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色褪せない

リズムを聞くと思わず体が揺れてしまうくらいには
音楽が好きだ。

なので、外でイヤホンはつけない。
揺れずにはいられないし、
イヤホンをしていると聞けなくなる、
風の音や鳥の鳴き声や、街のざわざわも好きだから。

子どもの頃の放課後のお気に入りの場所は、
市立図書館の視聴覚室。

お友達と、イヤホンでドリカムを聞き、
帰り道でパピコを半分こにしていた。
歌いながら、自転車でびゅんびゅん帰宅。

恋の始まりのわくわくも
ライバル出現の心がキリッとする感じも
愛される穏やかな日々も
心が離れていくことに気づいた時の切なさも

曲から伝わる、様々な感情を
子どもながらに理解しているつもりだった。

きっと真剣に好きな人を好きだったのだろう。

それから30年も経つらしい。
今、ものすごく久しぶりにあの時のCDを聞いている。
音源だけど。

この30年で感じたたくさんの感情を
思い出してみたり、重ねてみたり。

いろんなことがあったなあ。
どうしようもなく辛いことだってあったけど
それすら大切に思える。

これからもいろんなことがありますように。
そして、パピコを半分こにしたい友達を思い浮かべる。


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