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海外ソフトウェア企業への転職で得たもの 〜ドイツより~

はじめに

ドイツ・ベルリンに本社がある新興の大手IT企業に、ソフトウェアエンジニアとして、2022年夏から現地で働いてます。

具体的な職務内容はBig Data x Cloud Architectに関わる業務全般で、ビッグデータの抽出・加工・書き込みのアプリケーション、またはそれらのデプロイメントとリリースを自動化するウェブサービスの開発などです。

この記事では、ドイツ・ベルリンに来て得たものについて、インパクトが大きかった順に紹介します。


1. 圧倒的な量と質で英語を使用する職場で英語力の底上げ

純粋なソフトウェアの開発経験よりも英語を使う環境の方が予想以上に貴重な経験となっています(笑)

ベルリンにある会社ですが、企業言語はドイツ語ではなく英語です。なんだかんだでドイツ語もオフィスで必要かなと働く前は思っていましたが、本当にドイツ語を使う必要がないです。

完全に文書・会話は英語で行われ、ドイツ語が全くできない外国人労働者も社内の3割くらいいます。(→自分もそうです😂)

そのため、オフィスで毎日、圧倒的な量と質の英語を使っています。
ミーティングは毎日1〜2つあり、会話時間にすると1時間ほどですが、やはり日本語を全く使わずに英語だけなので、量が圧倒的に増えます。

オフィス近くのMercedes Platzには国際色豊かな人たちをランチタイムに見れます

また、ソフトウェアとビジネス関連の会話が中心なので、かなり複雑な論理を口頭で聞く・話す必要があり、良いトレーニングになります。

今まで不思議と知らなかった一般レベルの語彙・熟語もあり、自分の場合は例えば以下です。

・heads-up! (これ、注意ね!)
・call it a day (今日はこれで終わり)
・ping someone (知らせてね)
・page someone (呼び出してね)
・post-mortem analysis (事後分析)

ドキュメントやコードも英語なので、英語で読む・書く時間も増えました。自分はGrammarlyのおかげで、間違った文法をリアルタイムで気付き、短時間でまともな英語を書くことができ、文章力も勝手に上がっています。

余談ですが、アクセントもある同僚も多いので、良い感じで雑多な英語力も付きます😂

自分の英語力に関しては、TOEFL 107点、英検1級、カナダの大学院を卒業しているので、元々それほど低くないはずですが、現在の職場でたいへん勉強になっています。

そんな訳で、企業言語が英語の会社では圧倒的に英語力を上げられます!


2. オープンソース系のコミュニティイベントの参加によるインスピレーションとモチベーション

このために海外の企業に転職したと言っても過言ではないです🔥

日本ではオープンソース・プロジェクトがそれほど人気ではなく、それ関係の技術イベントは少ないです。一方で、企業系のイベントはTECH PLAYなどで頻繁に開催されています。

ドイツ・ベルリンでは様々な言語・フレームワーク・アプリケーションに関するイベントがほぼ毎週開催されています。例えば、私は以下のイベントに参加しました。(オープンソースでない技術イベントも含みます。)

・Javascript weekly community Gathering
・PyBerlin Summer Event
・Rust Community Event
・Pyberlin & Pyladies Community event
・AWS Community Event
・Elastic Search Community Event
・Rust bi-weekly community Gathering
・Grammarly Community Event

ベルリンで開催されているコミュニティイベント

自分はRustとPythonあたりが仕事以外の趣味でも好きな言語なので、それらのイベントに積極的に参加しています。

Rust and Tell Berlin Meetup

ソフトウェアの品質を継続的に上げていくためには、自社開発でも受注開発でもなく、オープンソースプロジェクトであることだと自分は信じているので、これからも参加・貢献したいです。

余談ですが、日本でオープンソースが流行らない理由について、私なりの考察ですが主に以下だと思っています。

  1. オープンソースは英語が基本なので、参加の難易度が高い

  2. 自社開発でなく、他社から受注開発するSIerが中心なので、IT企業はソースコードをオープンにしづらい

参考:日本でオープンソースが流行らない理由


3. 家族を持った時の社会保障

自分は独身なので実は意味ないですが、家族持ちだと以下のような手厚い社会保障があるようです。

  • 子供1人につき毎月200ユーロ(約28000円)

  • 保育園が公立は無償、私立でも月に数千円

  • 親向けの手当(Parental Allowance

参考:【ドイツの子育て・保育事情~ベルリンの場合】 第1回 日本とドイツの保育施設比較(前編)

一方で、自分のように独身だと、税制的に結構辛いです😂
流石にソフトウェアエンジニアなので年収は57,052ユーロを超えており、それ以上の所得に対して42%の税率がかかっています(笑)
結局、所得税と社会保障関連で、毎月手取りは額面の6割ほどになります😭

ドイツの税制に対する詳細はこちらのサイトに載っています。一般的に結婚すると所得税的にかなりお得になるパターンが多いです。

独身の自分は税制的には辛いはずですが、家族持ちの人たちがその分しっかり享受できているみたいなので、嬉しいです👍
東京に比べて、ベルリンで家族とワンちゃんの散歩を街で見る機会が多い気がしており、ほっこりします。

Berlin Oktober Festにて

余談ですが、ベルリンはワンちゃんに対する理解度がなぜか非常に高いです🐶🐕🦮
電車・バスなどの公共機関はもちろん、オフィスにもワンちゃんを連れてきて良い企業は多いですし、コミュニティイベントなどでもワンちゃんが普通にいる場面をよく見ます🐕‍🦺🐩

以上です。

今回の記事の反響が良ければ、次回の記事で、失ったもの、(予想外に)日本と変わらなかったものについて、書こうと思います。

追記:書きました。

Happy Coding! 👩‍💻👨‍💻 🤖  

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