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受験国語 日本文学史2【大正時代】

🧡明治~昭和の日本文学史を4回に分けて解説します。
🧡受験では、著者名・著者名をつなげる問題が多いです。
🧡教科書・テストに出やすい作品を取り上げていますから、受験に出た場合も「ああ、あの話か」と、早読みすることが出来るでしょう。

✅芥川龍之介/あくたがわりゅうのすけ


「トロッコ」

少年の気持ちの変化が、テストによく出ます。
トロッコ(ジェットコースターのような仕組みで荷物を運ぶ)に乗せてもらった男の子。山の中を遠くまで行き、暗くなってから作業員に「もう帰れ」と言われる。真っ暗な中を家まで走り通した。家族がいくら理由を聞いても、泣き叫ぶばかりだった。

「蜘蛛(くも)の糸」
極楽(ごくらく)のお釈迦様(おしゃかさま)が、地獄まで1本の蜘蛛の糸をたらした。糸を登った一人の男が下を見ると、たくさんの人が登ってきていた。「こら、手を離せ!おれの糸だぞ!」とさけんだとたんに、男の上から糸は切れ、皆で地獄へ落ちてしまった。

✅志賀直哉/しがなおや


「小僧の神様」
テストに良く取り上げられます。丁稚奉公(住み込みで働きに出ている)の少年が、おいしいと聞いた「すし」を初めて食べに行き、お金が足りずに大恥をかきます。
ところが、奉公に出ているお店に来たお客さんが、恥をかいたすし屋に連れて行ってくれて「好きなだけ食べなさい」と言ってお金だけおいて帰ってしまう。
それから、少年は「あの人は神様だったのではないか」と希望を持って働くようになった話。
実は、その神様は議員さんで、恥をかいた少年を助けようとごちそうしたのです。
しかし、自分のしたことは「偽善」だったのではないかと、悩みました。なかなか奥の深い小説です。

「暗夜行路」
「暗い夜、行く道」の意味です。主人公と志賀直哉の人生を象徴しているかのような題です。
主人公は、父親とわだかまりがありました。大きくなって父親とは血がつながっていないことを知ります。
しかし、結婚してから自分も父と同じ境遇(きょうぐう)に立たされます。親子の葛藤(かっとう)・許し。相手の立場になって考えることの大切さを考えさせられます。

✅武者小路実篤/むしゃこうじさねあつ


「友情」
親友同士が、同じ女性を好きになってしまう話です。正反対のタイプの男性二人の友情。失恋のエネルギーを仕事にかけることを決心する主人公。

「お目出たき人」
主人公は、鶴(つる)という女性を愛しているが、行動を起こせず頭の中だけで、理想の女性としてしまう。
その女性はモテモテで、他の男性と結婚してしまう。しかし、主人公は自分と結婚する運命だと信じているので、二人を可哀そうだと思う。
だから、おめでたいひと。

✅有島武郎/ありしまたけお

「一房の葡萄(ぶどう)」
キリスト教の学校で、少年が友達のブルーのクレヨンを盗んで、ばれてしまいます。
次の日、どんなことを言われるか絶望的な気持ちで登校します。盗まれた少年も他の友達も、いつも通りに迎えてくれます。
校長室に行った少年。校長(シスター)は窓から一房の葡萄を切り取り、少年に渡します。
キリストが磔(はりつけ)になる前の夜、最後の晩餐(ばんさん)をしました。キリストが死んでも教えを忘れないためです。
キリストが弟子たちと飲みまわした葡萄酒(ぶどうしゅ)は、葡萄からつくられています。愛と許しの象徴です。

✅宮沢賢治/みやざわけんじ

「銀河鉄道の夜」
少年ジョバンニとカムパネルラが、鉄道に乗って銀河を旅するお話。童話。

「風の又三郎」
風の激しい日に、三郎という転校生がきた。そこでは「風の又三郎」という神様が信じられていたので、それではないかとうわさされる。三郎は、来た時のように、風の強い日に転校していなくなった。

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