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人生100年時代は働いたほうが人生を楽しめる

今日のおすすめの一冊は、出口治明氏の『還暦からの底力』(講談社現代新書)です。その中から「自分というコンテンツを磨こう」という題でブログを書きました。

本書の中に「人生100年時代は働いたほうが人生を楽しめる」という興味深い一節がありました。

定年廃止、あるいは定年延長について「いつまで私たちを働かせるつもりか」と批判されることがあります。 これは批判の前提が間違っています。目的は高齢者を無理やり働かせることではなく、「人生100年時代は働いたほうが人生をエンジョイできる」ということが大前提であり、働きたくない人はいつでも自由にリタイアすればいいのです。 

こうした批判が出てくるのは、好きではない仕事についている人が多い現実の裏返しかもしれません。しかし仕事は無理やりやらされるものではなく、好きなことをしてお金を稼ぎ、ご飯を食べていくのが基本です。言い方を変えれば人々が人生100年時代に幸福な生活をおくるために定年を廃止するのです。 

定年廃止について的外れな批判が生じるのは、不勉強なメディアが「定年廃止は高齢者の虐待」のような伝え方をするからです。 

改めて、定年廃止のロジックを整理しておきましょう。秦の始皇帝が不老不死の薬を探させたように、長寿社会は人類の理想です。ただし、いくら長生きできても寝たきりになっては意味がない。元気でなければ人間の理想社会とはいえません。

だから健康寿命を延ばすことが極めて大切で、そのためには働くことが医学的に見て一番いいのです。 働くことは、規則正しい生活に直結します。雪が降ってもあられが降っても職場に行くので毎日1万歩くらいは歩きますし、いろいろな人と会話もします。

働けば頭も体も使い、健康寿命を延ばします。もちろん収入も得られます。このように働くことは良いこと尽くめなので、定年を廃止しようというロジックなのです。 

「高齢者をまだ働かせるのか」という批判の背景には、残業必須の長時間労働といった、従来の日本の伝統的な働き方のイメージが残っているのかもしれません。しかし、政府も働き方改革によって長時間労働の抑制と、それぞれの人の意向に応じた働き方ができるような方向に舵を切っています。

その時点の意欲、体力、能力に応じて自由に働ける社会、働き方を自由に設計できる社会をつくっていくことが理想です。長時間労働は愚の骨頂で、グローバルな企業で長時間労働をやっているところはどこにもありません。

高齢者が働くことは、年金問題の解決にもなる。高齢者で年収が高い人は、年金がもらえないからだ。あるいは、多くお金を稼がないとしても、少なくとも老後貧困の問題はある程度解決される。また、働いている間は社会保険に加入するので、病気になったときの費用問題も解決できる。

今後は短時間労働(週20時間または月額で8.8万円以上)であったとしても、社会保険に加入することが中小企業でも義務化される。中小企業にとってはかなりの負担増となるが、これはドイツではとっくに実施されていることだ。

このことにより、今まで不公平とされてきた3号被保険者問題(扶養されている配偶者)も解決し(廃止の方向に)、女性の就労も進むことになる。

いずれにしても、生涯現役でいることが、健康に一番いいし、ボケの防止にも有効だ。人生100年時代は働いたほうが人生を楽しめる。

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