成長につながった僕の複業体験 - 「#成長につながる複業とは」
今朝の日経新聞にて、経団連が「業務役割と必要なスキル・経験をあらかじめ特定したジョブ型雇用の拡大」を企業への指針として公表したという記事がありました。
新卒にもジョブ型雇用を適用するよう呼びかけているので、新卒一括採用と年功で昇進・昇給させていく日本の雇用スタイルが変わってくるかもしれません。
また同時に、経団連は社員の健康管理の重要性も訴えているので、引き続きどう残業抑制しつつ生産性を高めながら、社員のワークライフバランスを守るか?という点が重要なテーマになりそうです。
さて先日、「ゼロ残業の光と影」と題して、デンマークのジョブ型雇用とゼロ残業は若手にとってキャリア成長の機会を損なっているかも・・・というnoteを書きました👇
さすが一朝一夜で、日本がデンマークのようになるとは思いませんが、それでも年功で新しい仕事にチャレンジできる日本の良き古きキャリア育成システムは弱くなり、個人が主体的に動かないとキャリア成長がしにくくなるのではないかなぁと想像しています。
それならどうキャリア成長すればいいのか?
その答えは、👇の日経COMEMOさんがテーマに挙げている「複業」だと僕は考えています。
僕の複業経験 - Startup Leadership Program Tokyo
実は、僕は2013年ごろから、普通の正社員として働く傍らで、日本の起業家を支援する「Startup Leadership Program Tokyo (SLP Tokyo)」という団体の運営に携わっていました。
偶然出会って意気投合した仲間と立ち上げて、迷走しつつも活動を安定に乗せて2017年には一般社団法人化。今年はコロナの影響で活動をオンラインイベントに切り替えていますが、起業家を投資家を招いた公開イベントは100人を超える参加者でかなり盛り上がっています。(僕はデンマークにいるためまったく手伝えなくなってしまったので、ひとえに日本にいる運営メンバーの努力の賜物です)
非営利活動で収入が発生しなかったので、最初は会社に秘密でスタートしました(当時は、PTAや町内会と同じものでしょっ、という判断をした気がします)。
そして、一般社団法人化した際、創立理事になることになったので人事に相談。すると、収入が発生しないなら会社は気にしないと驚きの返事。なんだ、問題ないじゃん、と思った記憶があります。(ただし、外部活動で疲れたりして、会社業務に影響がでるみたいなことはダメだよという念押しはされました)
面白くなったのはこの時から!本業と複業が良い感じで繋がっていくことに!
日本では研究開発関係の仕事をしていたので、新規事業開発系のプロジェクトを担当していたのですが、新規事業開発は「起業」との親和性がとても高い!
SLP Tokyoで学んだスタートアップの手法を取り入れたり、SLP Tokyo で繋がったスタートアップとコラボプロジェクトをしたり、なんだか良い感じになりました。 ある社内プロジェクトはSLP Tokyo でのつながりがきっかけで発足し、現在そのプロジェクトは会社からスピンアウトする形で独立を果たしています(独立した当事者達は発足のきっかけを覚えていないかもしれませんが・・・😅)
新規事業開発は難しい側面が多いので、多くのプロジェクトは残念な結果になってしまいましたが、フタを開けてみると僕の業績評価では良い結果に。SLP Tokyoの活動は完全ボランティアの手弁当でしたが、その時にようやくプラスになったなぁと思いました 笑。
そんなわけで、デンマークに来るために退職する前の2017〜19年は、本業と複業が両輪で回ってかなり楽しかった記憶があります。
やはり、本業の会社では経験できないような役割や仕事をSLP Tokyo という活動で経験できたことが、僕にとっては良かったのだと思いますが、ふりかってみると、よかったことベスト3は👇な感じ?
