人生を楽しむための年末の振り返り - 自分のために自分を理解する。
これを書いているのが2021年12月中旬。一年が過ぎるのは早いもので、もう年末が近づいてきましたね。この時期になると一年を振り返り、来年の抱負や計画を考え始める人も多いのではないでしょうか?
ちなみに皆さん、どんな方法で一年を振り返っていますか?
人や家族によって色々な習慣があるかもしれないですね。
私の前職の上司は、年始に親戚で集まって抱負を書き初めするようです。
ちなみに私はコロナの前までは、札幌の実家の近くにある喫茶店にノートを持ち込み、一年を振り返るということを毎年やっていました。(一時期は同じことをバーでやっていましたが、若干浮くので辞めました(-_-;))
ただですね。新年が始まるとあっという間に忘れる訳です。。。
更に思い付きベースで振り返っているので、本当に意味がある振り返りになっているのか、大事な要素が抜け落ちていないかもよくわからないんです。
なので、先日2021年12月10日にパソナシンガポール様と共同開催したプライベートセミナーでの企画をきっかけに、一年の振り返り方を整理してみました。
内省の第一歩は自分を理解すること
今回は「振り返り=内省(自分で自分を理解すること)」と捉えてみます。
私たちはたくさんの「~すべき」、「~しなければならない」に囲まれています。マネジメントとして、父として、母として、夫として、妻として、友人として、家族として・・・。
それぞれの「立場」で今年一年の出来事を遡り、続ける事、辞める事、改善する事を決め、プランに落とす。これもめちゃめちゃ大事だと思います。
但し、「~すべき」、「~しなければならない」ばかりを重視すると、自分の感情や本能が置いてけぼりになりがちです。本来一番の味方であるべきの自分が自分の事を無視しているとしたら少し可哀そうですよね。
どこかで歪みが出てきたり、つらくなることもありそうです。
幽体離脱して自分を観察するメタ認知
そこで「メタ認知」という言葉があります。「メタ」というのは「高次の、超越した」という意味なので、メタ認知というのは幽体離脱して自分自身を客観的に観察し理解するというニュアンスでしょうか。
このメタ認知力が高い人は「自分で自分のことを客観的に見て、折り合いを付けられる人」と言うことができ、社会を上手に生き抜くだけでなく、自分の感情と上手く付き合っていくためにも役に立ちそうです。
ですのでここでは内省の一手段として、メタ認知の枠組みを紹介します。
※「リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術」(熊平美香著、2021)の内容を自分にわかりやすい形で加工しています。若干再構成しているため、オリジナルを確認されたい方は書籍をご覧ください。
重要なのは「感情」
自分を客観的に理解するメタ認知には、以下4つのステップがあります。
①経験:今年あった大きなイベントは何か?
②感情:それに対してどう感じたか?
③価値観:自分はどんな考え方の持ち主なのか?
④意見:それを踏まえてどうしたいか?
一つ目の「①経験」というのは、この一年の出来事を振り返ることを指します。これは印象に残っている出来事をイメージするでもいいですし、ある程度網羅的に洗い出したい場合はカレンダーを1月から振り返るのもいいかもしれません。このようにまずは事実確認からスタートします。
この洗い出しは公私(仕事とプライベート)分けなくてもいいです。むしろ自分という人間を理解するにはあまり分けない方がいいかもしれません。
次にその出来事で自身がどう感じたのかを思い出してみます(②感情)。
この感情は、喜怒哀楽の4つ以上に種類があります。例えば、関心、恐れ、後悔、ためらい、不安等々。興味がある方は是非「プルチックの感情の輪」をGoogleなどで調べてみて下さい。感情理解の幅が広がると思います。
このように①経験、②感情を振り返ると、自分がどんな考え方をしているのか、何を大事にしている人間なのかといった③価値観が浮かびあがってきます。このプロセスによって自分自身に対する理解がぐっと深まるんですね。
それを踏まえて、中長期的にどんな人生・キャリア・家族を築きたいかといったビジョン、その上で来年はどう過ごしたいか(④意見)を考えます。
こうしてまずは感情を起点に自分の価値観を理解し、その上で将来の事を考えるのがおススメです。いきなり①経験⇒④意見にジャンプすると、④で出てくる将来ビジョンが他人の価値観を前提にしたものになりかねません。
前述の通り、世の中には「べき論」が溢れています。メディアを通じて画一的な成功のイメージが形成されていますし、家族・周囲からの期待・プレッシャーもあると思います。
私は次男で、兄が何をやれば褒められるか・怒られるかを観察しながら育ちました。その影響は今でも続いていて、周りを観察し、何を求めているか、どのような振る舞いが「正解」かを考えながら行動する癖がついています。
おそらく社会的には正しい。但し、自分の感情を殺す作業にもなり得るのでどこかで歪みや無理がくる可能性がある。
なので、少なくとも年に一回は自分の一番の良き理解者であるべき自分が自分の価値観を理解し、受け止めてあげる。そして今の状況に無理があるのであれば軌道修正をしてあげる。
このように、目に見える表面的なものだけではなく感情や価値観まで踏み込むことを強くおススメします。
内省の結果を誰かに共有する
しかし残念ながら、年末年始にいくら考えても、日常に戻るとあっという間に元に戻ることってありますよね笑
自分の中で密かに何かを決心しても、周りのサポートがないと変化を起こすのはなかなか難しいものです。やはりビリーズブートキャンプのビリー、ライザップの個人トレーナーのような人がいると心強いです。
なので、自分で①~④の内省をした後に、その結果を信頼できる誰かに話してみて下さい。家族かもしれませんし、職場の上司や同僚かもしれません。
自分が信頼する人にシェアをすることで、新たな気付きを得るかもしれませんし、無意識に道を逸れても、それに気が付いて修正してくれるかもしれません。
更に、定期的に振り返りの会を設けるのもいいかも知れません。私の場合は家族の誕生日がちょうど4月と8月となので、その辺りに中間チェックポイントを持ってくるのもいい気がしています。
全ては自分の人生を楽しむため
こんな面倒な事をなんでやる必要があるんだろうと改めて考えると、色々な模範解答が思い浮かびます。「去年よりも来年をいい年にする」、「来年は更に成長する、飛躍する」等々。
全て正解だと思いますが、究極的には人生を楽しむためなのかなと。
ビジネススキルの講師をしている人の結論とは思えませんが笑、死ぬときにいい人生だったと言えるように生きる。
難しいことだとは思いますが、この振り返りを定期的にするのとしないのでは、結果が大きく変わる気がしています。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?