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ライティングのコツ|「長文」編|2

前回の記事「ライティングのコツ|「長文」編|1」では、
● 0)はじめに〜ライティングのコツをお伝えする前に
● 1) 伝わりにくい文章にしないコツ
についてお話しました。今回は「人に優しい文章を書くコツ」を前後半に分けて、お届けしたいと思います。それでは始めてまいりましょうか。

● 2)人に優しい文章を書くコツ|前半

早速ですが、ひとつ質問です

Q:人に優しい文章って、どんな文章だと思いますか?

易しい、ではなく優しい、です。内容が専門的でも、真面目な話でも、優しい文章ってあると思うんですね。その定義は人によって、微妙に表現が異なるとは思うんですが、私が思うに人に優しい文章って、

A:読みやすい文章

かな、と。はい、今回も結構当たり前の話からいきますね。

で、その「読みやすい文章」って、具体的にはどういう文章なのよ?って話なんですが、一例をあげるとこんな感じかなと思います。

●短い文章
短い文章は頭の中で処理すべき情報量が少ない。だから読みやすい場合が多い、ですよね。

●端的な文章
結論からズバっ!と、言いたいことをサクサク伝えてくれる文章は読みやすいですね。

●文法的におかしくない文章
前回の記事でも書いた通りですが、主語・述語がチグハグになっているなど、そもそもの日本語が間違ってたらツラい…。

●伝えたいことが伝わる文章
例え話が適切だったり、起承転結がしっかりしていたり。筆者の言いたいことがしっかり伝わる文章は、読んだあと、こちらも晴れ晴れとした気持ちになりますよね。


…などでしょうか。はい、ここでこうお感じになりませんでした?

「そりゃ誰だって、読みやすい文章書こうと思ってるよ!(でも出来ないんだよ)」と。じゃあ、なんで出来ないのか?その原因のひとつは、ここにあると思っています。

!!問題:知らないうちに、書き手目線になりがち

ほら、長文書く時って長い間、PCに向かったり、紙にむかったりするでしょう?夢中になって書けば書くほど、文面を客観視したり、俯瞰して見ることが出来なくなるケースが多いんですよね。

ちなみに書き手目線の文章は、こうなります。

(無駄に)長い文章 
・まわりくどい文章
・文法的におかしい文章
・伝えたいことがよくわからない文章
・書き手だけが知っている情報が多い文章

などナド…。読みにくい長文は、話が長い人によく似てるなと。つくづく思います。延々話を聞いても「あれ?この人、結局何が言いたいのかな??」っていう方、いませんか?「結論からいいますと…」といいつつ、全然結論言わなかったりする方。そういう人の話を聞いてる状況と一緒です。

そんな読みにくい文章にしないコツもありますよ!それは…

!!対策:不要な言葉をトル

書き手目線の文章のひとつに「無駄に長い文章」ってありましたよね?あのトラブルを回避するのに、結構便利です。

でも…。「そもそも、不要な言葉ってなんだろう??全部必要に思えるんだけど…」と、悩めるあなた!まずは以下を試してみてください

1)「代名詞」をトル

以下例文をご覧下さい

<例文>
営業職は「自分から話をする人」というイメージが強いかもしれません。しかし実はそういう人よりも、お客様の話をよく聞ける人、いわゆる聞き上手な人が活躍しています。もちろん、入社した当初からそのような人は、それほど多くありません。仕事を続け、お客様と接するうち、そんな風に変わっていく人が大半です。そういった実例を私は何人も見てきました。つまり、最初から出来なくてもいいのです。大切なのはそんな経験をいかにたくさん積めるか、が勝負なのです。

また極端な例ですが(笑。では、文章の中で使われている代名詞を探してみてください。いくつありましたか?

