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ライティングのコツ|「長文」編|1

別にライターや作家になりたい訳ではないけど、仕事上書かねばならない状況に追い込まれるケースって、少なくないですよね?

「書くの苦手なのに、社内で公式ブログの更新を担当することになった」
「話すのは得意だけど、長文にまとめて伝えるのが苦手」

こういうお悩みを抱えていらっしゃる方って、とても多いのではないでしょうか。この記事では、私がかれこれ18年近くライターを続けてきて、こうすると書きやすかったなという「コツ」をお伝え出来ればと思っています。お役に立てれば嬉しいなーっと。

● 0)はじめに〜ライティングのコツをお伝えする前に
● 1) 伝わりにくい文章にしないコツ
● 2)人に優しい文章を書くコツ
●【 豆知識 】
● 3)「構成力」を身につけよう
● 4)「構成力」に欠かせない最後のコツ
● 5)言葉の引き出しを増やそう
● 6)信じてもらえる言葉を選ぼう


● 0)はじめに〜ライティングのコツをお伝えする前に

ライティングのコツでは読みやすく、伝えやすい長文を書くコツについて、お話します。具体的には「長文書くのが苦手!」「仕上がった文章が読んでてどうにも気持ち悪い!」という、長文を書くのがそもそも苦手!!という方のお力になれれば、と考えています。

ただ、以下ご注意下さい

●結構当たり前の話をします。
言われたら「そりゃそうだな」ってな話、でも言われないと気づいてなかった話、そんな難易度をイメージしてください。ね、難しくなさそうでしょ?

●私なりの「コツ」であって、「正解」ではありません。
「ここはちょっと違うと思うなー」と言うご意見。もちろんあると思っています。むしろあって当然。これはあくまで私自身が「こうすると書きやすくなったな」という、私個人の経験に基づいた「コツ」ですので。何卒温かい目でみてやってくださいませ(笑。

●記事を読んだだけで、急には書けるようにはなりません。
コツを知った上で何回も、何記事も書く。いろいろ書く。そうするウチにスキルアップしてきたなーと、自分自身を振り返ってみて思います。

●WEBライティングのテクニックに関する話はしません。
ネットの世界、WEBの世界には、その道のプロが(それはもう凄腕たちが…)たくさんいらっしゃるので。そちらで聞いてください。(笑

●小説を書くには、役に立たないかもしれません。
なんせわたしが小説書かないので…。すみません。

というわけで前置きが長くなりましたが、さっそく1項目めの「伝わりにくい文章にしないコツ」から始めていきましょう。


1) 伝わりにくい文章にしないコツ

はい、まず最初にひとつ質問です

Q:文章って、どんな構造です?

え…と、あらためて聞かれると「?」っと一瞬なるのですが答えはシンプル。

A:基本は主語+述語

ですよね。はいでました、最初の当たり前(笑。これをなぜ冒頭に問うたか…?それはこの<主語と述語の関係性>って、長文の質に大きく起因してくるんですね。

!!長文を書くときの問題点:主語が述語を見失う

長文はいわゆる、5W1Hで構成されますよね。「何を」「誰が」「どこで」「いつ」「どこで」「なぜ」みたいなことを分かりよく伝えていく訳です。

ただ、これ長文になればなるほど見失うんです、主語が述語を。

以下例文1をご覧下さい

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<例題1>
営業職は奥が深く、簡単な仕事ではないですが、上司やお客様からの「ありがとう」の言葉が、私の支えとなり、モチベーションとなり、一緒に頑張る同期の存在も励みになりました。

例題なので極端にはしてますが(笑。でも結構これに近いことになる!って人も少なくないと思います。(実際、わたしがそういう文章をよくみかけるので)

で、この文章、意味はなんとなく伝わりますよね。でも「どれが主語で、どれが述語??」と迷っちゃいませんか?

