どこから見ても円錐形の世界

僕のどこから見ても円錐形の世界(汎円錐形の世界と呼ぶ)の外観が ぼんやり見えてきている 
この文章を書いていると 
愛媛とニューヨークからメッセージが届いた
1人は中也を話題にし 
1人はタイムズスクエアの写真を送ってきた 
自由の女神に会って帰国するらしい 
中也 ニューヨークは確かに
僕の円錐形の一部を表している 
ニューヨークは詩人を通じてつながっている

これからしばらくの間僕は
3冊の詩集『ソラリスの襞』『キメラ/鮫鯨』『ピルグリム』について文章や詩を書いていくことになるだろう

それは僕の汎円錐形の世界を明確にするとともに
この世界に溶けていくことの過程でもある
僕はすでに未来を知っている

それは1500年前とつながっている 
だから3500年まで残る言葉で書かなくてはならない 

大震災級の地震が日本を襲うこともあるだろう
その時大勢が命を失うだろう

それも含めて
弔うことが僕の果たすべき役割だと感じている
ということはつまり
すでに僕らは弔われているということだ
この国はそういう形をしている
呪われていると言っても
祝福されていると言っても構わない
どちらも大して変わらないから

幸福の王子は
いつまでも
燕の帰りを待っている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?