営業職は「自分から話をする人」というイメージが強いかもしれません。しかし実はそういう人よりも、お客様の話をよく聞ける人、いわゆる聞き上手な人が活躍しています。もちろん、入社した当初からそのような人は、さほど多くありません。仕事を続け、お客様と接するうち、そんな風に変わっていく人が大半です。そういった実例を私は何人も見てきました。つまり、最初から出来なくてもいいのです。大切なのはそんな経験をいかにたくさん積めるか、が勝負なのです。

太字にしている計5カ所が代名詞ですよね。この代名詞たち、実は知らないうちに、読み手に対してこんな負荷をかけているのです。

Q1: 最初の「そういう人」とはどういう人?
Q2: 入社した当初はそれほど多くないという
   「そのような人」とはどういう人?
Q3: 仕事を続けると「そんな風」に変わっていくとありますが、
   どんな風に変わる?
Q4:「そういった実例」とは、どんな実例?

この代名詞に辿り着くと、読者は一瞬(0.3秒くらい?)、しかも無意識のうちに、意識を前の文章へと戻していきます。
「ん?そういう人って…?(前文に戻る)あぁ、自分から話をする人、か」
「ん?入社当初多くないそのような人って…?(前文に戻る)あぁ、聞き上手ね」という具合。

これ、読み手の立場からすると、どうです…?ちょっとイラッとしません?(私はします…)「もう!スッと読み進んでいきたいのに…!」って思いません?これ、読み手に優しくないですよね…。なのでトリました。

営業職は「自分から話をする人」というイメージが強いかもしれません。しかし実はお客様の話をよく聞ける人、いわゆる聞き上手な人が活躍しています。もちろん、入社した当初からそのような人は、それほど多くありません。仕事を続け、お客様と接するうち、変わっていく人が大半です。そういった実例を私は何人も見てきました。つまり、最初から出来なくてもいいのです。大切なのはそんな経験をいかにたくさん積めるか、が勝負なのです。

どこをどう変えたかというと。

2行め:
しかし実はそういう人よりも、お客様の話をよく聞ける人、

しかし実はお客様の話をよく聞ける人、

4行め:
お客様と接するうち、そんな風に変わっていく人が大半です。

お客様と接するうち、変わっていく人が大半です。

こんな感じ。ね?無くても意外と伝わるもんでしょう?「無いと伝わらないかも…」と心配しているのは書き手だけっていう。書き手目線になっちゃった最たる例です。無くても意味が伝わる言葉ってことは、そもそも要らない言葉。さっさととっちゃって、どんどん優しい文章にしちゃってください。さあさあ、さらに読み手に優しく変えていきますよ。

営業職は「自分から話をする人」というイメージが強いかもしれません。しかし実はお客様の話をよく聞ける人、いわゆる聞き上手な人が活躍しています。もちろん、入社した当初から出来る人は、それほど多くありません。仕事を続け、お客様と接するうち、変わっていく人が大半です。聞き上手へと変わった人を私は何人も見てきました。つまり、最初から出来なくてもいいのです。大切なのはお客様と接する経験をいかにたくさん積めるか、が勝負なのです。

はい、こんな風に変えました。変えたのは以下。

【前】入社した当初から(そのような人)はそれほど多くありません。
【後】入社した当初から出来る人は、それほど多くありません。

【前】そういった実例を私は過去に何人も見てきました。
【後】聞き上手へと変わった人を私は過去に何人も見てきました。

【前】大切なのはそんな経験をいかにたくさん積めるか、が勝負なのです。【後】大切なのはお客様と接する経験をいかにたくさん積めるか、が勝負なのです。

もうわかりましたか?代名詞を具体的に言い換えたのです。最後の例題にある、「お客様と接する経験」すらちょっとまどろっこしく感じたならば、「営業経験」と一言で表現してもいいですよね。

はい、不要な言葉の中でも特に代名詞はトル。というか、そもそも使わない。もちろん使っちゃダメーってワケじゃないですが、「多くなると危険」って思っておくと安心。もしも、使いたくなったら具体的な言葉にするといいですよ。

実はもうひとつ、長文にとって不要な言葉があります。その答えは、次回ライティングのコツ|長文編|3にてお届けしますね。

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