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ウルムチ1124火災 白紙運動 そして白髪運動 へ 

ウルムチ市の1124火災から白紙運動へ
 2022年11月24日夜 新疆ウルムチ市の高層アパートで起きた火災で10人が亡くなった。その原因として、コロナによる街区封鎖によって、消防車が入れなかったとの指摘がある。長期間の封鎖により住民の自動車が放置されていたことも消火活動を妨げた。消防車の能力が低く水が届かなかったとの指摘もあるが、封鎖によって、逃げようにも脱出が阻まれていたとの指摘があり、ウルムチの火災で死者が多数でたことは、コロナ患者が発生した時に居住区全体の封鎖を優先する、習近平のゼロコロナ政策による人災との見方が浮上した。ニュースが報道されると、白紙を掲げて死者を悼む意思表示とする白紙運動(白紙行動 白紙革命)が起きた(11月26日南京传媒学院から中国各地。もともと学生は死者を悼む気持ちを述べたに過ぎなかった。ところが学院の執行校長はこのような行為は代価を払うことになると学生に恫喝を加えた。結果としてこの恫喝はその学生だけでなく全国の学生を憤激させ、運動が全国化し政治性を帯びることに力を与えることになった。北京や上海では白紙を掲げるだけでなく、自由が欲しい、習近平は下野せよ、などの具体的な政治的スローガンを叫ばれている)。武漢でも白紙運動が起きた。なお2023年に入ると、白紙運動参加から多数の逮捕者が出ていることが明らかになっている。中国政府が言論の自由、とくに政権党が行う政策への批判の自由を認めない姿勢は顕著になっている。
    参照 南京传媒学院白纸行动
新疆火灾点燃各地抗议之火 上海人怒吼“共产党下台” 自由亚洲电台 2022/11/26 この記事の中の映像中のスローガンに注目。
中国:「白紙運動」参加者の釈放を Human Rights Watch 2023/01/25
 ところで各地では学生が運動の中心だったが、武漢では学生だけでなく、一般市民も呼応した動きを示し、スローガンを叫ぶだけでなく武漢漢正街では、2022年11月27日、封鎖が住民によって実力で解除され、深夜まで人々が行進する事態になった。これは武漢でコロナ感染者が発生した場合、居住区をまるごと閉鎖するといった極端な隔離政策に武漢では一般市民の間に不満がたまっていたことを示している。
 武漢におけるように、学生だけではなく、一般市民が街頭に出て、政府の政策を公然と批判する事態は民意の支持を得ていると自称する共産党にとって深刻な事態だったのではないだろうか。

以下のrfa  自由亚洲电台  によるtwitter上の報道は、速報として注目される。ここでは記事それぞれの見出しを翻訳して提供する。

2022年11月26日ー27日 武漢市民による封鎖の実力解除
2022年11月27日 武漢人の柵を倒す反抗 武漢の住民:感染は武漢から始まり、武漢から終わる   中国(の人々の)外に出る動きは全国に広がり、街頭に出る人は感染取締りの人を数で上回り、多くの社区では感染取締りの人は撤収している。土曜日(2022年11月26日)、日曜日(同27日)に至り、民衆は期せずして街頭に出て、各種各様の障害物を押し倒した。武漢漢正街では、住民が力を合わせて大きな鉄柵を押し倒し、街の中に出てその他の小区の住民と合流した。
2022年11月27日 少なくとも10の大都市で反政府デモが爆発 武漢人は眠れない夜に入った 過去数日、中国の少なくとも10の大都市で感染防止政策に反対する(反防疫)大規模なデモがあり、多くの人が封鎖解除(解封)に始まる政治改革を訴えたことは1989年以来ほとんど見られなかったことである。感染爆発地武漢では、市民はひたすら止まることなく、大小の住民区の民衆が皆それぞれ街に出て、夜に至っても中山大道でスローガンを叫び、解散しなかった。
2022年11月28日(明け方前) 武漢 漢正街 警察による取り締まり

2023年2月8日ー15日 退職労働者による「白髪運動」
 2023年2月、武漢で退職老人が医療保険の改悪に不満だとして集会を行ったことは「白髪運動」と呼ばれているが、2022年11月に起きた「白紙運動」に続いて、一般の民衆が街頭に出て意思表示を始めたことが注目される。

2023/02/08  武漢 1万人が市政府(前)集会  武漢市:1万人以上の退職者が水曜日(2023年2月8日)市政府前に集まり、政府官員に毎月260元余りの医薬補填(金)が数十元に引き下げられたことに、公開の説明を求めた。集会した人々によれば、全市では200万近い退職労働者がこのことの影響を受ける、(また)もし政府が問題を解決しない場合は、15日にはさらに大規模な抗議が行われる。
2023/02/15  武漢 1万を超える民衆が大デモを行い、経済負担を加重する「医療新政」に反対した。 武漢市で1万を超える民衆が今週水曜日(2023年2月15日)中山公園と解放大道に集まりデモを行い、当局に「医療新政」の撤回を求めた。抗議者は「団結こそ力」を高らかに歌った。参加者は退職労働者と武漢市民で、彼らは経済負担を加重する医療補填の削減に怒っている。


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