副業と複業、そしてオススメな複業の選び方
さて、複業に興味があっても、どういう活動が複業なのかイメージがつきにくいかもしれません。
また、日経COMEMOさんはあえて「複業」と書いていますが、副業と何がちがうの?と思うかもしれません。
そこで、僕なり整理してみた図解がこちらです。
ざっくり説明すると、左はキャリア(本業)との関連性が低い活動、右に行けば自分の本業と関連した活動をイメージしています。
上下は、活動主体が組織か?個人か?ということですが、組織の場合はよりチームワークやコラボレーションが必要なもの、個人の場合は1人で活動するような感じです。
タイプ①: 副収入型副業
まず、左下は僕の中で副収入を得るための「副業」と呼ぶもの。手っ取り早く稼いだり、運用で資産を増やしたい・・・というもの。資産運用の観点は大事かもしれませんが、キャリア開発とは関係が深くないので、複業を目指している方向けではなさそうです。
タイプ②: ローカルコミュニティ型ボランテイア
そして左上の「ローカルコミュニティ型」は、町内会やPTAといった地域や親睦のためのものをイメージしています。中には当番制で義務だったりすることもありますが、基本は本業とは独立したボランティア活動だと思うので、キャリアと関連する複業とはちょっと違うかもしれません。
タイプ③: 独立型パラレルキャリア複業
右下は、持っているスキルや知識を使って収入を得る「独立型」。本業の傍ら、フリーランス・個人事業主として活動している方が多いと思うのですが、デザイナーさん、プログラマーさん、コピーライターさんなどクリエティブ業の方や、税務・会計・法務などの会社の実務経験を活かしてコンサルティングをされている方も多いと思います。
将来的に会社から離れて独立したい方(フリーランスや個人事業主を目指している方)やスキルを活かして副収入を増やしたい方は、この右下の独立型でパラレルキャリアを構築するのがオススメ。
今は、インターネット上で仕事を受発注するクラウドサービスがたくさんあるので、自分の強みにあったサービスを選び、仕事をゲットできれば立派なパラレルキャリアが築けると思います
タイプ④:プロボノ型複業(オススメ)
会社を辞めるつもりは(今のところ)ないし、収入よりも経験や仲間が欲しい・・・。そういう方は、右上の「プロボノ型」がオススメ。
プロボノとは、持っている知識・経験・スキルを本業以外のコミュニティ・NPO・NGOなどに無償提供して社会貢献するボランティア活動のことです。語源は「公共善のために」を意味する ラテン語のpro bono publico から来ています。
僕が SLP Tokyo で体験してきたのは、まさにこのプロボノ型。僕は日本の起業家の後押しをするというビジョン的なものに共感したので、共感できるようなNPO/NGO/非営利活動を見つけると良いかもしれません。
活動する際は、中核メンバーとして活動する方が、より大きな経験を積むことができます。ただし、ある程度活動に貢献できないと、立場が辛くなってしまうので、会計、ウェブサイト、集客、プロジェクトマネジメント、ひたすら現場オペレーションなど、自分の価値を発揮できる得意領域でスタートするのがオススメです。
プロボノ活動は基本的に無償なので当初はお金になりません。ただ、活動を通じて人脈が広がることで収入が生まれる「独立型」の機会が生まれることも(下図 赤矢印)。僕の場合は、SLPのメンバーの紹介でグロービス経営大学院大学の講師という貴重なポジションをいただくことができました。まさに瓢箪から駒的な出来事。
継続と家族の理解が力なり
会社勤めで、キャリア成長したい方にオススメなのはプロボノ型ですが、プロボノ型の欠点は成果がでるまで時間がかかること・・・。
僕の場合は、本業でうまく活かせるようになるまで4年かかりました💦
最初の1年は迷走して、2年目で慣れて、3年目でようやく好きなことができるようなイメージ。だから、3年ぐらい続けられるような活動を選ぶのが重要だと思います。(逆に続かないと思ったら、早めに撤退する方が良いと思います)
そして最も大事なのは、家族の理解!
独身の方なら自由に時間を使えますが、家族がいる方は、本業の時間・プロボノの時間・家族の時間を上手にバランスさせないと家での立場が難しいことに・・・。本業は収入のためと割り切れますが、稼ぎがないプロボノお遊びだと思われやすいのです・・・ 😅
僕は、夜間や週末にイベントだ!ミーティングだ!と家を出ていたので、奥さんにはかなり迷惑をかけたと思います・・・。でも、奥さんは長期的なメリットを理解してくれたので、本当に助かりました。(イベントの準備をするのに奥さんに徹夜で手伝ってもらったこともあります 🙇♂️)
さて、日経COMEMOさんの募集テーマに触発されて書き過ぎてしまいました 💦でも、僕の経験が少しでも誰かの参考になればとても嬉しいなぁと思っています。
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