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白髪抗議運動:武漢で多数逮捕 rfi 2023/02/22

 以下はフランス通信社AFPのニュース媒体rfiの中国語版2023年2月22日の記事の翻訳である。これによると武漢で2度目の示威活動が行われた2月15日以降、警察側が示威運動参加者の逮捕拘留という厳しい姿勢、政府が決めた政策への反発を警察力を行使して抑え込む政策に転じたように見える。
 なお「見出し」に使ったのは、示威活動に参加したものに手渡される「通知書」の一部(部分)である。この通知書から判断すると氏名を特定後、一旦はこの通知書を渡して「警告」。警告に従わないものにより重い処分をしているのではないだろうか。
 同様の規制は確かに民主主義国家にもある。問題は、言論や集会などの自由との関係である。民主主義国家ではこのような規制を限定的にかけることにして、集会や言論の自由を原則的にあるべき状態とするのに対して、中国では、このような規制の方が常態になっているのではないか?
 このような規制を政府側が恣意的に運用すれば、政府に批判的なすべての行為を、警察力(公安)を使って取り締まることが可能になる。事実今回の問題で中国で生じたのは、政府の政策への不満を力で抑える中国政府の強権的姿勢である。しかしこの対応は、強権的ではあるが形式的には法律にのっとっていることをまずは「見出し」で確認したい。
 しかしそうではあるが政府批判を、いかにも強権的な力で抑え込んだようにも見える。中国では国家機関が存在するような場所での、集会、デモ、ビラ、示威活動、滞留は当然のように一切許可されない。そこで武漢や大連などで起きたのは、プラカードももたず、人々が市の中心部にある政府庁舎付近に集まる状況である。集会でもデモでもない。政治的スローガンを誰かが呼びかけるわけでもない。
 許可されていない集会などを呼びかけたり、横断幕を掲げたり、スローガンを叫べば確実に逮捕される。しかし中心部には公園もある。散歩にきた人がたまたま多数いたらどうだろうか。しかもその人たちが何も持たずただ歩いていたらどうだろうか。歩きながら団結を称える歌を歌ったらいけないか。つまり人々は、ここでギリギリの抵抗をした。
 確かに逮捕者はでた。ただ冷静にみると逮捕者の数は、騒擾の大きさに比べれば限定的であり(報道されている限りでは退職老人で逮捕されたものはおらず)、映像をみる限り現場での対応においても、警察側も自制して緊張を高めないよう努力しているようには思える。警察側も騒動の拡大を望んではいない。さて、この全体の流れをどのように評価すべきだろうか。
 今回数万の規模で、武漢、大連など中国各地で民衆が、街にでて政府批判の意思を示したが、このことは中国では、1989年の天安門事件以来見られなかった状況とされている。

白发抗议运动:武汉传逮捕多人   rfi    2023/02/22

(見出し)白髪抗議運動。武漢で多くの逮捕者が出たと伝わる。当地の住民が明らかにしたところでは、この1週間(訳注 2023年2月15日以降の1週間)、武漢の警察は各居住区で示威の現場でスローガンを唱えた抗議した人を検査(排查)した。今のところ、5人の逮捕が確認されており、その中に新型コロナ肺炎死者の家族である張海が含まれている
 今日の自由亚洲の報道によると、武漢白髪運動で多くの人が陸続と逮捕され、張海は省外で警察に見つかり連れ戻された。
 2月8日と15日。武漢は1万を超える示威運動が爆発し、示威者は集会地点の「外」で「国際歌」と団結こそ力だ」とを高唱し、政府に対し2月1日に正式に実施されたいわゆる医療新政の撤回を求めた。警察(公安)はなお武力を使った排除(驱散)行動をとっていない。しかし武漢の多くの住民が今週水曜日(訳注 2月22日)に訴えたところでは、警察は現在、示威に参加した活動分子を調査しており、この1週間ですでに張海など5人を逮捕した。
 「個人の安全」を理由にフルネームを明らかにしない張女史は、本紙に対して次のように述べた。「白髪運動に関係して5人が逮捕された。うち一人が張海で、彼は深圳で捕まったが罪名はなお明らかでない。このほか捕まったのは23歳前後の若い男性。彼は何人かの老人と国際歌(インターナショナル)を歌ったとして。またもう一人は男性のタクシー運転手舒力は現場で声援をおくったとして(逮捕された)。」
 報道によれば示威による逮捕者は5名であるが、(訳者補語 知られていない)氏名不詳の逮捕者が多くいるかもしれない。
 今年の2月8日、武漢で1万以上の退職者が市政府前に請願に集まり、政府官僚に毎月260元余りの医療補填がなぜ数十元に引き下げられたのかの説明(解釈)を求めた。(なお新たな措置では)住民は700元を超えた医療費はその超過分から補填される。集会は官僚に新たな医療保険措置の撤回を要求した。翌日、官僚は長い時間を使って、重大な病気の人は政府からより多くの補填を受けられるようになったと説明した。しかし住民は政府の説明を拒絶した。15日、武漢の退職者と住民とは再度政府に示威活動を行った。その後、当局は示威活動したものの逮捕を始めた。
 中国のそのほかの地区でも、医薬補填縮減政策に抗議する老人たちの示威活動が発生している。


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