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幸福でいてください。床下に、貴方へ。 埋めておきましたからね。紙風船、桔梗。 春は来ました…
神経毒みたいに 切なさを、擦り込む 落ちてきた星は、かんたんに せかいを壊しては、すぐに再…
マーガリンを塗りたくる夜のダンス、白鳥の羽を表現した淡い広場、くるみ割り人形が踊り嘘つき…
洗濯物が干してあるアパート プライバシーロス、君の生き様 玄関前で聞こえる君の声 スウェッ…
待ってた 君を 指と指 溶け合う 心に触れてみたい 透明に 響き合う 暗い海の そこにいる …
硬化した心臓に、流れ込む微かの 忘れたい過去へ、呼吸を放り込む箱 風化した構造に、霧裂ける…
やってしまった、と妹から連絡が来た。その手編みのマフラーは被害者男性の自宅ポストに押し込まれたらしい。あの人は悪くない、と繰り返す妹は明らかに、振り向かない彼に不満を持っていた。じゃあ諦めたら、と言うと、既に諦めていると返ってくる。気持ちが欲しいわけではない、嫌がらせをしたいわけでもない。何も求めない、と妹は繰り返す。それならやめなよ、と僕が返すと、だって首元が寒そうだったから、と健常な善人が他人へ親切するような物言いで、妹が呟く。だからマフラーなんか編んだの、と聞くと、そう
溺れた花を燃やす少女の背中に骨が浮いている。「私はどうして泣かないのかな」「どうしてだろ…
世界が一度壊れなければ創りなおせないなら、元は醜くあったほうが良いのかもしれない。何の感…
苛立つ明滅する灯を一つずつ消してゆく, さようならさようならを唇で紡ぎながら, 一つずつ忘れ…
忘れ泣く刃物と人間の末端. 一つ一つ果物を潰すように, 滲出液は指の傷へ滲み痛み, 皮を剥く眼…
体を壊すほど感情に囚われた経験は, 人生で一度しかない. あ れは . 溜まり切った膿みを吐…
溶けると刺さるが両立する 世界のうろこを剥がした。 不味い、と吐きだした舌の先 滴る金の粒…
かなしみは花を咲かせている。 鮮やかでめだつ、わすれられない色で。 わたしはあなたをまっていた。 凍えた街に、しろくなった息が、かわいそうを雪みたいに わたしをつつんで、むなしさでころされて しまいそうな道路だった。 どうしてあるのかも、わからないレンガ造りの、 雑草の生えたトンネルが、あなたをその中心に映していて 悲しみの花が、その右足の下で潰れていた。 わたしは、あなたが、すきだった。 このせかいは、こういうせかいだったから、 あいすること、わすれないでいられるのでしょう