見出し画像

【台湾のジャズライブ】September in the Rain

2023年9月、大稻埕にあるバー"Antique Bar 1900"でのフルートトリオのライブを聴きに行きました。このバーでのライブにしばらく行ってなかったのと、このトリオのメンバーが素晴らしかったからです。
このトリオは初めてのコラボレーションだったそうです。バーのマスターAlanさんが、ベースの謝宗翰とブリュッセル時代の古い友人で、彼を招いて自分のお店で演奏してもらうのが、長い間の夢だったとのこと。その夢が実現したのが、2023年の中秋節の夜でした。

謝宗翰

僕が台湾での業務を始めた2018年、彼もブリュッセルから台湾に戻ってきて、あちこちでギグを始めていました。複数の友人が彼とのコラボレーションを始めていて、それですぐ知り合いになりました。

この日彼はウッドベースを持ってきていて、他の2人もアンプを使っていなかったので、完全アコースティックの演奏でしたね。彼のこのウッドベースは、スペインで購入した名器なのだそうです。最近はエレキベースでの演奏が多かったので、この日はウッドベースの音を堪能しました。

謝宗翰

謝宗翰のHP

郭俊育

最近、圧倒的にギグで顔を合わせるのがこの郭俊育です。蘇郁涵、Amanda Chen、劉育嘉ら台湾のミュージシャンが、こぞって彼とのコラボレーションを希望しています。なので、これはと思う演奏を見つけると、ピアノは郭俊育の場合がとても多いです。
ベースの謝宗翰と彼は、同じブリュッセルの王立音樂院の同窓なのだそうです。それで、Alanさんのこの要望にも、うってつけだったのですね。クラシックの素養の上に、ヨーロッパジャズの薫陶を受けた郭俊育のピアノは、とても流麗で繊細なもので、聞き惚れてしまいます。
先日あるライブハウスで、そこのピアノはピアニシモの表現ができないと言っていました。演奏の際のダイナミクスとして、鍵盤のタッチで小さな音をキチンと表現したいということなんですね。

郭俊育

郭俊育のHP

歐珈妏

Sapphoのジャムセッションで一緒に演奏した事がキッカケで、知り合いになったフルーティストです。ジャズは勉強を始めたところだと謙虚な感じで接してくれるのですが、クラシックの演奏者として高いレベルにあるので、あっという間に、たくさんの台湾のジャズミュージシャンとコラボする演奏者になってしまいました。

彼女はベルギーではなく、フランスでクラシックを学んでいます。それも聞くところによると10年の長きにわたってです。そんなトレーニングを受けてきて、台湾でジャズの演奏も本格的に学ぶ様になり、曾增譯、藤井俊充といった先生に師事しているそうです。
2023年の金音奨で、彼女の一作目のアルバム《笛光夜影》が、クロスオーバー音楽の優秀アルバム賞を受賞しています。

歐珈妏

歐珈妏のHP

Antique Bar 1900

大稻埕にはたくさんのリノベーションのバーやレストランがあります。そんな中でもこのAntique Bar 1900は、3階のとても天井の高い空間にあり、ヨーロッパのバーの様な、とてもスタイリッシュな空間になっています。
そして、このスペースを使って、Alanさんがコンセプチュアルに、ヨーロッパのクラシックなスタイルのバーを経営しています。本人の佇まいもそれを感じさせます。とても雰囲気の良いスペースとサービスのバーです。

音楽は、ジャズ・クラシック・タンゴなど様々なスタイルのものを、小規模編成で行っています。

右がAlanさん

Antique Bar 1900のHP

Days of Wine and Roses

Triste

Windows

September in the Rain

Tricotism

In the Wee

Mon Fantôme

Looking Up

Fly me to the Moon

Alanさんへのインタビュー

Antique BarのマスターAlanさんへのインタビュー映像がYouTube でありますので、紹介しておきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?