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【第19話】ONE for ALL, ALL for ONE

どうも、川瀬です。
久しぶりになりました。いよいよ今年の箱根駅伝予選会が近づいてきました。なかなか展開が読めない今年の予選会ですが、後輩たちには悔いなく走り切ってほしいなと思います。

さて、それでは引退アルバムの続きを書いていきます。前回は昨年、4度目の関東インカレながらピーキングに失敗してしまった話を書きました。すなわち大学5年の5月が終わったあたりまで話が進んでいたわけですね。

今回は筑波大学が昨年の6月、全日本大学駅伝予選会に出られなかったところからです。今回は個人的な話ではなく、当時のチームの話です。

5月末の関東インカレが終わると、6月末には全日本大学駅伝予選会があるため10000mの練習をします。しかし関東インカレから1週間後の日体大記録会、2年前筑波が大逆転を起こした記録会で、この年は逆転されてしまい出場権を逃してしまいました。

当時具体的にどう負けたのかがわかりやすいツイートを見つけることができたので共有させていただきます。

しっかりと10000mを走れる選手を8人揃えることもできませんでした。

内部から見ると、この8人+数人がAチームで練習しており、プラス2.3人が30分前半を狙ってBチームで練習しており、10000mに向けて14人くらい練習していましたが結果は振るいませんでした。

過去の記事を見てもらえれば分かるかもしれませんが、筑波大の長年の課題は選手層の薄さでした。過去の予選会や全日本大学駅伝予選会、どの試合を見ても「3〜5人は走れるんだけどなあ」という感想が出てくるのが筑波大学でした。

ただこの言い訳は試合に出場している選手が「もっとやれたはずだったが調子が合わなかった。」、「全員噛み合えばもっと戦えるのに。」という言い訳の上に成り立っていた"選手層が薄い"という言い訳でした。

しかし今回はどうでしょうか?Aチームのメンバーは戦えていたでしょうか?
調子がいい時に記録会でタイムを出せば出られる試合の出場権を逃す程、チーム力は低下していました。

さて、問題は更に続きます。全日本大学駅伝予選会に出られなかった訳ですが、そもそも出ようとしていたチームだったのでしょうか。例年通り、漠然と全日本大学駅伝予選会に出たいという意志だけで、当時のチームには具体性が欠けていました。
またそもそもチームとして機能していたかも問題だったかもしれません。当時のチームは誰が何を目標に練習しているのか分からず、チームの目標に対しても誰かが頑張っているだろうというような雰囲気になっていました。誰がどの試合を目指しているかもあやふやでチームで誰が何をしているのか見えなくなっていたように思えます。

2019年6月、筑波大学は走力も組織力も壊滅的な状態になっていました。全日本大学駅伝予選会に出られるはずのないチーム状況でした。

さて、そんなチームに対して動き出したのが当時3年の上迫でした。

具体的に何をしたかをあげるとキリが無いのと、上迫が頑張ったことなので自分がここで言うのは違うのかなと思うのですが、1つ簡単に言うとすれば

「本気で箱根駅伝を目指す気があるか」という問いに対して答えを持ってこいというものでした。
当時4ヶ月先の箱根駅伝予選会に向けて、持てる全てのものを箱根に出るために注げられるか、、、それは「今年は実力や怪我的に無理そうだから来年の予選会を頑張りたい」という意志は無視です。とりあえず今、目の前の予選会を突破するために全てを犠牲にできるか。練習以外の時間をいかに競技のために使えるかはもちろんのこと、例え自分の練習が削られてもAチームのために動けるか、そしてAチームはそういった犠牲の上で本気で箱根を目指して走り箱根にチームを絶対に導く意志があるか。と言うものでした。

誤解させないように言っておきますが、実際にそこからBチーム、Cチームの意見や練習を無視したわけではありません。それぞれの実力や試合に合わせて、練習をしました。

しかし当時、チームの組織力を上げるために本気で箱根を目指せるかのマインドセットを行いました。

その結果、何人かチームを離れトラックに専念する選手もいました。しかしここで残ったメンバーで一緒に腹を括ったことは、チームの業務を円滑に進め、練習を集団でこなす意識が変わり、お互いがストレスなく目の前のことを取り組めるようになりました。

結果、チーム全員がチームのために、箱根に行くために動けるようになり、チームの歯車は一人一人が一生懸命回り、またそれらが噛み合うことでさらに加速して回っていきました。そして合宿を超えるたびにチームはどんどんと強くなりました。怪我で大きな離脱をする選手もおらず、いよいよ勝負の箱根駅伝予選会へと向かっていくわけです。。。

さて、当時のチームには上記のような変化がありました。
上迫がチーム力を高めるためにしてくれた工夫の数はこんなものではありませんが全てはチームの方向性を定め、チームが一段となって動けるようにするためでした。

チームを一段で動くというのは当たり前かもしれませんが、実際そんな簡単なことではありません。チームの中で自我を出してしまうこともあると思います。逆にチームの中にいるが故に何も考えずにチームの流れに乗っかるだけで実はチームのために動いていないということになると思います。それはチームで動いているのではなく、チームに個人を動かしてもらっているのであり、そんな選手は目に付きにくいだけで確実にチームの足を引っ張っています。個人個人がひとつの方向に向かって動くからチームなのだと気づけた瞬間でした。

実際チーム全員が同じ方向を向いて走り始めるだけで、全日本大学駅伝予選会に出られなかったチームが4ヶ月後の箱根駅伝予選会を突破してしまうわけですから、チームで動く力というのは底知れない物を感じました。チームというものの面白さを共感してもらえたら嬉しいです。

さて次回は個人編です。
自分もこの夏強くなれました。同じ時期の話になりますが個人的に全カレなどもあったので笑

そこらへんについて書きます。
お楽しみに~~

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