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フラ語で演劇日記:授業初日に立ちはだかった壁。

この度、4月~6月の3か月間、パリのÉveil de l'Acteurという小さな演劇学校にて、***フランス語で***演劇クラスを受けることにしました!

というのも、最近、フランス語を「日常会話レベル」から「役者として使えるレベル」に持っていく方法に悩んでいます。
周りで5年以上フランスに住んでいる友達も、ネイティブレベルになっている人と日常会話止まりの人と二分化している。
話を聞けば聞くほど、ネイティブレベルに持って行っている人は、語学学校の後に、博士号や養成所などをフルタイム、かつ、数年間フランス語で受けているんですよね。

やっぱりフランス語に《浸かる》しかない。

でも、フランス語が不十分な私を受け入れてくれる演劇学校なんてどこにあるんだ?!と鶏か卵か問題にいました。

そんな中、上記のクラスは、1学期=3ヵ月間ずつ登録できて、期末公演もあるから、フランス語で舞台に上がる経験までできる!!!
今の私には完璧。一応オーディションなるものを受けて、合格をもらえたので速攻で登録しました。

ということで、今日から毎週日曜/3時間の授業が始まったのですが…。

つー------------------------らい。

むー----------------------ずかしい。

やっぱり日常会話から演劇をするレベルに引き上げようとするのは、そう楽じゃないと感じています。
3か月間である程度は上達しそう。
でも一回一回の学びが濃すぎて、3か月後に振り返るためにも、簡単な「日記」を残していこうと思います。


DAY1

パリの小さなスタジオに先生と9人の生徒。
内、7人は前期から同じクラスを受けていて、つい先週、期末公演を共にした仲らしい。

自己紹介もなく、すぐエクサがスタート。
(明らかにNonネイティブは私だけなので、自己紹介で「私のフランス語、まだ、たどたどしくて…」って言い訳しておきたかったョ…泣)

前半のエクサは、身体を動かしたり、言われた架空の状況を演じたり、まあ演劇クラスのエクサは大体想像がつくので、先生の指示さえ理解できれば問題なくついていける。

問題は、後半のインプロ(即興)
2人ずつ舞台に立ち、先生に与えられたテーマ一言だけを頼りに、ゼロからその場でシーンを作っていく。

フランス人、話すスピード早いし、話し言葉になると辞書に載ってない単語ばっかり出てくるし、今まで触れたことないトピックにまで飛び火するし、もうー--、恐怖。

相手の文章が聞き取れなかった時点で潰しがきかないし、聞き取れても言い返したいことの中に知らない単語があれば立ち止まってしまう。

奇数の9人クラスで2人ずつ即興をしていくので、他の人が全員やるまで静かに待って、「残った一人と、もう一度やりたい人ー?」カードを使うことに(笑)
そしたらこんな私が相手でも「ま、もう一回舞台に上がれるし、いっか」って思ってくれるよね?(←超弱気)

私、実はインプロの授業を受けたこともあるし、実はインプロが大好き。
だからこそ、一度目の即興は、自分から状況設定しようとか、話を展開させようとか、全部やろうとしちゃった。
相手の言ってることが分からなくても、何か推測して返そうって。

結果、相手の言ってることと嚙み合ってなくて、先生に指摘される始末。

正直、その場で「すみません、インプロは当分の間、座って見てていいですか」って折れそうになった(笑)

でもすぐやり直しに入って、今度は素直に相手にリードしてもらうことに。
すると、まあまあシーンも成立して、先生もまあ納得。

言葉が出てこない時は、無理に色々提案したり、話にツイストを付け加えたりしようとせず、「YES, AND(相手の提案の承諾)」をするだけで十分だと悟った。

とりあえず、聞く、話を合わせる、聞く、話を合わせる…。
なんか、インプロを初めてやった日に舞い戻りした気分。
・・・・・・・・・・・悔しい。
でも、「聞く」という大前提の何よりの重要性を再確認したし、背伸びしすぎずに、自分の現状を受け入れる謙虚さを学んだ気がする。

少し脱線するけど、新しい学びは、「普段の自分を維持できない時」に来るんだなって感じる。
普段は、どんなエクサも一番に手を挙げて舞台に立たせてもらう方だけど、このクラスではまだ一番に手を挙げる自信がない。
普段のインプロでは、「ステータスの高い」キャラクターばかり演じがちだけど、このインプロでは、聞くに徹する結果、「ステータスの低い」キャラクターを演じることも多い。

居心地が悪い。でも、だからこそ新しい学びがある。

話を戻して。
恐れていたNext Step:グループインプロ(笑)

2人だと、やっと相手とバランスを見ながら話を構築できるようになったけど、グループ(4~5人)だと絶対みんなの間だけで話が進んでいって、私、置いて行かれるじゃん~~~

本当に恐怖だったけど、とりあえず舞台へ。

そしたら、先生からのお題:「SEX」
(インプロではよく出てくるんだけど…。)

まじで、関連単語を何も知りません(泣)

でも他のみんなはここぞとばかりに、一斉に話し出すし、たぶんめちゃ面白い話しててクラスから笑いは起こるし…

結局、一言も話せないまま舞台を降りることに。
・・・・・・・・・・・悔しい。


ということで、DAY1が終わりました。
正直、ちょっと涙ちょちょぎれる悔しさ&恐さの3時間でしたが、一回目はそんなものだろう!ですよね?

授業後、一緒にインプロしてくれたパートナーに「ありがとう」と伝えると「全然言語力とか気にならなったよ!楽しいシーンができたじゃん!」と言ってくれたので、その言葉を素直に受け取り、自分で壁を作りすぎないようにしたいと思います。

授業後、冷静になればなるほど気づいたのは、先生も言語力は一切指摘しないし、むしろ言語の壁なんて無いかようにみんなと対等に扱ってくれるということ。
それって恐らくすごく有難い環境。

来週は、なんと早速フランス語の古典戯曲からのモノローグ(…!)を発表するようなので、事前準備で足りないところはカバーします!!!
(↑にしても古典戯曲…震え)



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