それでは、5月の「満月の日の物語」 どうぞご覧ください。 満月の日の物語①「5月7日」 「もう、最悪…」 今日

          満月の日の物語① 「5月7日」

          わたしについて

          しりあいのみなさん、こんにちは。 はじめてわたしを知ったみなさん、はじめまして。 ずっと密かに興味をもっていたnoteを このたび、はじめてみることにしました。 ここでは、 日々のことや頭のなか、描いている絵、 スケッチブックのようなイメージで いろんなことを記録していこうと思っています。 さて、 記念すべきはじめての投稿は "わたし"について。 うまれてから いままで hisako shiozawa 1991年11月6日 うまれ さそり座のA型。 10歳まで

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