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海外ソフトウェア企業への転職で予想外に日本と変わらなかったもの 〜ドイツより~

はじめに

ドイツ・ベルリンに本社がある新興の大手IT企業に、ソフトウェアエンジニアとして、2022年夏から現地で働いてます。

この記事は前回の「海外ソフトウェア企業への転職で失ったもの 〜ドイツより~」の続きです。

今回はドイツ・ベルリンに来て(予想外に)日本と変わらなかったものについて紹介します。

ちなみに記事の背景画像は11月からMercedes Platzで始まっている小さいクリスマスマーケットです。Gluhweinという伝統的なホットワインを主に販売しており、会社帰りの人たちが楽しく飲んでいます🍷


海外に行けば増えると噂の給料が実質増えない

これは意外過ぎました😭😂😢

  • 「過去30年で日本は貧しくなった」

  • 「海外の企業の方が年収が高い」

  • 「海外で出稼ぎに出る日本人が出てきている」(自分のこと? 笑)

ここ数年、よくメディアで言われることです。

それにも関わらず、自分の場合は額面の給料は25%ほど上がりましたが、所得税や社会保障費が20%ほど増えたので、手取りの給料は下がりました🤑

単純な数式にすると以下の感じです。

日本の東京で働いていた時の自分の額面の給料 = 100
日本の東京で働いていた時の自分の手取りの給料 = 100 * 0.8 = 80

ドイツのベルリンで働いている自分の額面の給料 = 125
ドイツのベルリンで働いている自分の手取りの給料 = 125 * 0.6 = 75

単純計算で言えば、75➗80で6%ほど自分の年間の手取り給料が減ったことになります😭😢😂

2022年のユーロに対する円安の状態でこれなので、それ以前であればもっと額面と手取りの給料は下がっています。

また、ドイツの消費税(付加価値税)の標準税率は19%で 食料品や書籍などには、原則として7%になるため、基本的には日本よりも消費税が高いです。

さらに現在は欧州のエネルギー危機が発端で、ガス料金は前年の2倍を超えています。

ただし、こちらには日本のような仕事後に、居酒屋・カラオケで行う飲み会はありません。レストランよりはバーが多く、ビールは4ユーロほどなので安上がりです。

家計を圧迫しがちな夜の付き合いの費用が大幅に圧縮される傾向にあるので、普通に生活していれば貯蓄は日本より増えると思います。

ただし、ヨーロッパは近隣諸国への海外旅行がしやすいので、旅行をし始めると収支が悪くなります(笑)

もちろん、海外労働者として転職一年目なので、これからもっと昇給していけば、日本よりも実質的な所得が増える見込みが高いです🔥


ソフトウェア・エンジニアとして技術的な成長速度は日本と変わらない

海外ソフトウェア企業への転職で得たものの中に、オープンソース系のコミュニティイベントの参加によるインスピレーションとモチベーションと書きました。

一方で、優秀なエンジニアが大勢いる新しい企業でもソフトウェア・エンジニアとしてさらなる学び・成長が日本以上に沢山あると期待していました。

しかし、実際は日本の会社で働いていた時と変わらない気がします。

  • 優秀なエンジニアは日本よりも絶対数で言えば沢山いますが、職務内容が日本より区切られているため、関わる機会が少ない。

  • 日本の企業にも数は少ないですが、フロントエンド、バックエンド、インフラ、セキュリティと様々な分野を乗り越えてきた百戦錬磨のエンジニアが会社に隠れており、勉強になっていた。

  • 今の企業がSIerではなく、内製開発の企業のためか、リリース作業とトラブルシューティングは専門部隊がいて、最前線の戦場にいる機会が減った。

最後の点ですが、「多くのシステムと金額が動く最前線の戦場」では、緊張とストレスが高い一方で圧倒的な学び環境がやはりあります。

上記のようなことを2ヶ月に1回くらいしていた日本の5年間でした。

一方で、ベルリンの現在の企業では、ほぼ全エンジニアのレベルが一定以上なので、高品質なシステムを開発できています。

また、システム設計やコードレビュー時の同僚からのフィードバックは本当に参考になります。

エンジニアとして、今後もっと成長していきます。


[おまけ] そもそも日本の経済自体が本当に貧しいのか

1点目の給料に関して少し脱線しますが、自分は一応、経済学修士を持っていて思うことがあります。

「貧しい日本」には色々と国際経済のトリックがあり、実際に国の財政は健康的ではないですが、見かけ上ほど日本の経済状態は悪くないです。

海外に輸出できる財が弱くて通貨安になっていますが、日本人向けの製品・サービスは年々豊かになっています。最近、インスタグラムでよく外国人が投稿している近未来的な日本という紹介動画がその典型です。

従って、中央平均の433万円程を超えている方は金銭的にはそれなり裕福で安心な生活を送れ、日本の生活スタイルが合っている方は海外にいるよりも幸せに暮らせます。

また、地域の全体的な信頼感や細かなサービスという金額にできない部分で日本は優れていて、それらは日常の幸福に繋がります。

ただし、国家視点で見たときに、STEM人材の養成、本当に英語のできる人材の養成、国家の財政バランスの改善など、日本全体で抱えてる問題は解決するべきです。

以上です。

Happy Coding! 👩‍💻👨‍💻 🤖

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