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詩や、遊んだ文章など

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特殊な感じで書いた文章をまとめます。暗いのもあります。
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#ファンタジー

『深海』2019.10.06

限りなく深い世界の底に沈んでしまった時, 夜の夢を見る。(ヒーターを入れた水槽。)ぱちぱちと…

散文詩『光』2019.10.03

心臓が延長する。アンドロイド, 思考は身体だ。両とも"延長”する. 遠くにある光源に, 人間な…

散文詩『カルトワルツ』2019.10.02

額に当てられた手のひらの温度を覚えている。うばうようであり与えるようでもある。少年の聖典…

散文詩『自閉』2019.10.01

筆圧の高い鉛筆画を彼女は永遠に描いていた。 天地を創造し始めて二週間。予定のピンを、上か…

散文詩『記憶のドラゴン』2019.9.30

サグラダファミリアは青銅色の板に閉じ込められた. 警告だ, (洗脳しよう). 錆びた鎧を着なけれ…

散文詩『ネバーランド』2019.9.30

鼻を抜ける微かな香りは白いスカートの薄い生地, 円形に舞う(淡い花の香)夜明けのむらさき咲い…

散文詩『人魚脱出』2019.9.24

潜水艦は風呂釜に潜み、(世界)。 直ちに危険は無い. 呑み慣れた塩水 黒いタイルが覗いている、生焼けの 肌は、美しい。鏡に背「いいよ」 人魚の泳げぬ拘束。「ごめんなさい」 会えなくなる、息を辞めるな。喉 仏が上下みたい、神秘の鱗色、透き。 通り飴玉、溶けるく、らい、の熱。 夏が終わったよ。知っている華奢な 肩が震えた。踊らないで、脚、首筋、 大事にして。生きていればいいから。 人魚へ逃げ出した。不安の、潜水艦 「ごめんなさい」「いいよ」 遠くへ幸せになってね。黒い敷石、

散文詩『砂の層』2019.9.21

死んでしまう よ、と旅人は言った。 ただ、遠い町から遠い町へ、北風なんかを嗅ぎながら、 立…

散文詩『冒険』2019.9.13

溶けるような月の粉末を飲み干す。騒めく葦の影、大気揺れる頬に触れる髪。軟水の唾液、対面の…