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イノベーションの思考法 №001


✔︎ 仕事のその先をイメージする
✔︎ イノベーションは新結合であり、異文化融合がそれに効く
✔︎ 市場調査はアートな発想をうまない

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【 #マインドセット 】 仕事のその先をイメージする

仕事とは、誰かの「為」にする「事」
「あなたは、自分の仕事を通して、誰を助けたいと思いますか?」
「あなたは、自分の仕事を通して、誰をハッピーにしたいですか?」
「あなたは、自分の仕事を通して、どんな社会課題にかかわっていきたいですか?」
「あなたが仕事をするのだとしたら、どんな風に、社会に貢献することができますか?」
「あなたは、自分の仕事を通して、誰に感謝されたいですか?」
「あなたが仕事を辞めたとしたら、誰が困りますか?」

仕事は、少なくとも「イノベーション」に関連する仕事は、お金を稼ぐためだけのものではない。世界をより良くするために、誰かを幸せにするために行うのがイノベーションだ。

だから、イノベーションとは「為事」なのだ。世界をより良くするという「事を為す」ためにするのが仕事であり、「誰かの為にする事」が仕事なのである。徹底的な顧客目線と社会課題目線を持たずして、イノベーションを成すことはできない。

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#ダイバシティー 】 イノベーションは新結合であり、異文化融合がそれに効く

タンパク質など高分子の質量分析ができるようになれば医学や薬学といったライフサイエンス分野に貢献できるのでは、という漠然としたニーズは感じていました。しかし、それにも増して大きな理由は、挑もうとしていることがどれほど難しいことなのか、いま一つピンときていなかったことです。つまり、化学の素人だからこそ挑戦できたと言えるかもしれません。実際に、職場のすぐ隣にいた化学の専門家は、レーザーでタンパク質のイオン化なんてできるわけないと断言していました。
(中略)
図らずもですが、頭でっかちにならず、挑戦もせずに勝手に結論を出さなかったことがよかったのだと思います。
大学の先生や研究者は、専門分野を深掘りして探究することに注力します。これに対し、企業に勤める者は、雑誌やテレビなど雑多な媒体から興味を持った知識をかき集め、専門分野にとらわれず様々な場所から知恵を引っ張り出します。目的に対して手段は選ばないということですね。これは、欠点だという人もいらっしゃるでしょうが、確実に利点でもあると私は思います。
科学者ならば、イオン化する仕組みの理屈が先にあって、思い通りの現象を起こさないと学術的な面白みがないと考えるかもしれません。私は技術者ですから、トライ・アンド・エラーでまず試して、うまくいったら後から理屈を考えればよいと考えます。技術者だから、従来の常識、呪縛を超えられることもあるのだと思います。こうして生まれるイノベーションは、実は多いのではないでしょうか。イノベーションを生み出すことをあまり難しく考えず、とりあえず単純にうまくいきそうなものを組み合わせてみるといった発想でよいと思います。
異分野融合の場を生かせば、凡才や素人でもイノベーションや独創を生み出すことができると思っています。元々、経済学者のシュンペーターによるイノベーションという言葉の定義は、「新結合」「新しいとらえ方・活用法」を意味しています。その実現手段として、異分野融合は極めて有用だと思います。

イノベーションは、ハイテクによってうみだされるものではない。世の中の「当たり前」をリフレーミングし、その構成要素を分解し、異分野から要素を持ってきて組み直して、未来の「当たり前」をつくるのが、イノベーションだ。

自分の専門分野とは全く異なる分野の知識や経験は手に入れるべきだし、井の中の蛙の外にいる人と交流をすることも重要だ。そのセレンディピティこそが、イノベーションのタネになる。

大企業のプロパー人材が、新規事業やイノベーションが不得意な理由はそこにある。ものすごく小さな井戸の中で、それが世界の全てだと思って泳いでいる蛙に、外の世界のことを考えさせても土台無理な話だ。

一方、日本人は元来異文化融合の得意な人種のはずだ。年末年始のキリストの誕生日を祝い、仏教で行く年に思いを馳せ、神道で来る年の幸を願うように、宗教でさえも自分たちの文化に融合させて受け入れている。

日本人はもっと戦中・戦後に刷り込まれた価値観を捨てさり、古来からの自分たちが得意とする価値観をもっときちんと学び直した方がいい。良いものを積極的に取り入れ融合してきた自分たちの歴史にこそ、未来へのイノベーションのヒントがあるかもしれないのだから。

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#アート思考 】 市場調査はアートな発想をうまない

「私は市場調査的なことは、一切やらない」と彼は話し、「自分自身が気に入らないプロダクトを、他の人々が気に入る訳がないだろう」と続けた。
マスクは常に、部下たちに大局的な視点を持たせることを意識しているとも述べた。「全ての社員がチーフエンジニアであるべきだ。自分の専門領域の事柄だけでなく、プロジェクト全体を把握することを求めている」

イノベーションに必要なことは、市場調査やリサーチによる世界の「平均的な把握」ではない。

誰かたった一人の「当たり前」への違和感と、その違和感を深掘りした時に辿り着く「ディープイシュー」とそれを解決しなければ我慢ならないほどの「衝動」。
それをクリアにした先で思い描かれる圧倒的な「ビジョン」とそれに対する自分の使命感としての「ミッション」。
そこにいる「シンボリックカスタマー」を愛し、「エヴァンジェリストカスタマー」とより良い関係性が築けるような寄り添う心。
そして、ディープイシューをクリアにするソリューションやプロダクトの「閃き」。

それはまさに「アート」だ。自らの心の中に深く潜り込むことでしが為し得ない。市場調査やリサーチは「ロジック」を強化するためにやるものだ。それらはアートをうまない。

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