コロナ禍3年。今感染症の危機を叫ぶことは正しいことなのか?
こんにちは、医師&医療経済ジャーナリストの森田です。
先日、ショッキングなことがありました。
Facebookを見ていたら、高山義浩医師がこう言っていたのです。
高山先生は新型コロナの専門家会議や分科会にも顔を出され、沖縄県の感染症政策にも大きく関わられている先生ですので、ある程度の批判はあるのだろうと思っていましたが、「誹謗中傷」や「攻撃」までされていたのですね。こうした行為は許されざるものですので、絶対にやめましょう。
誹謗中傷と言えば、佐々木淳医師の投稿も物議を醸しました。
コロナ感染が拡大してきている→マスクしてくれると嬉しいな。
という投稿。
実名が原則のFacebookでは賛同の声が非常に多く、これまで通りの空気感だったのですが、全く同じ投稿をされたtwitter(匿名OK)の方ではかなり炎上しました。
返信(500件超)や引用リツイート(700件超)の殆どが反対意見で埋まっています。
以前はtwitterでも感染対策を主張する医療関係者は大人気だったんですけどね。
ヤフーニュースのコメント欄も最近は
「まだコロナとか感染対策とか言ってるの?いつまでやるの?」
と言う論調が多数派になってきており、この3年間での国民意識の変遷を感じられます。
一方、高山先生の記事でも触れられている通り、沖縄では「医療逼迫」が叫ばれています。でも高山先生曰くその実態は「コロナ病床入院患者の8割は軽症・治癒していて、コロナの治療をしていない」とのこと。
なぜ、コロナの治療をしていないのにコロナ病棟に入院しているのか?
というと、
「コロナ陽性になったら軽症でもすぐに入院させてくれ!」
「治ったからって帰ってこられたら困る!きちんと隔離しておいてくれ」
という要望が強いからです。
これは特に高齢者施設などでは顕著です。
高山先生はこう言っておられます。
同感です。
うちのクリニックと連携している介護施設「いろ葉」は何回もコロナのクラスター経験しましたが、全例施設内でゾーニングしながら診てましたもんね。もちろん僕(医師)と一緒に。
ご高齢の方の命や生活を守るには、本当は環境の変わってしまう「病院」ではなく、自宅や施設などで生活を継続するほうがいいのですから。
とはいえ、一般的な高齢者施設の立場で言えば、
「今までコロナは怖いんだから隔離を!感染対策を!って言ってたのに、いきなり施設でみろって言われても困る!」
というところが本音でしょう。
ちなみに、毎年流行していたインフルエンザは、週に200万人以上、年間では1−2千万人の患者が発生していました。今騒いでいるコロナ第9波の10−20倍の患者数です。
でも医療崩壊なんて起きませんでした。
それは当時、「高齢者施設でコロナ→全員隔離入院」のようなことは誰も考えず、軽症インフルなら施設内で個室対応!そんな感じで診ていたからなんですよね。
そういう意味では、本当は高山先生の言われるように、医師や行政こそが率先して
「隔離施設として病院を使うのはやめましょう」
「コロナはこれまでのインフルと同じ対応にしましょう」
と宣言し、社会を正常化させるべきだと思います。
「いろ葉」が施設内でクラスターをみられたのは、僕が医師として「それで大丈夫!」と太鼓判を押してあげていたから、というのも大きくあるでしょう。
世界はもう、
幽霊の 正体見たり 枯れ尾花
なのに、日本はまだ
いやいや、枯れ尾花もよく見ると怖いから、病院に入院!
という状態なんでしょう。
一度味わってしまった恐怖はなかなか抜けませんから。
街中でもだいぶマスク姿が減ってきた印象ですが、まだまだマスク着用率は高いですし。
世界がとっくにコロナ禍から脱し、マスクなんて誰も付けていないのに、日本人だけまだマスクから抜け出せないこの情けない事態、そしてその恐怖ゆえに「医療崩壊」が発生してしまう…。
そう考えると、実は恐怖を煽ってきた医師・医療行政にこそ、その責任があるように思えてきますね。
ま、今まで散々国民の不安を煽ってきた医療界・行政が、今になって自らの首を締めていることに気づいても遅いのですが…。
(あ、行政はつらいかもだけど、病院としては患者さんが増えたら儲かるので嬉しいのか… -_-;)
以上、「コロナ禍3年。今感染症の危機を叫ぶことは正しいことなのか?」でした。
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という信念なので医療情報は基本的に無償で提供いたします。
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ありがとうございますm(_ _)m
■僕の本
■内容(はじめにより抜粋)■
2019年に始まった新型コロナウイルス騒動。
医療業界をはじめ行政やメディアに先導されたこの騒動は、残念ながら「経済を壊し」「人々の絆を断ち切り」「自殺数を増加」させてしまった。
私は経済学部出身の医師という立場から、このような過剰な感染対策によるデメリットを憂いていた。そしてそれを問題視する発信を続けてきた。だが、この「過剰にコロナを恐れてしまう風潮」は2022年になっても依然として継続している。
2022年1月の全国高校サッカー選手権の準決勝では、選手2人に新型コロナ陽性反応が出たとのことで関東第一高校が出場を辞退した。
まるで「コロナに感染したら社会の迷惑・厄介者」と言わんばかりの対応だ。感染してしまった当該生徒の気持ちを察するに余りある。
コロナ騒動が始まってもう2年も経っているのに…
社会の過剰反応は当初と何も変わっていないように感じる。
今後もこのような風潮が続くのであれば、それこそ「新しい生活様式」となって社会に定着し文化になってしまうのだろう。
私はそんな「家畜」のような生活を、感染を恐れて人との絆や接触を断ち切るような社会を、絶対に子どもたちに残したくない。
そんなやりきれない思いが日々高まってゆき、我慢できなくなったのが、本書を書こうと思ったきっかけだ。
■タイトル・内容の過激さから数々の出版社から書籍化を断られクラウドファンディングによる自費出版となった本書。
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