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「<主語>営業職は(奥が深く)、<述語>(簡単な)仕事ではない
なのか?それとも、最初を主語と考えて最後を述語と見るならば…
「<主語>営業職は(奥が深く)、<述語>励みになりました。」か?
いや、これはもっとおかしいな…。なんだか混乱してきました。じゃあそんな時どうしたらよいか?ってことなのですが、

!!対策:見失ったら、いったん分割する。

と。上記の長文を分けてみますね。

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<言いたいこと>
1:営業職は奥が深く、簡単な仕事ではない。
2:上司やお客様からの「ありがとう」という言葉が私の支えとなり、モチベーションとなった。
3: 一緒に頑張る同期の存在も、励みになった。

あ、なるほど。先ほどの長文では要するに、この3つが言いたかったんですね。…っと、筆者の気持ちがわかったところで、整理してみました。

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営業職は奥が深く、簡単な仕事ではありません。/今日まで頑張れたのは、上司やお客様からの「ありがとう」という言葉が私の支えとなり、モチベーションとなったから。/もちろん、一緒に頑張る同期の存在も、励みになりました。

もう分かりましたよね?一文で繋がっていたところを、まず3つの文章に切りました(/のマークが二カ所あるのですが、そこで切ってます)。

ただ、ぶつ切りにした文章を繋いでも前後の文脈が悪くなるので、
「今日まで頑張れたのは」と「もちろん」で文の前後を繋いでます。

そして大きな違いは、その構成。

最初の長文は1・2・3の話を、ただただギューッと一文に詰めこんでいたんですが、<2と3>が<1の理由>という構成にしたんです。

「営業はカンタンな仕事じゃない。だけど、私が続けられたその理由が2と3でした」という文章にしたんですね。そのほうが起承転結があるかなと。(あれそうでもないですか?笑)

そしてもうひとつ。主語が述語を見失いやすくする要素があるんです。それは

問題:連続する「の」

例えばこちら

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「私の家のタンスの中の服」
「昨日の夜の晩ご飯のメニュー」

「の」祭りw。これ、よくやっちゃいませんか?「の」が連続すると、主語を見失いやすい上に、幼稚な印象になってしまいますよね。そんな時はこうしましょう。

!!対策:「の」を2回連続して使わない

もうね、「これから二度と、<の>を二回連続で使わない!!!」って決めるしかないです。精神論みたいですけど。私の場合、「使ったら負け」っていうルールを自分に課してます。一見、ゆるいようで使ってしまったときは、結構地味に凹みますからおすすめです。ではさっそく、先ほどの例題から「の」を取ってみましょう。

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私の家のタンスの中の服 → 「自宅のタンスにある服」

私の家=自宅、タンスの中の服=タンスにある服、と言い換えられますよね。

昨日の夜の晩ご飯のメニュー → 昨夜食べた晩ご飯のメニュー

昨日の夜の=昨夜食べた、と言い換えました。2個も「の」が消えましたね。なんだったら「晩ご飯」も要らないな。

昨日の夜の晩ご飯のメニュー → 昨夜食べたメニュー

これでも十分伝わりますよね。だって、晩ご飯って夜食べるものだし。意味が重複するくらいなら取ったほうがスッキリしますよね。

はい、これでどちらの例題も「の」が減らせました。しかも2つめは「の」自体が無くなりましたよね(笑。

実は今回お伝えした「分解する」と「<の>をトル」の2つ、実は共通の目的があるんですね。それは

!!共通の目的:出来るだけ1文を短くする。

長文のコツなのに意外ですか?でも長文だからこそ、一文は短くしてあげたほうが伝わりやすくなります。例えば30文字でこのくらいです。↓↓↓

私はこの家に生まれて、本当によかったとつくづく思っています。
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ライターさんによっては一文の文字数を「●文字まで!」って決めてる人もいるそう。プロがそうやって意識するくらい、長文ってヤツはちょいと気を抜くと一文が長くなりやすくて…。結果的に伝わりにくい文章になってしまうんですね。

はい、では今回のまとめです

① 文章が長くなったら、主語と述語を確認してみる
② 主語・述語がわかりづらいと感じたら長くなってる証拠かも。
分割しよう。
③「の」は二回以上続けない努力を。

というわけで、「1) 伝わりにくい文章にしないコツ」はこれにて終了。次回は「2)人に優しい文章を書くコツ」をお届けします。


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