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ジャッキーステーキハウス

私が初めて沖縄に来たのは、約16年前。その時に連れてきてもらったジャッキーステーキハウス。

約16年ぶりに行ってきた。

私が今回、確かめたかったことは。
お肉の味よりも、スープの味。

白いスープ。

沖縄に移住して分かったことは、あの白いスープは、沖縄の方には、とても馴染みがあるものだということ。キャンベル缶を購入して、家庭でも食べられていると知る。

シーサイドドライブインのスープも有名。

シーサイドドライブインHPより転載。

移住後、沖縄の人たちにおすすめを聞き、シーサイドドライブインのスープを飲みに行った時の私の正直な感想は。

「ジャッキーステーキハウスの白いスープとおんなじだ。」

私の白いスープの初体験は、ジャッキーステーキハウスだったのだ。

シーサイドドライブインの白いスープを飲んできたと、おすすめしてくれた人に報告したら。

「懐かしかったでしょ?」

えーと。

いや、まったく懐かしくなかったです。

茨城でもキャンベルスープを飲んで育った方もいるかもしれないけれど、私個人的には、馴染みのない味だった。

ジャッキーステーキハウスの白いスープの味と似ているという点では懐かしかったけれど。

正直に「懐かしくはなかった」と伝えると、おすすめしてくれた人は驚きつつも、受け入れてくれた。

生まれ育った場所によって、懐かしさは変わる。
それを実感した出来事だった。

ここまで書くのを躊躇ってきたけれど、ジャッキーステーキハウスの白いスープを飲んだ時の感想は、

「なんだ、これ…?」

だった。

ジャッキーステーキハウスさん、ごめんなさい。そして、シーサイドドライブインさん、ごめんなさい。

約16年前の世間知らずな25歳の私は、お肉の味も覚えてなければ、A1ソースも試さなかった。

白いスープのなんとも言えない味だけ、記憶した。

なんとも言えない味、というか、味がしない。

そう感じた(ごめんなさい)。

その記憶が、正しかったのか。それを確かめたかった。

事前に地図で調べたジャッキーステーキハウスへ、朧げな記憶を頼りに向かう。

大通りから小道に入っていくと、遠くにジャッキーステーキハウスのネオン看板を見つける。

あった!

ジャッキーステーキハウスの赤文字が光る。

ジャッキーステーキハウスの看板を発見。

お店正面の壁面には、OKINAWAジャッキーステーキハウスの文字と、牛さん。

これ、覚えてる!
ここだ!ここに来たんだ!

懐かしい。当時の記憶と比べて、駐車場が狭く感じたけれど、お店の中に入ると、案外広く感じた。

平日の18時頃に行ったけれど、すでに店内は満席で、外で待っているお客さんもいた。私たちも、店員さんに利用人数を伝えて、外で待つ。

やがて空席。

入口付近には、店内の混雑状況を知らせる案内板が設置されていた。

空席あり
やがて空席
只今満席 進入OK

駐車場に入ってくる車の為のものらしい。

やがて空席。

この「やがて」という表現が、沖縄らしくていいなあと私は思う。沖縄のひとは、案外使う。

やがては、「まもなく」とか「そのうち」という意味だけど、まもなくだと早すぎるし、そのうちだと長すぎる感じがするのを、やがてとすることで、煙にまく感じが、好きだ(個人的見解です)。

外観を楽しんでいたら、案外すぐに店内に呼ばれた。

昭和の雰囲気を残す店内には、食事を楽しむお客さんと、お肉を焼いたむわっとした煙が溢れていて、とても心が躍る。この雰囲気がとてもいい。

メニューもたくさんあるけれど、おすすめのテンダーローインステーキを選ぶ。

サイズも選べるけれど、値段にビビり、Sサイズ。さすがステーキ。フリーター改め非正規雇用労働者の私にとって、久々のご馳走だ。こんなステーキをご馳走をしてもらいながら、白いスープのことしか記憶していない恩知らずな当時25歳に、今更ながら、情けなさと反省を促す現在41歳の私でした。

ステーキの前に、白いスープが運ばれてきた。

約16年ぶりの再会…!

元気でしたか。味はお変わりありませんか。

いざ、実食。

うむ。

変わってない(衝撃ふたたび)。

むしろ、記憶よりも、もったりととろみのある喉ごしだった。同じようでいて、お店によって異なると言われる白いスープ。たしかに、シーサイドドライブインとは異なっている。

一緒に行ったEも、生粋の茨城県民。

どんな感想を抱いただろうかと確認すると、私と同意見だった。さすが同郷だ。感想の詳細は自粛するけれど、やはり馴染みのない味に感じたようだった。こっそりほっとした私でした。

Eは、白いスープに「塩と胡椒を入れると美味い!」と発見し、自分好みのスープにカスタマイズしていた。あとで沖縄の方に聞いたら、その食べ方は正解らしい。流石だ!

出されたものがお店の味だから、勝手に変えてはいけないと思うのは、固定観念ガチガチのつまらない発想なのだ。好みの味にして、食べる。それが食事の醍醐味なんだ。

白いスープの答え合わせを済ませて、テンダーローインステーキをいただく。

うおー!美味しいーーー!!!

久々のステーキは、最高だ。幸せだ。

テンダーローインステーキ!
カタカナと英語が併記されたメニュー。

冊子メニューの表記はテンダーローインステーキだけど、店内の表記はテンダロインステーキ。HPの表記はテンダーロインステーキ。伸ばし棒の有無は、英語を日本語に変える時の微差なのだろうと想像する(もしくはメニュー盤の幅という物理的な理由)。細かいことは、こだらわない。内容が伝われば、問題なし。沖縄のそんなとこも好きです(たまに困ることもあるけど)。

店内にはAサインの許可証も飾られていて、沖縄の歴史を感じさせる。戦後の沖縄を生き抜いてきた老舗ステーキハウスなのだ。

Aサイン(英語: A Sign)は、本土復帰前の沖縄において米軍公認の飲食店・風俗店に与えられた営業許可証。

Wikipediaより引用。

店内に一歩入れば、2023年から1953年にタイムスリップ。昭和な空間で、美味しいステーキと沖縄のソウルフードである白いスープを味わう事ができる。

ジャッキーステーキハウス、また行きたい!

ちなみに、白いスープのレトルト商品もあります。自宅で味わいたい方は、ぜひ!

ジャッキーステーキハウスHPより転載。

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