見出し画像

ライティングのコツ|「長文」編|5

前回の記事「ライティングのコツ|「長文」編|4」では、
豆知識:いつもと同じ文章を変えるコツ」をお届けしました。今回ももうひとつだけ、便利な【豆知識】をお届け。それでは始めてまいりましょうか。

●豆知識:リズムのよい文章を心がけよう

「文章なのにリズム?なんだか音楽みたい」と思った方も少なくないかもしれませんね。でもよい文章には「よいリズム」があるものなのです。

例えば、一生懸命書き上げた長文。完成した文章を最初から読んでみると、こんな感覚におそわれることってありませんか?

「意味は伝わるんだけど、なんとなく読みづらいなあ…」

時間も労力も使って書いた長文だけに、認めたくないものですが、やっぱり…、どう考えても…読みづらい…。あぁ…これ、どこをどう書き直したらいいんだっけ?と、途方にくれたらこのコツを試してみてください。

声に出して読んでみる

ひとつ例題をやってみましょうか。
以下の文章を音読してみてください。

産休や育休を取得して職場復帰する、という働き方は当社では当たり前のことであり、実際にそのようなスタッフもたくさんいます。子育てをしながら仕事も頑張り続けて、ずっと自分のキャリアを磨き続けられるという働き方を当社だけでなく、社会全体で当たり前の働き方にできたらどんなにいいかと社員同士でよく話し合うことが多いです。

…どうでした?いつもの例文同様、またしても意味はなんとなく分かりましたよね?でも…スッと読めました?途中で息苦しくなったりしませんでした?(笑 
特に最後の一文。超絶長い…。この一文だけで96文字ありましたよ。

画像1

● 音読していて呼吸がしづらい
● どこで区切っていいか、一瞬迷う

これらの症状がでたら、1センテンスが長い証拠。前半の記事「伝わりにくい文章にしないコツ」でもお伝えしたように、主語が述語を見失いやすくなる、危機的状況にあるということなのです。

究極にリズムが良い文章は、俳句。「5・7・5」で、とても心地よく読めますよね。

ではさっそくこの息苦しい文章を「分割」しながら、修正してみましょう。

産休や育休を取得して職場復帰する、という働き方。/当社では当たり前のことで、取得実績のあるスタッフもたくさんいます。子育てしながらキャリアを磨き続けられる、そんな働き方が社会全体の当たり前になったなら、どんなにいいでしょう。これは社員同士でよく話し合う話題のひとつです。

作業としてはこんなことをしました

画像2

1:一文目が長いので、途中で区切った
・「/」のマークのところですね。いったん体言止めにしています。
“それは当社では…”としたほうが親切かなーと悩んだのですが、それ“”と、当社で“”というように、“”が連続するので使いませんでした。

●Point!!「助詞」は連続して使わない
「が」「を」「に」「の」「と」などですね。これ連続使用すると、主語・述語がかなりの確率で迷子になります。無駄に長くなる原因にも。

どうしても連続して使うなら、
例)昨日子ども買ってきたパンカビ生えてた
→昨日子どもが買ってきたパンに、カビが生えてた
(「、」で文を切る+一カ所の「が」を違う助詞に変える)
とするとよいでしょう。

2:「そのようなスタッフ」という抽象的な表現を、「取得実績のあるスタッフ」と具体的な表現にした
これも過去記事「● 2)人に優しい文章を書くコツ|前半」の代名詞をトル、のくだりでご説明しましたね。

3:情報が重複している文章を完結にした
「子育てをしながら仕事も頑張り続けて、ずっと自分のキャリアを磨き続けられるという働き方を…」という文章、太字の部分ってだいたい似たような話をしてますよね?仕事を頑張ることって、ほぼキャリアを磨くこととイコールなので、「子育てしながらキャリアを磨き続けられる、そんな働き方が…」とまとめたのです。

実はこの「重複」、長文ではめちゃめちゃ…(略)、多発します。ローキャリアのライターさんから上がってくる文章に、これすごーく多いです。
音読してみて「なんだか息継ぎしづらいな!!」と思ったら、この重複箇所をまず探すとよいかも。「どこかひとつにまとめて言えないかなー」「この言葉、なくても伝わるかなー」と言う具合に、文章を再度見つめてみてください。

4:「働き方」が続いたので、後述の「働き方」を取った。
どの文章でも同じですが、ひとつの文中にあまり同じ言葉を入れない方が、くどい仕上がりにはなりません。もちろんWEBライターさんなどは、SEO対策のため、文中にキーワードをしっかり盛り込んで欲しいという依頼も少なくないでしょう。ただ、日本語としておかしくなるまで、盛り込む必要はないと私は思いますし、優秀なWEBライターさんは、その辺りの品質も担保しつつ書いていらっしゃるのではないでしょうか。

5:「子育てと仕事を両立する働き方を社会で当たり前に出来たらいいね」  という話と、「社員同士でよく話しているという話」この2つに分けた
ここ、最大級に息苦しかったのでね(笑。この分け方はこれまでの記事でお伝えしてきたことです

最後にもうひとつ、よりリズムを良くするPointとして

「です」「ます」のあとは、体言止めにしてみるなど、文末を変える。

前回の「豆知識:いつもと同じ文章を変えるコツ」でも、文末は変えましょう、というお話をしましたね。あのコツは幼稚性を無くすだけでなく、文章のリズムまで良くしてくれますよ。ぜひお試しくださいね。

さて、今回で豆知識は終了!!…というつもりだったのですが、この記事を書いてて、もうひとつ、みなさんにお伝えしたいコツが出てまいりました。それは
「文章を無駄に長くする犯人」について。

事例を用いながら、「無駄に長い文章あるある」をご紹介したいなと思います。次回もどうぞお付き合いくださいませ。

--------------
ライティングのコツ|「長文」編|INDEX
--------------

長文編1
● 0)はじめに〜ライティングのコツをお伝えする前に● 1) 伝わりにくい文章にしないコツ

長文編2
● 2)人に優しい文章を書くコツ|前半

長文編3
● 2)人に優しい文章を書くコツ|後半

長文編4
●【 豆知識 】1

長文編5
●【豆知識】2

※現在執筆中
●事例紹介〜「無駄に長い文章あるある」
● 3)「構成力」を身につけよう
● 4)「構成力」に欠かせない最後のコツ
● 5)言葉の引き出しを増やそう
● 6)信じてもらえる言葉を選ぼう



サポートしていただけると、励みになります!!