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息子の誕生日

今日は10月6日。
息子の誕生日だ。
もしまだ生きていたら18歳の誕生日を家族で一緒に今日お祝いしていただろう。私の住むオランダでは18歳から成人とみなされる。
本当にあっという間だった。

18年前のこの日の早朝に私はカナダで息子を出産した。
まだ妊娠28週弱で早すぎる出産だった。
当時私はニューヨークの友人を訪問した後、ソルトレークシティーの友人を訪問しオランダに帰国する途中だった。
飛行機内で破水しカナダに飛行機は緊急着陸した。
まさに映画で見るような話だ。

すさまじい出来事が沢山起きた。早すぎる出産で息子の健康状態は思わしくなく医師から延命治療をストップする事をすすめられ生まれて僅か3日後に息子は私の胸に抱かれて天国に旅立って行った。
この世に生まれてほんの3日。
私のお腹の中に約28週間。
これだけの期間しか私は彼と一緒にいなかったのに私にとっては一生に残る大きなインパクトを残して彼はいなくなった。
しかし彼は私の目の見えるところから居なくなってしまっても時々今でも彼とはつながっていると感じる事がたまにある。上手く説明できないがそれは本当だ。

私は息子が亡くなってしばらくの間頭がおかしくなりそうなほどつらかったが、その後ふと息子の立場で物事を考えた時に、自分の大好きなお母さんを自分がつらい思いをさせていると思うとさぞかし辛いのではないかと思い、それからはなるべく悲しまないようにした。代わりに早くこの世を去らなくてはならなかった彼の分まで私が一生懸命に生きようと努力した。
実際はそんなに格好の良い物では全然なかったが、私は私なりに一応努力はした。
彼のお姉ちゃんや妹たちも無事に立派に大きくなってくれて毎年一緒にお墓参りに同行してくれる。
オランダはお墓参りなんてめったに行かない人ばかりだ。
死んだらそれまでみたいにさばさばしている。
だから余計に有難いと思う。
今年はちょっと早めにお墓参りに行ってきた。
お花を植えてブーケも備えて。バースデーソングを歌って帰った。
いつもなら帰りに近くのパンケーキレストランで美味しいものを食べて帰るのだが、その日は時間に余裕がなくまた次の機会にと言う事になった。

この文章には私の感情は殆ど書かれていない。
なんだか学校に提出するレポートみたいだ。
きっと今私の心にブレーキがかかっているからだろう。

人生本当にいろんな事があります。
良い事も悪い事も本当に沢山。
私は今年の第2クリスマスに58歳になります。
あとどれ位生きているのかはわからないが、今まで生きてきて実感している事は”人生は楽しんだもん勝ち”。勝ち負けなんて本当は関係ないが、小さい事にはこだわらずとにかくどんな時でもみんなで笑って楽しく生きていられる練習をする為に頑張ってこの世の人生という学校で頑張っているのじゃないかなあと思う。

私は通常不真面目でふざけたことばかりしたり言ったりしている人なので、今回久しぶりに真面目な文章を書いたので少し疲れました。
ちょっと外に行って気分転換にふざけてきます。

皆さん一緒に楽しく生きて行きましょう。

読んで下さり有難うございました。

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