『美しいあの霧, ぬめる言葉』2019.11.1



言葉を捕まえるために, あたしは貴方を殺す. 妄想の中, 浮遊. 美しい霧の上に雲が出来た, 貴方が遠くへ行く, 許す, 許さない, そうじゃない, そうじゃないよ. 温度計を刺す. 猿山に登って, あたしかわいいって, 言われたくて塗るマスカラ, 中学生の失敗みたいな顔, 誤魔化して. もう一度会いたいのは, 涙の出なかったあの頃, 言葉で撫でてくれた貴方の, 泣きそうな. こんなに苦しかったのにあたしたち, 何処へも行けない, そんなことないよ. お互いを見つめ合う, 永遠につづく道を, 鏡合わせのあたしたちが創る. 此処を通ればわかり合えるの. と誓いをきく. 知りあう為の嘘. 貴方はあたしだよ, あたしは, 刺さった言葉が痛くて, 嫌いだと, 言った. (プリズムが苦しい. ) 届かない, 書けない, 出来ない. 発酵する黒. 塗り潰すほど出てこない感情, 孤独は修正液で, あたしは消せないボールペン. 隠して汚れる. (プリズムが. ) どうにも出来ないなら, せめて, あの頃のあの匂いを. _, _.思い出したい.,_.@/_思い出したい.,_&.@/.,思い出したい. せめて死ぬまえに, あたし, 塗りたくるマスカラ, 失敗した暑い夏の日, 逃げてしまってから見ることの許されていない, 藻の生えた石の転がる浅い湖, 脚を浸す, 濡れる服, 変わらない景色. 暑さ, 遠い日の貴方, 思い出したい匂い.&_.,@.._,
美しいあの霧, ぬめる言葉.



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