PBフィルムをはじめてプリントした
今年の2月に行った個展で売上が出た分は、全部制作費にあてますと明言していましたが(決して飲み代には消えていません)、そのときの展示場所のプロジェクトであるPBフィルムを買うのにあてました。
今回、現像から返ってきたPBフィルムを初めて暗室でプリントしたのでその感想的な記事を書きました。
PBフィルムとは?
ただのシネフィルムではない
.LAB RAINROOTSで販売しているプロダクトで、Kodakから出ているVISION3という映画用フイルムをパトローネに詰めて、写真用フィルムとして販売したものです。
いってしまえばシネフィルムなんですが、独自の処方で処理しているので、他とはまた違う感じですし、プロダクトの理念としては、写真用フィルムの価格高騰する中で、日々の中で写真を撮る人たちがずっと使える質のいいフィルムを提供するというのが目的なので、良心的な価格設定になっています。
現像は今の時点で.LAB RAINROOTSのみとなっています。手法としては、各感度ごとのレシピで現像タンクを使って手現像し、独自の手法でバッキング層(この処理があるので通常の写真店に出してはダメ)を除去しているようです。参照
.LAB RAINROOTSはどんなところ
あまり説明的なのも違うと思うのでざっくりいうと、名古屋にある写真の基地みたいなスペース。できることとして知っているのは、以下の内容(たぶん僕が知らないだけで他にも色々できるはず)。
展示を観る、展示をする
手焼きでプリントしてもらえる、プリントすることができる
フィルムを現像してもらえる
PBフィルムやカメラを買える
写真について話ができる
ワークショップをしている
「名前のつかないような日々の写真も、人の手と光で焼き続けたい」
ホームページ のトップに書いてあるこのフレーズがすごくいいなって思ってて、これに尽きると思います。
プリント
プリント時の違い
何事も先人の経験を参照しようと思い、プリントをする前に軽くレクチャーを受けました。
モノクロプリントは、ざっくりいうと濃度と階調をコントロールしてプリントを作りますが、カラープリントは、濃度とカラーフィルターを調整して色味を合わせてプリントを作っていきます。
このカラーフィルターを通常は C0/M50/Y60 くらいを標準として、テストをスタートするところですが、PBフィルムは C30/M50/Y0 くらいでと教えてもらいました。
ただ、結局は僕の好み的には、C25/M50/Y10くらいがやりやすいなぁと思いました。Yellowフィルターを引きたいときに0では引けないので少し欲しかった。
作例というか触ってみた感想
感想としては、カラーフィルターを変えるだけで十分プリントできるし、色がとても自然な感じに出る。見た色に正しいというよりも、記憶や感覚的に覚えてる色って感じだった。
たまにコントラスト無駄に高くてなんか違うんだよな~ってなるのの逆で、しっくり来ていて好きでした。
36枚撮りのネガだと六切からはみ出すけど、27枚撮りくらいなのでギリギリ六切に収まる感じでコントラストプリントが作れるのがよいね。
今回はOLYMPUS PEN EFで撮ったハーフサイズのネガを六切にプリントしてみたけど、もう少し大きくしてもいけそうな感じ。
露光後の処理はプロセッサーでやったけど、.LAB RAINROOTSではバット現像なので、そこでも少し変わってくるかもしれない。
PBフィルムは安いけど、別に普通のフィルムに見劣りするわけではなくて、すごく面白いプリントができる素晴らしいフィルムだと思うし、こういうプロダクトがある限りは、フィルムで制作続けていきたいと思う。
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