八王子日記2
中学校時代は、学校が終わると、気の知れた仲間たちと八王子駅前の丸井の地下によく行った。いつも自転車で繰り出した。目的はガンプラやパーツを観たり、ガレージキットを見たり、少し大人の世界のビレバンに行ったり。ビレバンは普通の雑貨屋さんや本屋とも違う。ふかわりょうの絵本とかあって、当時からその才能を垣間見せていた。本や雑貨はやはりビレバンならではであった。当時はビレバンに行っているという感覚はなくて、たしか社会人とかぐらいになって、そうか、あそこはビレバンだったのか、と気付いた。もちろん丸井だけではなく、駄菓子屋さんやゲームショップやゲーセン、いろいろ行った。
八王子駅界隈に行く際には、とりあえずカメレオンクラブによく行った。今はもう無い。カメクラでは、レアなファミコンソフトやプレステソフトをよく買った。八王子市民にはマリオのマークでお馴染みのビスコにも、西八王子と八王子の間、大和田、このあたりのビスコ特によく行った。特に、西八王子と八王子のビスコは目立つところにあるから、誰でも知っていると思う。ここには、ハイパーヨーヨーも売っていたから、小学生の時はたくさん行った。ハイパーヨーヨーが売っていると言うだけで、気分が上がったし、自分の脳内には、とりあえず、ハイパーヨーヨーが売っているお店は、マッピングしておく必要があった。当時は、それが重要だった。お店は自分で開拓して、友だちたちとその情報をシェアして、自分の脳内にある八王子マップを常に更新していく。ヨーヨーが売っている脳内マップは、高尾地区から大和田地区まで拡大して、張り巡らすように作成していた。
放課後に味わう非日常性は中学生の僕らにはたまらなく刺激的で、日常を謳歌している感覚があった。今でもあの頃のたまらない感覚を思い出すことがある。ノスタルジーと言うか。夕方より少し前に八王子に繰り出すのは、学校とは切り離された特別な時間。お金はそんなに無い。でも自転車に乗って八王子駅前に行くのはお金がかからない。お金を使わない時もある。それで良いし、それが良い。ただ友だち達と会話をしたりふざけ合ったりする。そんな非日常の日常。
八王子の丸井は何回行ったかわからないぐらい行った。特にレッツアンドゴーが流行った小学生当時は丸井にはお世話になった。ミニ四駆のパーツやミニ四駆本体が少し安かった。まがいもののモーターやパーツもあった。特にモーターはタミヤ純正品よりも馬力がすごくて、ミニ四駆本体が耐えられるのか、というぐらいパワーがあった。ミニ四駆ブームの時はたくさんの子ども達で、八王子そごうや丸井、あとはタイヨー模型辺りは、常にあふれかえっていた。
そんな八王子駅前の丸井。もう今は無い。でも、私たちの記憶にはしっかりと刻まれている。
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